売却先について公表する中津勧業の奥平政幸社長(左から2人目)=4日、中津市の南部公民館
中津市の観光シンボル「中津城」を管理・運営する中津勧業(奥平政幸社長)は4日、株主総会を開き、城の売却先を埼玉県の福祉事業会社「千雅(ちが)」(田中真代社長)に決めた。建物の引き渡しは13日の予定。同社は新たに運営会社を設立し、今後も博物館としての事業を継続する方針で、「奥平家の意思を引き継ぎ、市民に愛されるようにしたい」としている。
中津勧業によると、売却されるのは5層の天守閣と2層のやぐら。金額は計5千万円。土地は奥平社長が代表役員を務める宗教法人「奥平神社」が引き続き所有し、年100万円で千雅に有償貸与する。城内に展示している武具や絵などの宝物も有償で貸与する方針で、金額などを交渉中。
千雅は老人ホーム運営やヘルパー派遣などを行っている。耐震診断をめぐって市との交渉が決裂した後、買収に名乗りを上げた5社のうちの1社。「社長が県出身で、郷土の発展にできることがあれば貢献したいと思っていた」という。
中津市の新貝正勝市長は「これまで通り、観光施設として運営してもらえるのを期待している」とのコメントを出した。
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