2010年10月7日0時29分
【パリ=稲田信司】フランス検察当局は5日までに、イスラム教の聖典コーランを燃やし、炎を小便で消す映像を作製し、インターネットで流したとされるストラスブール郊外の男(30)から事情を聴き、人種差別を扇動した罪で訴追することを決めた。
AFP通信によると、映像では悪魔の仮面をつけた男がコーランのページをちぎって紙飛行機を折り、米同時多発テロの標的となった世界貿易センターを想起させる二つのグラスめがけて飛ばす場面がある。さらに、男が紙飛行機にアルコールをふりかけて燃やし、小便で消す様子が映し出されていたという。
ストラスブールのイスラム指導者がこの男と話したところ、「(フランスには)行動する自由がある」と反論したという。在仏イスラム評議会は5日、「憎悪、不寛容、分断をあおる違法行為に強い憤りを感じる」との声明を発表した。