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「橋脚なしの工法で」、美祢線の流失鉄橋架け替えで県
2010年10月5日(火)掲載
山口県は4日、7月中旬の大雨で鉄橋が流失するなど被災し全線で不通となっているJR美祢線について、JR西日本と調整中の復旧工事について、県議会の土木建築委員会と地域商工委員会へ示した。土木建築部によると、被害が大きかった美祢市内の第3厚狭川橋は再発防止などを考慮し、これまで河川内に2基あった橋脚を設置しない工法で架け替えるようJR西日本と協議している。

県は美祢線の早期完全復旧を目指し、はんらんした厚狭川の河川改修を行い、改修に伴う橋の架け替え費用の一部をJRに負担するため、災害復旧費として来年度までの2年間に約5億3千万円をあてる。本年度は2億8千万円を今議会に提案した本年度一般会計補正予算案に計上している。

土木建築部によると、第3厚狭川橋は約63メートル。流出した旧橋に2基あった橋脚を設置しない工法で架け替えると費用が割高になるため、その分を他県の災害事例や国土交通省の要綱を踏まえJRに負担する方針。

被災した美祢線沿線の河川改修では、河川幅の拡幅や護岸整備、護岸かさ上げ、河床の浚渫(しゅんせつ)を行う。

県地域振興部が示したスケジュールによると、11月にかけて同橋の設計作業を行い、両岸に残る旧橋の土台の撤去工事を11月に着工。12月に県とJRが工事協定を締結し、来年1月にJRが同橋の工事を発注する。

二井関成知事は美祢線の災害復旧費を発表した9月15日の定例会見で、来年10月に開かれる山口国体までに完全復旧させたい意向を示した。

JR西日本広島支社は美祢線の復旧費を10億〜15億円と見込んでいる。
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