今度はヤクルトが新潟移転?! ヤクルトは5日、本拠地・神宮球場で行われた阪神戦に4−17でボロ負け。実は試合前から選手の間に、不穏な空気が流れていた。
この日、神宮は東京六大学野球との併用日で、午後1時開始の慶大対立大の20年ぶりとなる5回戦が延長14回までもつれ込み、慶大が5−3で決着をつけたが、ヤクルト戦は10分遅れの午後6時10分開始となった。
「たった10分ぐらい、いいじゃないか」という問題ではない。散々待たされたヤクルトナインが球場入りできたのは午後5時半。普段はウオーミングアップ、シートノックなど1時間かけて準備するところを、40分で慌ただしく行うハメになり、「プロが待たされる球場なんてあり得ない。横浜が行く前にウチが新潟に移転だ!!」とヤクルトナインから怒りの声が上がった。
大学野球の影響で試合開始が遅れるのは9月25日の巨人戦に続き、今季2度目。ある球団関係者は「選手は試合開始が遅れて待たされるたびに、『移転、移転』と言ってるよ」と明かす。
神宮球場の使用は大学野球(東京六大学、東都)に優先権があり、“間借り”しているヤクルトの立場は信じられないほど弱い。大学野球開催中は神宮球場で練習できず、神宮外苑の室内練習場と隣接する草野球場を使用。「神宮はロクに練習もできないのに、横浜スタジアム(推定年間8億円)より球場使用料が高いんだから、信じられないよ」とある主力選手もあきれるばかりだ。
不満なのは選手だけではない。人気の阪神戦ということで早い時間から多くのファンが詰めかけたが、こちらも球場に入れず待ちぼうけ。午後5時半の開場時には長蛇の列でごった返した。
日本ハムが東京ドームを抜け出し、札幌に移転し大成功しただけに、ナインからは「このままではウチはつぶれる。新潟に行けば広告も入るだろうし、よくしてくれるはず」と悲痛な叫び。また「横浜が新潟に行ったら、ウチが横浜に行けばいい」という仰天プランまで飛び出した。
かつてヤクルトは札幌移転の打診を断っており「日本ハムがあんなに人気が出ると思わなかったし、ウチがこんなに人気がなくなるとも思わなかった」と球団幹部は今になって大後悔している。
球団、選手をあげて「新潟移転反対」を打ち出している横浜とは対照的に、ヤクルトナインからは新潟へのラブコールがわき上がっている?(塚沢健太郎)