「日本代表合宿」(5日、さいたま市内)
最前線は俺に任せろ!!アルベルト・ザッケローニ監督(57)の初さい配となるアルゼンチン戦(8日)を前に、FW本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=が5日、ロシアから帰国。本職のトップ下ではなく、同監督が得意とし導入が見込まれる3トップの中央での起用を望んだ。現在公式戦15試合連続得点なしとゴールに飢えた男が、ブレークした南アW杯と同じチームの最前線で浮上を期す。日本代表は午後の練習を、新体制では初めて完全非公開とした。
◇ ◇
本田圭が力強く“最前線”での起用を希望した。初冬を迎えているロシアから、上下グレーのスエットパーカーに赤いダウン、そして大きなサングラスをつけて、母国の地に降り立った。この日の関東地方はまだ日中25度を超える残暑。「日本の気候に興味はないんでね」と強がりながら、じっとりと額に浮かぶ汗とともに、新監督への要望もあふれ出した。
本田を含めFW登録として8人を招集したように、ザッケローニ監督が得意とする3トップの導入が見込まれている。1トップをこなしたW杯のように、3トップの中央で最前線を張る可能性もあり「楽しみですよね」と、ニヤリ。「ゴールに一番近いところがいい?」と問われると「そんなこと言わなくても、みなさん分かってるでしょう」と、まんざらでもなさそうな表情で答えた。
フラストレーションは爆発寸前だ。FKを決めたW杯1次リーグのデンマーク戦以来、15戦無得点。所属先ではボランチでほぼ固定されており、得点チャンスはなかなか巡ってこない。だからこそ、ゴールの可能性のある位置を渇望する。
さらに、本田を奮い立たせる要素がある。8日のアルゼンチン戦で、同世代で世界最高のプレーヤーFWメッシ(23)=バルセロナ=と初対戦。「意識するかしないかで言ったら(10秒ほどため)……、しない存在ではないですね」と、対抗心をチラつかせた。
この日は午後練習から合流。全体で守備面の約束事を確認した後、別メニューで調整した。ただ、成田では監督の細かい守備の指示について「それを僕に聞いてどうするんですか?」と、バッサリ。背番号はW杯と同じ18に決定。求められているのは、あくまでゴール。強豪から奪う一撃で、存在意義を証明する。