元防衛庁長官「米国は日本を不沈空母にし、中国封鎖を」＝中国報道

　元防衛庁長官の中谷元衆議院議員（自民党）は5日、台湾安保協会が台北市内で開催した「日米安保条約50周年フォーラム」に出席し、「米国が日本を不沈空母にすれば、中国封鎖のための最大の拠点になる」と発言した。中国メディアの環球網などが報じた。

　台湾安保協会は中国大陸を警戒する、独立派色の強い団体。中谷議員は「中国大陸は最近10年間、経済力を土台に軍事力を大幅に増強させた」と述べ、米軍事力の“海洋性高気圧”は徐々に弱まっており、昇る中国と沈む米国のはざまにあるのが、日本と台湾との考えを示した。

　中谷議員は、「北東アジアには、北大西洋条約機構のような軍事組織がない」と指摘。「米国が最も期待できるのは台湾と日本だ」と述べ、「米国は今後、日本との軍事同盟を強化すべきだ。日本を不沈空母として活用すれば、日本は中国を封鎖する最大の拠点になる」と述べた。中谷議員によると、日本は海上防衛と潜水艦の能力を向上するべきという。

　環球網のコメント欄には、日本は「米国の犬」であることを欲しているとの書き込みや、米中が軍事衝突すれば、米軍基地が存在する日本が戦場になると指摘し、日本の滅亡は遠くないと主張する意見が寄せられた。

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◆解説◆中谷元（なかたに・げん）衆議院議員は昭和32年（1957年）、高知市に生まれた。昭和55年3月、防衛大学校本科卒業。陸上自衛隊に勤務。加藤紘一衆議院議員（防衛庁長官）、今井勇衆議院議員（厚生大臣）、宮沢喜一衆議院議員（大蔵大臣）秘書などを経て、平成2年2月に衆議院議員初当選。現在まで7期連続当選。2001年4月26日から02年9月30日まで、第1次小泉内閣で防衛庁長官。（編集担当：如月隼人）