シシャモ販売店経営の弟「ずっと待っていた」

　【鈴木章氏にノーベル化学賞】鈴木さんの母校、北大は喜びに包まれた。「データに間違いがないか、いつも同じ結果が得られるかどうか、何度も何度も実験を繰り返していた」。教え子で北大大学院工学研究院の山本靖典助教は振り返る。時には学生に「教科書に載るような発見をしろ」とハッパを掛けた。酒好きで知られ、学生と居酒屋で研究談義に花を咲かせる。関係者からは「性格はおおらかで人気も高い。学生を育て上げられる人」「飲んだら奥さんの話をする愛妻家」という声も。

　人口約１万人、出身地のむかわ町で名産品のシシャモ販売店を経営する弟の譲さん（７６）は「ここ数年、ずっと待っていた。本人はノーベル賞の話をすると“そんなもののために研究をしているのではない”と嫌がるが、凄いことだ」と誇らしげ。譲さんの妻京子さん（７０）は「学者というイメージではなく、周りを和ませる普通のおじさんです」と人柄を明かした。

[ 2010年10月07日 ]