地検元部長、知人が告訴した事件めぐり部下に請託か

 検察の元部長が、ソウル中央地検の副部長に在職中の2008年、知人に関する事件の捜査を担当していた後輩の検察官に対し請託を行い、その見返りとして知人から高級車を贈られていたという疑惑が浮上した。

 ソウル中央地検などが5日に発表したところによると、08年初め、同地検の副部長を務めていたJ元部長は、知人のK氏が告訴し、自分が所属する部署が捜査を担当していた事件について、後輩のA検事に「記録をきちんと精査するように」と依頼した。J元部長と20年近くにわたって親交があったS建設の代表K氏は、100億ウォン(約7億4200万円)台の建設工事を進めていたが、事業権を時価よりも安い価格でD建設に譲渡したとして、同業者のB氏ら4人を背任容疑で告訴した。

 A検事は4人を起訴したが、裁判では無罪判決を受けた。

 事件から1年後の昨年1月、J元部長の妻は乗用車(現代グレンジャー)を購入したが、その代金3471万ウォン(約258万円)はS建設が支払った。これに対しB氏らは、J元部長をあっせん収賄容疑で、またA検事も職権濫用容疑でソウル中央地検に告発した。

 ところが、この事件の捜査を担当した同地検刑事1部は今年7月、二人を不起訴とすることを決めた。

 同地検の申勁植(シン・ギョクシク)次席検事は、「捜査を行ったところ、J元部長が普段から親交があったK氏のために、儀礼的なレベルの発言をしたことが分かった」と語った。

 検察はまた、「J元部長は、『車を買った当時、たまたまK氏から金を借りることにしていて、その金は4カ月後に返済した』と供述した。また、捜査を担当した検事は、(J元部長の)依頼を受けて起訴したのではなく、無理な捜査はなかったことが分かった」と説明した。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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