楽天が阪神の星野仙一オーナー付きシニアディレクター（６３）に既に水面下で監督就任要請を行ったことが５日、分かった。阪神・坂井信也オーナー（６２）が４日夜、楽天・三木谷浩史球団会長（４５）と大阪市内で会談。星野ＳＤの「譲渡」を正式に申し入れて同オーナーも了承した。現場復帰に強い意欲を示している同ＳＤが引き受けることは決定的となった。

　阪神・坂井オーナーはこの日、大阪市福島区内の阪神電鉄本社で報道陣に対応。「（三木谷球団会長と）顔を合わせたのは事実。“（交渉を）やらせてもらっていますが、いいですか”と言われたので、こちらとしては結構ですと言っただけ」と楽天が既に星野ＳＤとの下交渉をスタートさせたことを明かした。

　坂井オーナーの交渉容認を受けた星野ＳＤはスポニチの取材に「阪神とも楽天の関係者とも何も話していないので、それについては答えようがない」としながらも「ただ、この年になってそういう話が来るのはありがたい。正式に（就任要請が）来た場合は、テーブルにつかなければいけないと思う」と前向きに話した。

　星野氏は中日監督時代にリーグ優勝２度。野村前監督の後を受け０２年に阪神監督に就任すると、０３年には１８年ぶりのリーグ優勝に導くなど実績十分で、楽天の再建にはうってつけだ。「弱いチームを勝たせるのが男のロマン」と言い切る闘将イーグルスが杜の都に誕生する。

[ 2010年10月6日付 ]