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「老老介護」に利用券支援
島根・出雲市が今月スタート
高齢者が高齢者の世話をする「老老介護」の世帯の負担を和らげようと、島根県出雲市は今月から、買い物の代行や家の修繕などのサービスを利用した際に料金の一部を補助する支援制度をスタートさせた。
お年寄りの生活を支えるうえで重要なサービスだが、現行の介護保険制度では適用外とされており、市が毎月、対象世帯に3000円分の利用券を配布する。老老介護世帯を補助する制度は県内では初めてという。
市高齢者福祉課によると、対象世帯は、所得が少なく住民税非課税の65歳以上の高齢者のみで暮らし、日常生活に全面的な介護が必要な要介護3以上の人がいる世帯。市内でも増加傾向にあるといい、市内約5万世帯のうち、約400世帯が該当するという。
市が指定する業者を利用した場合に限り、▽買い物や調理などの家事代行▽墓掃除▽通院の付き添い▽家の修繕、などのサービス利用料を、利用券で支払える。市の指定業者は現在、市内に15団体あり、今後、順次増やしていく。支援制度の年間事業費は約1300万円。
88歳の母親と二人で暮らしている市内の女性(67)は「母はほとんど歩けないが、ささやかな生活費なので今までふすまの張り替えなどに手が回らなかった。支援は本当に助かる」と喜んでいた。
同課は「支援事業は、(高齢者が)住み慣れた地域で暮らし続ける上で必要となるはず。事業内容を検証しながら、制度の充実と継続を図りたい」としている。
また、高齢者福祉タクシーの運行も開始。住民税非課税の70歳以上のみの家庭で、車を持たず、最寄り駅やバス停が自宅から500メートル以上離れている約350世帯が対象。事業費は年間約440万円で、市が各世帯に毎月1000円分の利用券を支給し、市内のタクシー業者全17社で利用できる。市町村合併前から同様の事業が行われている佐田、多伎地域は除外した。(小野圭二郎)
(2010年10月6日 読売新聞)
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