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【正論】「月刊朝鮮」前編集長・趙甲済 北世襲は悲劇を通り越し喜劇だ (1/2ページ)
「ヘーゲルは言った。『世界史上の大事件と大人物は別の姿でもう一度現れる』と。ただ、こう付言するのを忘れた。『最初は悲劇として。次には喜劇として』」
マルクスの名言に倣(なら)えば、「金正日総書記による最初の世襲は悲劇で、金正恩氏の2度目の世襲は喜劇的だ」ということになる。日本共産党機関紙、赤旗の平壌特派員を経験した萩原遼氏は以前、筆者に、「金正日は本当の共産主義者の敵だ。彼が本当にファシストだからだ」と語り、「金正日は雪だるまだ。暖炉があれば溶けてしまう」と付け加えた。
北朝鮮から韓国に亡命した黄長●元書記は「朝鮮半島の南北の対決は資本主義と社会主義の対決ではなく、資本主義と封建主義の対決だ」と述べた。拉致され、金総書記の夜のパーティーによく呼ばれた映画監督の故申相玉氏は、近くで目撃した北朝鮮の支配層の実態を「馬賊団」と形容した。
≪ガキ大将生産?の先軍政治≫
金総書記は9月28日の朝鮮労働党代表者会の直前、軍経験がない20代の若者と60代の老女を大将に任命した。金総書記の先軍政治というのは「ガキ大将」を量産する兵隊ごっこに変わった。歴史のゴミだめに押しやるべき守旧反動集団の喜劇的3代世襲を、最も厳しく批判しなければならない人々は社会主義的理想を持ったと気取る者たち、つまり、韓国と日本の左派、そして朝鮮総連である。彼らの批判は、自らの潔癖証明と生存のためにも必要なのだ。
小説「1984」を通して、北朝鮮体制のような怪物の登場を予言したジョージ・オーウェルは、狂信と戦って狂信徒にならないのなら、「頭を使わなければならない」と忠告をした。金日成・金正日父子は、戦争と独裁で700万人の命を犠牲にした責任者だ。生き残った北朝鮮の人々もまともではない。平均寿命は同じ民族の韓国の人々より15年短く、男子の平均身長は14センチ低い。北で丈夫な者は大半が労働党の貴族だ。
≪30年余りの衰亡の悪循環≫