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ネットを敵視する自民党長老議員に未来はない
選挙を棄権する20代の若者はゆとり教育の犠牲者
2003年10月31日 金曜日
◆マニフェスト選挙は付け焼き刃?
10月28日、衆議院選挙が公示となり、死闘の火ぶたが切られた。史上初めて政権交代を視野に入れた闘いとなるだけに、各党とも必死である。特に主役である自民党vs.民主党は11月9日の投票日まで激しいツバぜりあいを演じることになる。
「今回はマニフェスト選挙と呼ばれています。各党がまがりなりにも政権公約というマニフェストを出してきたわけです。ただ、付け焼き刃的なものなので、中身が必ずしも浸透するのは難しいかもしれませんが、一歩前進したかなとは思います。民主党はマニフェストというイメージを押していますが、小泉さんはマニフェストを重視していません。内容に踏み込まれると党内の不一致が出てくるため、曖昧です。政策を訴えるのではなく、小泉流というか“悪いようにはしないから任せてくれ”という感じですね。安倍さんを幹事長に起用したりしてワイドショー的なやり方でパフォーマンスをしているわけです。一方、民主党は'97年にイギリスでブレアが勝った選挙をイメージしています。マニフェストを強調することで政策が自分たちでも作れるんだというイメージを植え付けるという戦略でしょう」(日本大学法学部・岩井奉信教授)
小泉自民党の“パフォーマンス”手法と菅民主党の“政策能力誇示”手法を国民はどう審判するのか、公示から12日間の勝負である。
◆「壁をこじ開けたい」
その多岐にわたるマニフェストを比較する上で、インターネットは非常に有効である(リンク集参照)。選挙運動では公職選挙法上の制約も多いが、大手メディアをはじめさまざまなサイトが今回の総選挙を取り上げているので、ぜひしっかり吟味、楽しんでいただきたい。
「(総務省は)選挙期間中は候補者のHP(ホームページ)は更新しないで凍結しなさいというわけです。去年一昨年までは閉めなきゃいけないともいわれ、公示以降はHPを消す候補者もいました。ところがそのまま流している人もいて、お咎めナシでした。結局追認で、選挙前日までは更新してもいいけれど、選挙中は更新しなければそれは構わないということになりました。
IT選挙はアメリカでも韓国でも進んでいます。IT先進国では日本が一番遅れています。3年前にようやく国会議員会館全室にパソコンが導入されました。それで各議員のHPも立ちあがりはじめ、今回の選挙では9割の候補者がHPを持っています。泡沫候補を除いた本気で選挙を戦おうという候補者たちはほぼ百パーセントHPを作っています」(選挙プランナーの三浦博史氏)
世界の選挙を実地調査しているVOTEジャパンの横江公美社長は、アメリカでのネットの使われ方をこう解説する。
「候補者の誰もがHPを持つというのは2000年の大統領選挙からほとんど決まりになってますね。選挙資金を集めるというのは、会社でいうと投資を集めるということで、第一段階ですよね。資金集めもやるし、政策を発表する場所としてもHPを使う。また遊説、選挙キャンペーンにも使う、と。それから候補者のスケジュールを掲出し、討論もそこでやるという形ができあがっています。すべてがインターネットに取って代わるというわけではありませんが、選挙運動のすべての局面においてインターネットが使われるといって良いと思います」
候補者のHPを実際にサーフしてみた。民主党の候補者が最も積極的であり、自民党の候補者が最も消極的のようだ。民主党広報・宣伝委員会の岩見一太氏は、選挙運動の「壁をこじ開けたい」という。
「民主党は他党と比較すると少し派手にやっていると思います。政治や選挙についての第1次情報をネットから入手する人が増えてきているので、出せるだけの情報を出したいと思います。選挙に関わる基本的な情報にすぐにアクセスでき、見ることができるようにしています。法律の関係でどこまで可能なのか、その場その場で判断しつつ、壁をこちら側からこじ開けていっています。総務省にも明確な基準があるようでないので、一気に開けてしまうわけにはいかないのですが、総務省も苦労しており、慣用を見ながら認めていこうと思っているふしもあります。ネットがここまで普及してくると、ご老人や体が不自由で外に出られない方などにもネットは活用されるようになっていますし、ネットから党の全貌や細かなインフォメーションまであらゆることを知ってもらいたいと思っています」
◆自民党の切り札は結局、公明党
大学生たちが面白がってマニフェスト比較をするサイトまで出来てきたと指摘するのは政治ジャーナリストの角谷浩一氏である。
「やはり年齢の壁があるのでしょうね。自民党などはネットユーザーに年輩者が少ないので、公職選挙法の改正には二の足を踏んでいます。逆に民主党は全く新しい票が掘り起こせるのではと期待しているようです。ただ、ネット献金に関しては現状では全く機能していません。ここが候補者にとって最大の魅力なんですが、パーティなどなんらかの手ごたえがないと資金集めは無理でしょう。アメリカでも候補者を主役に凝った作りのビデオを制作・配付して、その対価として献金をつのる方向に変わってきています」
実際には今回はどんな選挙戦になるのだろうか。ネットとは最も遠いところに切り札があるという指摘もある。
「自民対民主という構図はいままで以上にはっきりしました。共産、社民は埋没しますが、公明だけは自民党にとっての選挙の要です。もう自民党支持の基礎票が崩れていますので、投票率が下がるほど公明党の存在感は大きくなり、小泉人気なのか公明党の力なのか分からなくなります。
インターネット選挙運動は各党も若手は解禁してくれという要望は強いです。実際にメールマガジンを出している人も沢山います。ただ、どの党もベテランになるとネットを非常に敵視しています。特に自民党はベテランは不利だという意識があるようです。だから自民党の総務会では絶対ダメというらしいですね。ただ時間の問題だと思います。来年の参院選挙には間に合うかなというところでしょう」(前出・岩井教授)
選挙結果は投票率次第で低ければ自民党有利、高投票率なら浮動票が民主党に流れ、政権交代の可能性もあるというのが一般的な予測である。高投票率つまり民意が反映されればされるほど自民党は不利になるのである。
11月9日(日)は天候に左右されずに選挙に赴こうではないか。その前段として、インターネットを活用して、各党の掲げたマニフェストと演説での主張のズレなどをチェックしてみよう。有権者は納税者でもある。その視点で選挙後も目を光らせてチェックしていかなければならない。実はアメリカでは軍などを中心に自らの不利益になるページを削除する動きが出始めている。マニフェスト選挙元年をむかえた日本では、こういう姑息な部分だけ先取りされないように、しっかり監視する必要があるだろう。
(私のコメント)
今回の総選挙でテレビなどで取り上げていることは、イラク派兵問題ではなく年金問題などの国内問題を重点に取り上げている。これはテレビや新聞などによる世論操作だ。戦後始めての日本の外交政策、国防政策の転換点となる重大問題にもかかわらず、選挙の争点として徹底的に争うべき問題だ。ところが自民党も民主党も党内で議論が割れており争点にしづらいようだ。
イラク派兵が決まれば派遣される自衛隊員のほとんどが20代の若者なのだ。それにもかかわらず現代の若者の政治に対する無関心さは異常なほどだ。上のグラフを見てもらえばわかるとおり、20代では三人のうち一人しか投票に行っていない。年金問題においても20代の若者は4割もの人が年金の掛け金を払ってはいない。つまり日本の20代の若者は厚生年金を払うような職業も持たず、選挙にも行かない人が過半数に達している。
これは戦後の自民党政治のひずみが若者に現われてきた結果だろう。選挙の投票率が年代に正比例して高くなっている。つまり安保闘争を戦った世代が一番高く、最近のゆとり教育を受けてきた若者が一番低い。これは何を意味するのか。戦後教育が一貫して政治に無関心になるように教育してきたからだ。
文部省は日教組などの労働組合や、60年安保騒動に懲りて、日本の若者に対して徹底的なノンポリ教育を行った。歴史教科書を見ても近代の日本の歴史はほとんど教えない。やっても三学期の終わりに駆け足で終わってしまう。つまり生徒たちに政治的な問題を考えさせないように、歴史的事実をほとんど教えないのだ。学校で政治問題を課題に話し合うことはまずない。教える先生もいない。そんなことをすれば日教組の先生が大喜びで人民史観を教えるだろう。
これは戦前の皇国史観教育の反動から来ている。このために歴史教科諸問題が外交問題にまで発展して、学校教育から政治問題は排斥された。最近の無党派層や政治的無関心な若者が増えたのはこのような教育環境が原因だろう。政治的イデオロギーを排除して政治をどのように考えるかの教育がなされていないのだ。だから今の若者に何党を支持しているのか聞いても無駄だろう。あるのは政治不信という意識だけだ。
最近の若者は政治に無関心であるのみならず、学力の低下も問題になっている。今は名前を書くだけの入試で大学に入れる。そしてトコロテン式に卒業してくるから、年々学力の低下がひどくなる。インターネットのBBSの書き込みを見ても、自分の考えを文章にして表すことが出来ない若者が多く、2ちゃんねる等も一行レスばかりだ。これでは自己主張のかたまりのようなアメリカ人や中国人などと論争しても勝負にならない。
20代の若者達は選挙の投票を拒否し、年金の支払いも拒否して反抗しているつもりなのだろうが、それは最悪の手段だ。去年イラク反戦デモで欧米で数十万人のデモが起きているにもかかわらず日本では反戦デモが比較にならぬほど小さかった。それだけ政治的に無関心であり、組織的な行動も出来ないように教育されてしまったようだ。これではますます若者に不利な世の中になってゆくだけだ。
今回の総選挙でも若者の過半数が投票に行かないだろう。その結果、小泉自民党が勝ってイラク派兵が決まるだろう。年金の支払額もますます多くなるだろう。若年失業者もますます増える。この原因は若者が投票に行かないからだ。まるで屠殺につれてゆかれるのに無抵抗な家畜を連想してしまう。問題はそのような意識すら持たず無気力になってしまっていることだ。
みずほの株価7月10万円→10月30万円
「株式日記」を読めば億万長者も夢でない
2003年10月30日 木曜日
◆円高は株高、株高は円高 クラブ9 山本清治
「ドルは元以外に対して全面安」
今回の円高は誰にでも容易に予測できた。
第1に、現在はドルが元以外のすべての通貨に対して下落している。アメリカもドル安を望んでおり、日本の財務省の円高阻止論は過剰反応である。
第2に、日本は先進国の先頭に立って中国元の切り上げを主張している。中国に次いで貿易黒字が大きい日本の円高に跳ね返るのは当然である。
第3に、4月以降、外国人が毎月日本株を1兆円も買い越している。貿易収支に金融収支の黒字が加われば円高は必然である。
第4に、かつてジョージ・ソロスは英国のポンドを売り崩し、防戦買いに破れた英国政府は巨額の損失を計上した。今やヘッジファンドの資金量はソロス時代とはケタ違いに巨大化している。彼らが円買いに動けば防戦は不可能である。
第5に、日銀のドル保有残高は短期間に1000億ドルも増えて6000億ドルに達した。買ったドルはアメリカの国債に投資しているから、ドルと米国債が同時に暴落すれば、日銀に巨額の損失が発生する。財務省の円高阻止はリスクが大き過ぎる。
「企業はヘッジ完了か」
しかしこれほど円高傾向が鮮明である時には、輸出企業は先物市場で既にヘッジ売りを完了したと考えるべきである。
製造業は、1%のコストダウンに骨身を削る努力を重ねている。しかし為替相場は5%も10%も変動するから、先物市場でリスクをヘッジしない輸出企業はあり得ない。
マスコミは円高で輸出企業の利益が減ると騒いでいるが、期首に為替を1ドル=117円と設定して利益計画を立てた企業は、少なくとも来年の3月期末までの予約は117円以上で完了しているだろう。
もっとも、海外の子会社などで保有している資産は期末の為替レートで洗い替えするから、円高の影響が皆無だとは言えない。
「誤った円高悲観論」
それにしても日本の円高悲観論は異常で、非現実的である。
第1に、ソニーやホンダやキャノンなど日本を代表する輸出企業は、1ドル=360円から80円へ、円が4.5倍に大暴騰した過程で急成長した。
第2に、日本企業は猛烈な円高に鍛えられて、生産設備の多国籍化や技術開発力を高め、国際競争のノウハウを蓄積している。
第3に、マネーは強い通貨に集まるから円高は日本の株高をもたらす。株高は消費と設備投資を刺激するから景気が好転する。自虐的弱気論に汚染されたエコノミストに景気好転の筋道が見えないだけである。
第4に、財務省の声高な円高阻止論は景気好転の足を引っ張るばかりか、企業の冷静なヘッジ能力を狂わせる恐れがある。
第5に、円は現在でもドルとユーロに対して競争力が強い。日本が弱いのは元だけだから、円が20%上がっても元が40%上がれば競争力は損なわれない。
「円高より元高に注目」
中国は年内にも元の切り上げに踏み切る可能性が強い。日本企業が円の暴騰に対応したように、中国企業も元高に対応する能力がある。しかし短期的には波乱と混乱を避けることができない。現に中国では、華僑などのドル売り元買いの投機で過剰流動性が発生しており、政府の金融引き締めも効果が薄い。
私は円高よりも、ペッグ制を外れた時の元高のインパクトに注意する必要があると思うが、残念ながらまだ個別企業の対応力を見極めることができない。
しかし、これまで円高のために人気の圏外に置かれてきた輸出関連株やハイテク株には動意が見える。特に電機を取り巻く環境は着実に好転している。指標としてはソニーよりも松電産の株価に注目したい。
◆29日大手銀行株が続伸、みずほは30万円回復
UFJホールディングス <8307> やりそなホールディングス <8308>
、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411>
など大手銀行株がそろって続伸。三井住友が取引時間中としては5日ぶりに60万円台を、みずほは6日ぶりに30万円台を回復している。前日にUFJが9月中間期の業績予想を上方修正し、不良債権処理などで赤字となるりそなと三井トラストを除き、他の金融グループは当初予想を大きく上回る好決算となったもよう。株式相場がこのまま堅調に推移すれば2004年3月通期でも一段の上方修正となり、増配や復配へ進むところが増える可能性も指摘されている。先週にはヘッジファンドを含む一部外国人投資家からの利益確定売りなどで急落する場面もあったが、市場では「むしろ適度な押し目を入れたことで実体面の回復を素直に評価できる状況になった」(大手証券)といった声が聞かれている。(H.K)(ラジオたんぱ)
[10月29日10時4分更新]
(私のコメント)
私の「株式日記」の名前はほとんど意味をなさなくなってしまって、ニュース解説のホームページになってしまった。株価の動きを解説するためには経済全般を解説せねばならず、経済を解説するためには日本や外国の経済政策の動きを知る必要がある。そのためには国内、国外の政治状況も解説せねばならず、イラクなどの情勢がアメリカにどのような影響をもたらすか目が離せない。
私もいろいろな株式投資法を試みましたが、株式には必勝法などと言うものはない。株式分析ソフトなどでチャート分析したところで過去の分析結果がわかるだけだった。これからどのような動きをするかは誰にもわからない。またあったとしてもかなり長い熟練を要するものらしい。刻々と変化する状況に合わせるためには、自分で投資法を編み出す必要があるのだろう。
私が最近感じていることは、国際金融資本家たちの動きを探ったほうが株で儲ける近道ではないかと言うことだ。5月からの株の上げっぷりはバブル崩壊前の勢いを髣髴とさせる。国際金融資本家たちが日本株を一手に買ってきたからだ。国内の機関投資家や個人はずっと売り越している。小泉とブッシュの密約があると言う説もある。国際金融資本家達は日米の政治をも動かす力があるようだ。
私は
7月24日の日記で「銀行株で資産10倍20倍も夢でない」と書きましたが、その当時みずほの株価は10万円を割っていた。その後みずほの株は30万円まで上がり3ヶ月で3倍もの値上がりをした。私もこんなに上がるとは思ってもいなかった。日記においては次のように書いている。
これで金融不況が収まれば一番影響が大きいのは銀行、不動産などの業種が復活してくるだろう。ハゲタカ外資もゴルフ場や不動産などを買い捲っている。べつに彼らは大したリストラ出来るわけではない。5年後10年後のキャピタルゲイン目当てで買っているだけだ。新生銀行もあおぞら銀行も再上場すれば数兆円単位の利益をハゲタカ外資にもたらす。その時期は近い。
だから私も全財産を銀行株につぎ込んでおけば、今頃は億万長者になれた。これからもこのような事はあるだろう。以前にもソフトバンクの事を書いた事があります。当時は3000円そこそこだったのですが1年半あまりで株価は60倍にも値上がりしてしまった。私はほんの少し値上がりした時点で売ってしまった。だから私は何度も億万長者になり損ねている。
このような経験は株をやった人は誰でももっている。だから自慢するつもりはないのですが、いずれまたチャンスはあるだろう。しかし小泉・竹中内閣が続く限り株式に期待は持てない。今回の上げについても選挙対策で上げさせている陰謀ではないかと思えるからだ。そろそろこの上げ相場も選挙の終了と共に終わりかもしれない。
ブッシュ共和党と小泉自民党の共通点
宗教勢力の政権が出来ると戦争を始める
2003年10月29日 水曜日
◆ブッシュと小泉の宗教集票マシーン(1)
「神がブッシュを大統領に任命した」
「私の神は本当の神だ、イスラムの神は偽りの神だ」
「アメリカの敵の名前はサタンだ」
フランクリン・グラハム、パット・ロバートソン、ジェリー・フ ァルウェル等キリスト教右派の指導者達が大喜びしそうな発言が、
米国防総省高官の口から飛び出して米メディアを揺るがしている。 この高官は、今年6月に国防次官代理に昇任したウィリアム・ボイ
キン中将。ウサマ・ビンラディン氏やフセイン大統領の追跡に関わ る諜報活動の指揮している。キリスト教福音派の集会に軍服姿で登
場したボイキン中将の発言に対して、民主党やイスラム系団体が猛 反発し辞任を要求している。(後略)
◆小泉自民党の「公明党・創価学会票依存」による変質 森田実
自民党の政党としての体質が変わろうとしている。利益政党から宗教政党への変質である。
自民党の長期政権を支えつづけてきたのは中央官庁のキャリア官僚群である。自民党の本質は官僚制党なのである。最近は二世議員、三世議員が増えたが、ある時期までは自民党政治家の最大の供給源は官庁だった。
人材とともにもう一つ、政党にとって大切なのが政策である。自民党は全面的に中央官庁依存である。中央官庁は自民党にとって巨大なるシンクタンクでもある。中央官僚が自民党の政策を決めている。自民党は盛んに地方分権を叫ぶが、これは口先だけ。本質的に中央官庁の利益の代弁者が地方分権を推進するはずがない。
なかでも小泉政権は中央官僚依存度の高い政権である。地方分権は言葉だけである。マスコミは小泉首相の大袈裟な言葉に惑わされている。小泉首相が繰り返す「地方でできることは地方へ、中央から地方へ」「民でできることは民へ、官から民へ」の大嘘を、マスコミが大宣伝し、国民を惑わせ誤らせているのである。
だが、選挙となると、中央官庁の力だけでは十分でない。高度成長期に自民党議員の選挙を支えた最大勢力は農業団体(中心は農協)だった。1970年代の石油危機後は、土木建築業者(いわゆるゼネコン)に代わった。しかし「失われた10年」を通じて選挙地盤としてのゼネコンの力は落ちた。自民党は独力では政権を維持する力を失った。そこで始めたのが他党の取り込みである。
第一段階が1994年の村山社会党政権樹立だった。ここで社会党を取り込んだ。同時に社会党の支持基盤だった労働組合の大部分を味方か中立化することに成功した。これによって労働組合は反政府の意思を失った。労働組合は骨抜きにされてしまった。
第二段階がマスコミ懐柔。橋本内閣、小渕内閣を通じてマスコミは与党に接近した。森内閣はマスコミに不人気だったとはいえ、マスコミ中枢部の政権接近は深まった。そして小泉政権の登場とともに、マスコミは事実上、政府広報機関と化してしまった。
第三段階が公明党・創価学会との連携だ。第一歩をつくったのは小渕内閣だった。小渕首相がつくった自民・自由・公明3党の「自自公連立」が自民党と創価学会の政権連合の第一歩となった。自民党の創価学会依存は、森内閣を通じてさらに深いものとなった。
小泉内閣が登場した時、小泉首相はあたかも公明党嫌いのごとく振る舞った。しかし水面下では、自公連携は深まった。とくに選挙協力の面が進んだ。自民党は創価学会票なしには選挙に勝てなくなった。
小泉首相と創価学会との関係が過去の政権よりも密接な関係にあることが明らかになったのは、昨年(2002年)11月の公明党大会における小泉首相の挨拶だった。小泉首相は池田大作創価学会名誉会長の名を三回あげて礼賛した(と新聞は伝えた)。
じつは小泉首相と公明党・創価学会の一体化の噂は、政界内部では、昨年9月の小泉首相の電撃的な訪朝の頃から流布されていた。小泉首相訪朝の裏側で動いた人脈の中に創価学会の重要人物がいるとの噂が流れた。このことは、その後、一部の情報誌にも書かれた。
小泉首相は構造改革の美名のもとに公共事業を削減し、ゼネコンを追い詰めた。ゼネコンは危機に陥り、自民党の最強力な選挙マシーンとしての力を失った。この選挙地盤の空白を、強大な創価学会票が埋めることになった。小泉自民党は本質的には「自公党」または「自民学会党」なのである。
自民党にとって単独政権を復活させる道は、2004年夏の衆参同日選挙以外にないことは大多数の自民党員が感じている。だが小泉首相と山崎幹事長は衆参同日選よりも2003年秋の衆院単独選挙の道を選ぼうとしているように見える。小泉首相には単独政権を復活させる意思がないように感じられる。小泉首相は創価学会票にすがって政権を維持する道をとろうとしている。小泉自民党は、創価学会の首にぶら下がって政権党の地位にしがみつこうとしているのだ。
19世紀末ロシアの文豪ドストエフスキーの言葉に、小泉自民党にふさわしいものがある――「あらゆる堕落のなかで最も軽蔑すべきものは、他人の首にぶらさがることである」。
自民党は創価学会に全面的に依存することによって、宗教政党的性格を強めていくことになる。自民党が言論の自由や思想・信教の自由に制約を加えるような反民主主義政党に変質するおそれが強まってきた。
◆「カルト宗教」創価学会批判 浅見定雄(元東北学院大学教授)
◆カルトと信者の真面目さ
1995年、地下鉄サリン事件の年の秋に、私は宗平協の大阪集会で、創価学会もカルトと見なすという趣旨の発言をした。
この講演は公開だったので、そこには、創価学会の責任ある立場の人も聞きに来ておられた。そして講演会の後、きちんと自己紹介された後で、浅見の考えも尊重するが、できれば「誤解」の部分は解いていただきたいと言われた。
その人は今でも、私宛いろいろな刊行物も送ってきてくださる。私はその人の個人的なまじめさを疑うことはできない。
去年私は、純粋なクリスチャン二世の女子高校生が、同じように純情な創価学会二世の高校生と交際している悩みを打ち明けられた。その時も私は、彼女から聞くその学会高校生のまじめさを疑えなかった。
だが、一般に「カルト」と呼ばれる団体の特徴は、メンバー(学歴は関係ない)の真面目さと指導者の本音や団体の実態との「ずれ」にある。
そういう「ずれ」の実例を、私自身の体験から幾つか記したい。
◆創価学会の実際
1993年の春、統一教会の合同結婚に参加した有名タレントが私たちの仲間の努力で脱会して話題なったちょうどその頃、拙訳のS・ハッサン『マインド・コントロール
の恐怖』が出版された。
その時の読者からいただいた手紙のうち、「匿名」希望がいちばん多かったのは、「幸福の科学」と、創価学会の元・現信者からのものだった。そして創価学会関係のものは、およそ次の二つに大別できた。
一つは、同書の中に「アメリカ日蓮正宗」が「カルト」として挙げられていることに対する抗議。他方もう一つは、同書第5章の「カルトの心理」に書かれていることがあまりにも創価学会での体験に似ている、というものである。
元信者だけでなく、現信者がこれを読んで迷いだしたとか、すでに迷っていたがこれでやめる決心がついたと告白してきたものも何通かあった。
地下鉄サリン事件の年に、私はある地方都市でカルト問題について語った。
講演が終わったあと、是非相談をと希望して来られた人々のうち、時間の制約のため、これだけはと直観した3人のお話だけ聞いた。
1人は、赤ちゃんを抱っこし、幼稚園くらいの子どもさんを連れた30代の主婦だった。彼女は次のように語り、途中から涙ぐんだ。
「私は創価学会二世で、高校も創価高校。友達といえば、恋愛、結婚のことから子育てまで、なんでも話せたのはその人だけでした。しかし、結婚後、転勤して当地にきた夫が、まず創価学会に疑問を持ち、私も真剣に考えた結果、学会をやめることにしました。ところが、そのことを友達に告白したとたん、あんなに親しかった友達が一人残らず、私と一切の関係を絶ってきました。電話も年賀状も、あちらからは一通も来なくなりました。」
これは「いじめ」であり精神的制裁であると私は思う。
もう一例だけ挙げよう。あまりに身近な事例なので、いつの総選挙の時とは言わない。投票日も迫ったある夜、私の親族の親友(女性)のところに妹さんから次のような電話があったというのである。
「お姉ちゃんは公明党になんか投票しない人だとよく知っているけれど、今度だけ、お願い!」あまりにも切実な感じなので「なぜ?」と聞くと、妹さんはこう言ったという。「5票集めないと仏罰があるの。」「5票」が「あと5票」の意味だったか、また「仏罰」というのが正確に本人が使った言葉だったか、問い合わせれば確かめられるが、実際には変わりのないことである。
他の「ふつうの」伝統的宗教や新宗教にくらべて、創価学会にはこの種の問題が多すぎる。このことは、過去のおびただしい創価学会批判書をさかのぼるまでもなく、最近の、例えば佐高信・テリー伊藤共著の『お笑い創価学会』(光文社)や赤旗特別取材班編の『政教一体 公明党・創価学会』T〜W(新日本出版社)を読めば−いや、本誌のシリーズC(田賀一成氏「内部から見た創価学会・政教一致と公明党の今昔」)を読んだだけでも−納得せおざるをない。
◆創価学会は「カルト」か
「カルト」は今や学術用語ではなく、世間のだれもが使う(使ってよい)通俗用語である。そしてその意味はよくない。オウム真理教や法の華三法行がいちばんわかりやすいのだが、要するに宗教の中でも個人や社会に対して破壊的あるいは非人道的な行為をしていると思うものを、人々は「カルト」と呼んでいる。(ただし、ライフスペースやヤマギシ会のように「宗教」を名乗らないカルトもあることに注意。)
このように「カルト」は、厳密な学術用語でも何でもないので、この言葉を責任を持って使うには注意と覚悟が必要である。世間でもなんとなく奇異に思われている宗教団体でも、破壊的行為など全然していないという例も少なくない。従って、ある団体が「カルト」であるかどうか、あるいはどの程度まで「カルト的」であるかを責任をもって論じるには、まず事実の把握が大切である。
そして、次に、その事実の「ひどさ」の程度が問題となる。
「あの寺の戒名代は少々高すぎる」という程度の話とオウムや法の華とは、同列に論じられない。
このうち「事実」に関しては、どのような行為を「破壊的」とか「非人道的」とか言うべきであろうか。この点で参考になるのは、古くは1984年にヨーロッパ議会が採択した13の基準である。例えばその5番目にはこうある。「個人が妨げられることなく、ある運動から離れる権利・・・が尊重されなくてはならない」この基準に照らして読者は私が先ほど紹介した若い主婦の例をどのように思われるであろうか。『しんぶん赤旗』の昨年10月17日号(東北版)に報じられていた。元学会信者・増田宏久さん宅への嫌がらせ電話事件も同様である。
1995年にフランス議会が満場一致で受理したセクト(カルト)調査委員会報告書の10の基準も参考になる。
その第2項は「法外な金銭的要求」、第8項は「多くの裁判沙汰」、そして第10項は「行政当局への浸透の企て」であるが、前記シリーズCで田賀正氏が挙げておられる創価学会の「三つの力」のうち「権力の力」で述べておられることは第10の基準に、「財力」のところで述べておられることは第2の基準に当てはまると私は思う。また創価学会には、例えば、「ふつう」伝統的仏教諸宗派に比べて「裁判沙汰」が目立つのも事実であろう。フランス議会のこの報告書は、10の基準の1つにでも該当すると判断した172の団体を実名で挙げているが、「フランス創価学会インターナショナル」もその中に含まれている。(後略)
(私のコメント)
昨日からいよいよ総選挙が始まりましたが、どういうわけかイラク派兵問題が一番の争点となるかと思っていましたが、自民党も民主党もあまり争点にはしたくないようだ。小泉首相は「イラクに戦争に行くのではない」と言っているが、毎日伝えられるイラク情勢でどうして自衛隊が攻撃されないと言えるのか。小泉首相の無責任な言動に対しマスコミの反応は驚くほど少ない。
「どこが危険で、どこが危険でないか分かるわけない」と言いながら自衛隊を派遣するのは無責任だ。さらには中途半端な法律を作って、自衛隊の手足を縛ったまま送り出すのも無責任だ。福田官房長官は自衛隊に「自主的」に派遣準備をするように「指示」した。これは明らかに自衛隊法違反である。自衛隊が勝手に戦争準備を始めても取り締まれない前例を作ることになる。従来ならマスコミが騒ぐはずの大問題なのに騒がない。
私は自衛隊を派遣するなら、憲法を改正し十分な法律を整備して自衛隊を日本国軍として派遣すべきだと主張してきた。イラクのゲリラはロケット砲まで装備しているのだから本格的な武装でないと、敵になめられて攻撃されるだろう。しかしこのような主張をしているのは本の一部の議員に過ぎない。
公明党は本来は中道左派の政党のはずだった。昔なら社会党より右だが民社党よりは左という政党だった。ところが現在では民主党より右よりの政党となり小泉政権を支えている。だからこそテロ特措法やイラク特措法が出来た。公明党が連立を組んでいなければ自民党政権はとっくに崩壊していた。
埼玉参院補選などをみると、自民党は公明党の支援がなければ勝てない政党になってしまった。全国で見ても創価学会の票がなければ自民党議員の50名近くは落選するだろう。この十年の経済政策の失政から自民党の支持基盤は崩壊してしまった。プラザ合意が工場などの海外移転を促進して地方の産業を崩壊させたのだ。
結果的に公明党との連立が自衛隊のイラク派兵を可能にした。自民党単独政権では不可能だっただろう。一説によるとアメリカのキリスト教右派と創価学会の連携も噂されている。宗教団体としての性格がよく似ているからだ。マスコミ工作や政界工作などその組織力をバックに大きな影響を与えている。これは極めて危険なことである。
アメリカが9・11を利用してアフガニスタンやイラクへ戦争を仕掛けることが出来たのもキリスト教福音派が圧力を掛けているからだ。ボイキン中将のスキャンダルはその何よりの証明だ。それによるとブッシュ大統領は神によって選ばれ、キリスト教国家アメリカが悪魔を退治にイスラムへ攻め込んだのだ。まさにカルト宗教だ。
戦前の日本もある意味で宗教国家だった。出征をする兵士は靖国神社に参拝して出かけた。これは神道が軍国主義者に利用されて靖国神社となった。明確な経典がないことから利用しやすかったのだ。このように宗教が政治に利用されると反対活動が出来にくくなる。教祖の教えに逆らうと「仏罰」が下るなどと信者を脅すからだ。オウムの中川被告も熱心な信者だったのだろう。
◆オウム中川被告に厳刑へ=教祖指示と殺意を認定
地下鉄、松本両サリンや坂本堤弁護士一家殺害など11事件に関与したとして殺人罪などに問われ、死刑を求刑されたオウム真理教元幹部中川智正被告(41)の判決公判が29日午前、東京地裁で開かれ、岡田雄一裁判長は主文に先立ち、判決理由の朗読を始めた。言い渡し終了は午後の見通しで、厳しい判決が予想される。 (時事通信)
[10月29日14時1分更新]
債権回収問題で中坊氏ら起訴猶予へ 東京地検
これがサギでのうて、何がサギやねん 宮崎学
2003年10月28日 火曜日
◆<旧住管機構>債権回収問題で中坊氏ら起訴猶予へ 東京地検
住宅金融債権管理機構(現・整理回収機構=RCC)の社長だった時の債権回収に絡み、詐欺容疑で告発されている中坊公平弁護士(74)ら4人について、東京地検特捜部は起訴猶予処分にする方針を固めた。悪質性に乏しいうえ、中坊氏が弁護士引退を表明するなど情状面を考慮したとみられる。
告発状によると、問題となったのは、98年に旧住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった「朝日住建」(大阪市)が三井建設(東京都)に売却した大阪府堺市の土地(約1万7000平方メートル)。旧住専から債権を引き継いだ住管機構は、この土地に抵当権を設定していた金融機関2社に対し、朝日住建と三井建設との間で合意していた約43億円の売買価格を約32億円と少なく伝え、差額の約11億円を不正に取得しようとするなど、自らの回収額を膨らませようとしたとされる。
特捜部は告発された中坊弁護士と、当時の顧問弁護士や社員らから事情聴取した。その結果、中坊弁護士は社長として、社員らによる回収計画の実態を把握していたものの、(1)個人的な利得がない(2)金融機関との示談が成立している(3)国が進める不良債権の回収政策の一環だった――と判断して、起訴はしない方針を固めたとみられる。
中坊弁護士は10日の記者会見で「行き過ぎた回収行為をした。私の責任として厳粛に受け止めなければならない」と、弁護士資格の返上を表明していた。
◇起訴猶予
犯罪捜査の結果、容疑が十分あるものの、検察官が犯罪の軽重や年齢などの情状を考慮し、裁量で起訴しない処分。容疑者や告訴・告発された人を起訴しない「不起訴処分」に含まれるが、(1)犯罪の容疑がない「嫌疑なし」(2)嫌疑が証拠上十分でない「嫌疑不十分」(3)容疑者の死亡や時効の完成で訴追の条件を欠いた場合――とは区別される。(毎日新聞)
[10月15日16時5分更新]
◆「平成の妖怪」が尻尾だしよった 宮崎学
宮崎学である。
去年暮れ、中坊公平がシッポをだしよったのだが、結局マスコミは、怖がって誰もそのシッポをようつかまなんだ。よって、わしは、関西在住の電脳キツネ目組に特別取材班をつくらせて解明にあたらせた。わしが捕まえて、みなみせたることにする。
当ホームページでも予告しておいた「週刊現代」の1月27日号の記事を読んだとおもう。まだよんでないやつは読めるようにしておく。
しかし、この記事はわかりにくい上に、肝心のポイントが甘いからなんのことかようわからんヒトが多かったんちゃうか。
「読みましたけど、なんか中坊の部下がチョンボして、その責任をとって前社長の中坊さんがRCCの顧問すら辞めた、ちゅう美談ちゃいまんのか」という感想をゆうてきたやつもおったほどだ。アホかいな。
しかし、この頭の悪い組員を責めるわけにもいかんよって、ちゃんと説明する。
これは、単に商売、商法上いい加減なことをした、というばかりではなく、刑事事件になる。その責任者が中坊で、「辞任した」のではなく、うまく法の網をすり抜けた、あるいはすり抜けようとしている、という話なのだ。
そして、その背後には、そのネタを握った警察と、「警察刷新会議」の委員になった中坊の必死の駆け引きがあった、と見るのが当然なのだ。
すでに再三指摘してきたように、警察刷新会議は、警察が最も恐れた「外部監察」を骨抜きにすることによって事態の収拾をはかった。その時期と重なるようにおこなわれていたこの事件がなぜ「竜頭蛇尾」に終わったか、ということだ。
もうひとつは、あたかもRCCが自発的に、世間にお詫びして、中坊が辞めたような印象を与える記事をどのマスコミも書いているが、そうではない。あれは週刊誌がかぎつけて取材を始めたから、あわてて先手を打って記者会見したのだ。
これだけでも、十分胡散臭い話だが、実はもっと壮大な中坊一派の陰謀がこの背景に構造として存在する。わが特捜班は、けーさつも検察もビビってしもた妖怪の仕業を、諸君が納得できる形で明らかにしていく。
安田弁護士が中坊公平の告発によって逮捕され、一年も拘置されていたのに、なぜ中坊公平はこのようなことをして逮捕されないのか?
この疑問をだれしも持つだろう。これが「法治国家」とかいわれている実態なのだ。
しかし、まず、今回の「妖怪中坊一味の犯罪」の証明を先にしよう。
ただし、
はっきりゆうて簡単なはなしやない。何度もわかるまでよみかえしてくれ。このむずかしい情報の山の頂上に立ったとき、諸君らの前にはまったく今まで見えていた「神様」、「愚直に法を実践した中坊さん」(2000/8/2)読売社説)の正体が、「ドラクエ7」のように明らかになることをお約束する。
◆ゴミを金に変えたRCCの中坊一派の知恵者たち
「一番抵当の優先」これは抵当権の法的な常識です。それで二番抵当はとてもバブル崩壊後ではあの土地は50億円で売れないからゴミ、でおしまいなんです。が、ここで弁護士集団であり、回収専門屋のRCCの知恵者たちはとんでもないことを考えつきました。
それは、「明治と横浜には土地の本当の売買金額を内緒にして、RCCが一番抵当をだしぬいて、よりたくさんの債権、すなわち金を回収しようや」ということです。彼らが決して「世のため他人のため」にやっているのでは有りませんが、その話は後回しにして、まず、その「ピッキング」まがいの手口から明らかにしていきましょう。
何度も言いますが、普通はビジネスの常識でも、道義的にもできません。やれば法律違反です。しかしRCCはこんなことを実際にやってしまったのです。 それの方法はなんと簡単なことでして、ウソをつくことでした(^^)。
実は抵当の土地の価格が43億円という価格で売り手の朝日住建、
買い手の三井建設、間に入っていたRCCも合意していたのに、
明治生命と横浜銀行には「33億円」と伝えたのです。
仮に、みなさんが麻雀して一人負けした友人の車を売って取り分を払ってもらうとしましょう。実際には43万円で売れるのに「いやあ、売値33万円ですわ。税金も7万円はらわなあかんねん。しやからあんたらの取り分は9万円づつでかんべんしてや。50万円も勝って気の毒やけど、これしかないわ。うちも70万円も勝っても8万やしガマンしてくれや」と残り2人の勝ち組にウソをついたと同じことです。
そして、明治と横浜の回収金額は9億円、二社で合計18億円として、明治と横浜にそれぞれ、「9億円に同意する」という書類にサインさせたのでした。25億円貸して、9億円はひどい大損です。しかし、RCCは民間会社とはいいながら、債権回収が目的で設立された、いわば準国家機関、ケーサツや税務署みたいなものに近い、と思われていました。両者にしてみたら「専門家が『それしかとれへん』ゆうんやったらしゃあないな」ということで渋々サインしたのでした。
これが、記者会見で謝った「不適切な回収」の概要です。このほか、また、あとでのべますが特別土地保有税や諸経費についても問題があったということも認めました。
これは「よくなかった。よって中坊社長は辞任します」というのが記者会見の内容です。一見大変、筋の通った、イサギヨイ謝罪会見のように見えますね。さすがは中坊さんです。でも、本当にそうだったのかどうか、検証にはいりましょう。
実は、この会見の目的は、「火だるまになる前に、迎え火で火を消す」サクセンであったんです。大半の大手マスコミが、ここで「討ち死に」(^^) では、みなさまを、その先にご案内しましょう。ここから先にたどり着いたのは、大マスコミといえどもそうはいませんよ。足下には十分御注意を、
(私のコメント)
中坊公平氏といえば、NHKのプロジェクトXにも取り上げられたほどの国民的英雄の一人と、マスコミには取り上げられている。だから先日のテレビのニュースで、中坊氏が弁護士資格の返上と言うニュースを見て、これは何か裏があると見ていましたが、宮崎学氏のホームページを見ると、一部の週刊誌を除くとほとんど報じられない闇があるようだ。
確かに中坊公平氏は人権派弁護士として数々の業績を上げてきた。森永砒素ミルク事件、豊島の産廃事件、豊田商事の事件、などテレビなどでも華々しく取り上げられた。それらの業績からするとRCCの社長になってからの評判は、少し違和感を覚えます。国や企業やマスコミにも見捨てられた弱者を救済に立ち上がった姿と、RCCにおける詐欺事件は同じ中坊公平なのかと思えます。
ニュース記事では中坊氏も事実関係を認めており、また、単なる部下が起こした事件の責任を取ったというのでもなく、当事者として事実関係を掴んでいたにもかかわらず、詐欺事件を起こしてしまったと言うことだ。だから立件されれば有罪は免れず、当然弁護士資格も剥奪されただろう。
ならば事実関係を知りながらなぜ詐欺行為を社長として認めてしまったのか。債権回収の功績を上げるために部下の行動を黙認したのか。違法行為を犯してまで債権回収をする必要がどこにあるのか。これでは暴力団が債権回収をして、依頼者にピンはねをして金を渡すのと対して変わりがない。
おそらくRCCの社長と言う業務が中坊氏の手腕にあまる業務ではなかったのではないかと思う。中坊氏は「血も涙も無い回収はしない」と公言していた。ところが実際のRCCの評判は「RCC送り」と言う言葉があるくらい、債権回収の手段がきつく、血も涙もない回収をしている。その実態を椎名麻紗枝弁護士のサイトでは次のように指摘している。
■RCCの虚像 中坊前社長「血も涙もある回収を」
台東信用組合から、押し付け融資をうけた松戸の中島さんも、その一人である。台東信用組合がつぶれた後、中島さんに対する貸金債権は、RCCに譲渡されたが、台東信用組合は、最終的には中島さんに対する融資に非があったことを認めたので、当然RCCもその立場を引き継ぎ認めてくれると思っていたのだ。しかし、RCCは、文句があるのなら、裁判を起こせという態度に終始し、中島さんの言い分には耳を貸さなかった。すでに、中島さんは、持っていた二つの不動産を、台東信用組合への債務の返済をするために、売却してしまって、残っていたのは、松戸の自宅だけであった。血も涙もある回収という言葉とは裏腹に、RCCは、中島さんの自宅にも競売をかけ、その結果中島さんは、自宅を失い、病に倒れ、今年失意のうちに亡くなった。中島さんは、亡くなるまで、毎月5000円をRCCに返済し続けていた。
RCCは、中坊公平氏の国民的人気に支えられ、その実像は隠されてきた。マスコミも、国民からの反撃をおそれ、RCC批判を差し控えてきた。しかし、ここにきてRCCの虚像がはげてきた。とりわけ、RCCの実態をよく知る中小企業家の間では、RCCの評価はまったく逆になってきている。
(私のコメント)
椎名弁護士のところには貸しはがしにあった中小企業からの依頼が増えているそうですが、政治家に掛け合っても無駄だからです。今の小泉内閣では経済閣僚は国会議員の言うことを聞きません。マスコミも政府の味方であり、悲鳴を上げている中小企業には冷たい。どうして債権取立ての弁護士が国民的英雄に祭り上げられ、倒産した中小企業の経営者は自殺に追いこめられているのか。
その反面、中坊公平氏が詐欺事件に関与したにもかかわらず、東京地検は起訴猶予に決まった。どうしてなのだろう。罪もない中小企業は貸し渋りや、貸し剥がしにあって経営危機に陥り生活基盤を奪われているのに、政府権力側の犯罪行為にはお咎めがない。国会議員たちは演説では中小企業救済と言いながら、小泉内閣は何の景気対策もしようとしない。
今回の中坊公平氏に対する温情のある扱いと、一般国民に対する扱いに差があっていいものだろうか。マスコミも権力側に立ち公正な報道姿勢が見られない。そして小泉首相や中坊公平氏を国民的英雄に祭り上げている。このような政官財の特権階級化を崩すためには選挙で政権交代を行い、腐敗した構造を改める必要がある。
Koizumi:Party player or US puppet? (By Tim Shorrock)
小泉首相は政党政治家なのか米国の操り人形か
2003年10月27日 月曜日
WASHINGTON - On November 9, Japan faces a general election for its powerful
Lower House in which foreign policy will play a major role.
ワシントン-11月9日に、日本は、外交政策に重要な役割を果たす衆議院のための総選挙を行います。
The
opposition Democratic Party of Japan (DPJ) hopes to capitalize on public
opposition to the recent decision by Prime Minister Junichiro Koizumi and his
ruling Liberal Democratic Party (LDP) to send a small squad of Self-Defense
Forces (SDF) to Iraq and to provide US$1.5 billion in funds for reconstruction
to the war-torn country.
日本(DPJ)の野党民主党は、イラクのもとへ自衛隊の先遣隊を送り出し、かつ戦争で混乱した国への復興(改造)に15億USドルを供給する小泉純一郎首相による、最近の決定および彼の支配する自由民主党(LDP)への反対を表明した。
Many
DPJ candidates believe that the SDF deployment is unconstitutional and could
involve Japan in a foreign war for the first time since World War II ended in
1945.
多くの民主党候補が、自衛隊の配備が違憲で第二次世界大戦が1945年に終了して以来初めて、対外戦争に日本を巻き込むかもしれない、と信じています。
In
Hokkaido, where the SDF's 7th Infantry Division is based, DPJ candidate Chiyomi
Kobayashi is running on an anti-war platform, the Asahi Shimbun newspaper
reported this week.
北海道(ここで自衛隊の第7歩兵師団)では、民主党候補小林ちよみは反戦争綱領上で行っている、と朝日新聞が今週報道しました。
Pointing
out that more than 100 soldiers have been killed in Iraq since US President
George W Bush announced the end of major fighting, Kobayashi argued that
"casualties among SDF troops sent there could occur".
ジョージ・Wブッシュ米国大統領が戦闘終結宣言して以来、100人を越える兵士がイラクで死んだことを指摘して、小林は、「そこに送られた自衛隊の軍隊の間の死傷者が生じるかもしれない」と主張しました。
DPJ
leader Naoto Kan, who plans to make a major issue out of Japan's economy, says
November's vote will be "the first real election in 10 years to decide who
should govern".
菅直人民主党代表は(政策責任者)日本の経済から生ずる、11月の投票が「誰が政権を担当するか決定する10年ぶりの選挙」になるだろうと言います。
The
LDP, meanwhile, is trumpeting Japan's alliance with the United States, its role
in multilateral talks to defuse the nuclear crisis with North Korea and Tokyo's
importance to regional trade and economic growth as examples of Koizumi's
growing stature as a diplomat.
自民党は、その間に、小泉の外交としての成長している例として日本のアメリカ、域内貿易への北朝鮮および東京への核攻撃危機を緩和する多国間会談におけるその役割および経済成長と米国との同盟を吹聴しています。
By
retaining Koizumi, who enjoys a 50 percent approval rating, the party argues
that Japan will continue its tough policies toward North Korea, which admitted
last year to kidnapping over a dozen Japanese nationals, and will play a
stabilizing role in both the Asia-Pacific region and the United
Nations.
小泉(この人は50パーセントの支持率を得る)の保持によって、自民党は、日本が北朝鮮(それは昨年1ダース以上の日本人国民を誘拐することを認めて、アジア太平洋地域および国連の両方に安定する役割を果たすだろう)に対するその強腰な政策を継続するだろうと主張します。
Koizumi
himself sought maximum exposure during Bush's weekend stopover in Tokyo, playing
up their mutual camaraderie and joint commitment to fighting international
terrorism.
小泉は彼自身、国際テロと戦うことへの彼らの相互の友情および共同歩調を強調して、東京でブッシュの途中下車の間に最大の接触を求めました。
Bush
called Koizumi "a good friend, a very strong leader" and said the "relationship
between Japan and the United States is very good".Koizumi was exuberant, calling
their discussions "very frank, meaningful, interesting, fantastic".
ブッシュは小泉に電話しました「よい友達、非常に強いリーダー」また「日本とアメリカの関係は非常によい。」と言い、彼らの議論は、小泉首相によると「非常に率直、意味のある、面白い、ファンタスティック。」と言った。
Internationally,
however, there is considerable debate about whether Koizumi's diplomacy marks a
departure from the past or is simply a rehash of past Japanese practices of
following the lead of Uncle Sam wherever he goes.
国際的に、小泉の外交が過去からの出発なのか、単に彼が行くところならどこでも、アメリカ政府の手本に従う過去の日本の慣習の焼き直しかどうかに関して、相当な討論があります。
"It
seems that he does not follow the traditional and somewhat caricatured pattern
of a Japanese prime minister who can only act after joint foreign pressure,"
said Akihiko Tanaka, director of the Institute of Oriental Culture at the
University of Tokyo.
「彼は単に外圧の後に行動することができる従来型の、多少漫画に描かれたパターンの日本の首相ではないように見える」と田中明彦(東京大学東洋文化研究所所長)は言いました。
Koizumi
can act with clarity and "doesn't equivocate" when faced with a crisis, Tanaka
told a seminar in Washington this month on Japan's foreign policy sponsored by
the Sasakawa Peace Foundation USA.
小泉は明瞭で行動することができ危機に直面した時「言葉を濁さない」、と田中が、笹川平和戦略アメリカによって日本の外交政策をワシントンの今月セミナーで伝えました。
However,
Steven Clemons, executive vice president of the New America Foundation and an
observer of US-Japan relations, disagreed with Tanaka's thesis.
しかしながら、スティーヴン・クレマンス(ニュー・アメリカ財団および日米関係の観察者の上級副社長)が田中の主張に反対しました。
"When
[US Assistant Secretary of State] Richard Armitage said 'Show the flag', Koizumi
raised it as fast as he could," Clemons said.Koizumi, he added, has shown signs
of being "highly sycophantic and obsequious" toward the United States.
「[米国国務次官補]リチャード・アーミテージが「フラグを示せ」と言った時、小泉はそれをできるだけ速く上げました」とクレマンスが言いました。小泉がアメリカへの「高度にへつらい追従的なこと」のサインを示したと彼は付け加えました。
Tanaka
offered two examples in his positive portrait of Koizumi:the actions the prime
minister took immediately after the terrorist attacks of September 11, 2001, and
his diplomatic overtures toward North Korea.
田中は、小泉の彼の肯定的な姿勢の2つの例を提示しました。首相の行動は、2001年9月11日のテロリスト攻撃および北朝鮮への外交提案に似ていました。
At
Bush's request, after the terrorist attacks on New York and Washington, said
Tanaka, Koizumi's government quickly agreed to send Japanese Aegis warships to
the Arabian Sea to support Bush's military actions against al-Qaeda and the
Taliban in Afghanistan.
ニューヨークとワシントンに対するテロリスト攻撃の後に、ブッシュの依頼で、田中は言いました、小泉の政府は、アフガニスタンでアル・カーイダとタリバンに対してブッシュの軍事行動を支援するためにアラビア海へ日本の護衛艦を送ることに速く合意しました。
Koizumi,
Tanaka added, also made a "proactive" decision in 2001 to visit Pyongyang with
the intention of reaching a sweeping new agreement with North Korea's Kim
Jong-il.
北朝鮮のキム・ジョンイルとの徹底的な新しい合意に達する意図で平壌を訪れるために、2001年に小泉がさらに「率先した」決定を下すと田中は付け加えました。
But
Tanaka said Koizumi's policies in the Middle East show the limits of Japan's
pro-US foreign policy."It was unprecedented for Japan to operate ships on
distant seas," he said.On the other hand, "those missions are not combat duties
and are limited to gas stations".
しかし、田中は、小泉の中東の政策が日本の対米国外交政策の範囲を示すと言いました。「日本が離れた海で船を展開することは先例がありませんでした」と彼が言いました。他方では、「それらの使命は戦闘任務でなく、給油へ制限されます。」
Similarly, the non-combat Japanese troops that will be sent to Iraq by
the end of the year will be for "logistic and reconstruction and humanitarian"
duties.
同様に、その年の年末までにイラクへ送られる非戦闘の日本の軍隊は、「補給および復興(改造)および人道上の」任務でしょう。
However,
Tanaka believes that Koizumi's decisiveness is underscored by his diplomatic
initiative in Korea and his unequivocal stand that no progress will be made with
the Kim regime in Pyongyang until the question of the abductions is
settled.
しかしながら、田中は、北朝鮮および拉致の問題が固定しているままで、進展が平壌でのキム政権と得られないだろうという彼の明白な見解で、彼の外交イニシアチブによって小泉の果断さが強調されると信じます。
Voters meanwhile may be less impressed with his skills in fighting off
entrenched economic interests within his bureaucracy.
投票者は、彼の官僚政治内の確固とした経済的持分を退けることにおける彼の熟練に感動してはなりません。
Tanaka
noted that many of Koizumi 's trade initiatives in Asia have not gone anywhere
because of stiff opposition from the LDP, particularly the protected agriculture
sector."It is bad for the Japanese to have a prime minister who is not good at
preparing the groundwork for long-term policies," he said.
田中は、アジアの小泉の通商政策の多くが、自民党、特に保護された農業分野からのやっかいな反対のためにいかなる場所にも行っていないと述べました。「日本人には長期戦略を準備することが上手でない首相がいることは悪い」と彼が言いました。
Clemons countered that Koizumi's actions after September 11 were politically calculated.Koizumi "raced towards" September 11 "to distract Japan from the structural problems of its economy", he said.
クレマンスは、小泉の9月11日の後の行動が政治上計算されると反証しました。小泉が9月11日が競合することによって「経済の構造問題から日本を反らす」ためだと彼は言いました。
Under
Koizumi, Clemons argued, Japan has ceded the "high ground" it once held in the
United Nations when "Mother Teresa types" such at Sadako Ogata served in
high-ranking positions and Japan frequently took the lead on issues concerning
global governance.
小泉の下で、クレマンスは議論された。日本は「優位」を譲りました。以前国連で「マザー・テレサ・タイプ」緒方貞子のそのようなものは高位の地位の中で貢献しました。また、日本は、しばしばグローバル・ガバナンスに関する問題について優位をとりました。
Instead, during the emotional debate prior to the US invasion of Iraq,
Koizumi read a statement "that could have been written" by a
Japan specialist at the National Security Council, he said.
イラクの米国の侵略に先立った情緒的な討論の間に、代わりに小泉は声明を読む。国家安全保障会議で日本の専門家によって「それは書くことができたかもしれない」、彼は言いました。
"There
was no sense Japan had gone through its own internal calculations of national
interest and to what degree it would support the United States and under what
conditions," continued Clemons.In essence, under Koizumi, Japanese foreign
policy "has morphed" and "embedded itself" into the unilateralist policies of
the Bush administration.
「日本が関与した感覚はありませんでした。全国に興味のあるそれ自身の内部計算、アメリカ、そして条件付けるものの下で。」クレマンスは続ける。本質的には、小泉の下では、日本の外交政策は「変形させており」、ブッシュ政権の単独行動主義者の政策へ「それ自体を埋め込みました。」
In
doing so, he said, "Koizumi is playing with fire".Rather than send troops or
reconstruction money into a conflict that may be escalating and is facing
growing criticism in the United States, Japan could make a greater contribution
by revving up its economy through economic reform so the United States can "stop
being the consumer of last resort", Clemons said.
そうする際に、彼は、「小泉は火遊びをしています」と言いました。より拡大しているかもしれないし、アメリカが批判を育てることに直面している矛盾に軍隊あるいは復興(改造)資金を送る。日本は、アメリカが「最後の手段の消費者であることをやめることができる」ように、経済改革によってその経済の改革を増すことにより、より大きな貢献をすることができました、とクレマンスは言いました。
Clemons' comments seemed to be underscored on Monday by reports from Bangkok,
where Bush and Koizumi gathered with other leaders from the Asia-Pacific
at the Asia-Pacific Economic Cooperation forum summit for talks dominated
by Bush's anti-terrorism agenda.Often, Koizumi was left largely to follow
the US lead instead of projecting a Japanese position.
クレマンスのコメントは、バンコク(ここで、ブッシュの反テロリズムアジェンダによって支配された会談用のアジア・太平洋経済協力閣僚会議フォーラム・サミットのアジア太平洋から他のリーダーとブッシュと小泉は集まった)からの報告書によって月曜日に強調されるように見えました。しばしば、小泉は大部分は日本の位置を構築する代わりに米国の指示に従うために残されました。
In
any case, Kan, the opposition's candidate for prime minister, is an "extremely
articulate and very effective debater and could outperform Koizumi on TV",
concluded Tanaka."It will be a most interesting election."
どんな場合も、菅(首相に対立する候補)はそうです、1つの「非常にはっきりものを言えて、非常に有能な討論者でテレビで小泉より技量が上でありえた。」終わりに田中氏は、「それはとても面白い選挙になるでしょう。」
(私のコメント)
私の英語翻訳は翻訳ソフト任せなので分かりづらいと思いますが、ティム・ショーロック氏によると小泉首相はアメリカの操り人形であるようだ。石原慎太郎のようにアメリカに対して「NO」と言うことはないのだろう。明らかに小泉純一郎が首相になる前の政治姿勢とは違っている。以前の厚生大臣の頃の湾岸戦争には、自衛隊の湾岸派遣に反対していた。
明らかに小泉首相は自分の政治姿勢に反したことを、誰かに命ぜられるままに政策を行っている。CIAに何らかの弱みを握られているのか、あるいは利益供与を受けて逆らえない状況に追い込まれているのだろう。その弱みとは道路公団をめぐる青木氏と飯島秘書のつながりだ。
そもそも橋本派の幹部の青木氏と小泉氏との関係がどうしてあるのだろう。その二人をつなぐ人物とは小泉首相の第一秘書の飯島秘書だ。道路公団の藤井総裁の口から青木氏と飯島秘書の名前が出て意外な繋がりが表面化しつつある。青木氏が橋本派を割ってまで小泉氏を応援したのは高速道路利権が絡んでいる。
小泉首相を応援しているテレビなどの解説者は、青木氏が参院選挙の顔として小泉首相が必要だからと解説しているが、これは世論誘導用の文句に過ぎない。やはり利権がらみで悪の連携が出来ていたのだ。選挙用の顔なら安倍氏などの若手がいくらでもいる。そのスキャンダルをCIAに掴まれて、アメリカの操り人形になっているのだろう。
日本の政治家の有力者のほとんどがCIAなどの外国の諜報機関によって弱みを握られている。新聞やテレビの記者などではばれないようなスキャンダルがマスコミから流れることがありますが、多くはCIAがからんでいる。マスコミでもいろいろあって、スポンサーがらみで同じように脅されているのだ。
昨日のNHKの特番でインドネシアやアフガニスタンで、アメリカのコンサルタント会社が社員を派遣して相手国を「改造」してゆく様子を描いていましたが、日本もあれと同じ事をされていると思ってよい。日本の中央官庁へ行けば怪しげな外人がうろちょろしている。彼らがいわゆるコンサルタントやエージェントだ。特に財務省や外務省には多い。あまり勝手なことをしてアメリカに不利益なことをしないように監視しているのだ。
宮沢元総理や中曽根元総理も引退させられるようですが、これで日本の政界の情報がアメリカに筒抜けになるのも防げるでしょうが、若手の議員でCIAの手先みたいのが沢山いる。とくにアメリカ帰りの英語の話せる国会議員が要注意だ。これでは日本が完全な独立国として一本立ちするのはかなり先になるだろう。日本のポチよりロボット犬のほうが頼りになりそうだ。
◆米大統領の指示に従わず 首相贈ったロボット犬
【ニューヨーク26日共同】日米首脳会談で小泉純一郎首相からブッシュ米大統領に贈られたロボット犬が、大統領らの英語の指示に従わず、“言葉の壁”に側近らが手を焼いている。27日発売の米誌ニューズウィークが伝えた。
同誌によると、このロボット犬は歩いてしっぽを振るほか、体をなでると反応し、口頭での指示に従う機能を持っている。
しかし、側近によると、東京からマニラに向かう大統領専用機内で大統領らが飼いならそうと試みたところ、ロボット犬は日本語の指示しか理解しないらしいということが判明した。側近は「われわれが与えた指示には何も応えてくれなかった」とがっかりしている。
ブッシュ大統領は、バンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立ち、17日に訪日、小泉首相と会談した。(共同通信)
[10月27日7時39分更新]
高速道路無料化で56兆円の金が節約できる!
小泉首相の飯島秘書は道路公団の利権に介入
2003年10月26日 日曜日
◆公団借金40兆円返済で国民負担は軽減 山崎養世
民営化の本家である英国での原則は、官の事業はまず廃止を検討し、廃止できない場合のみ民営化を検討する。そして、英米独など多くの先進国では高速道路は原則無料であり、道路公団のような組織はない。日本でも、高速道路は無料にして道路4公団は廃止すべきである。無料化には年間2兆円程度の財源があれば実行できる。
その際、新税は必要ない。世界一高いガソリン税や重量税といった既存の道路財源の一部を財源に充てればよい。日本は一般税収の四分の一に達する年間12兆円も道路支出に充てている。国土が25倍の米国と並んで世界最大級であり、欧州最大の道路支出国であるドイツの5倍だ。しかも、日本の道路延長はすでにドイツの2倍だ。最悪の財政の中でこんな馬鹿げた無駄遣いをする余裕はないはずであり、既存の道路財源の中から無料化の財源を出すのは当然だ。
じつは、無料化自体が大幅な国民負担の減少につながる。通行料金の根拠である道路4公団の40兆円の借金を、低金利のいま国債を発行して国が返してしまえば無料化は実現する。返済財源を確保するから赤字国債ではない。道路4公団の借金はその分減るから連結会計で見れば国の借金も変わらない。現在の低金利下では、40兆円の国債の金利支払いの合計は20兆円程度に過ぎない。
ところが、民営化計画では40兆円の借金を最低でも五十年以上変動金利で借りつづけるから、新規の建設を一切やらなくても、現在の公的年金の予定利率(4%)で計算しても利払いだけで最低80兆円、将来金利が上昇すれば100兆円を突破する。それが国民負担になる。だから、低金利のいま無料化を実行すれば、民営化に比べて60兆円以上も国民負担が減るのだ。
そもそも、1956年(昭和31年)に日本の高速道路計画がスタートしたときには、30年で無料にする約束だった。ところが、1972年の田中角栄内閣によって無料化の約束は反故にされ、通行料金を半永久的に取り続ける仕組みができ上がった。だから建設費に4600億円しかかかっていない名神・東名高速は、国民から7兆円以上も料金を取り続けているのに無料にならない。川崎から15kmの木更津、神戸から80kmの徳島。巨額の資金をつぎ込んで立派な橋ができても料金が高くて利用できず、経済は衰え若者は流出し赤字だけが残る。世界一高い高速道路は、地方の活性化を叫びながら自立の手段を奪ってきた戦後政治の縮図だ。そして、97%が過疎で3%が過密で高コストの国土ができた。民営化とは高速道路の永久有料化であるだけでない。通行料金と税金の二重取りを続けて、この狭い国土に「公共事業」をばら撒き続ける仕組みを永久化することだ。とても構造改革の名に値しない。本当の構造改革は、高速道路無料化によってもたらされる。
低コスト社会が実現し、より広い範囲の国土が生活圏になり、過密と過疎が解消し、地方分権が実現し、経済が活性化して財政再建の道筋ができるからだ。
◆ ●飯島と青木と道路公団● 佐々木敏
米共和党などにとっては好都合なことに、小泉の側近、飯島勲秘書官には、青木と結託してJH総裁人事に干渉した、という疑惑がある。技官出身の建設事務次官だった藤井現JH総裁は、文官出身の建設事務次官だった小野邦久・不動産適正取引推進機構理事長と対立関係にあり、小野は青木と親しく、青木は飯島と親しかったので、この3人が組んで藤井を小野と交代させようとしている、というのだ(『週刊文春』03年10月30日号
p.p 26-30「青木幹雄・小泉総理飯島秘書官、政治家行政介入の内幕」)。
【小泉内閣(石原伸晃国交相)が藤井を更迭しようとしているのは、青木と飯島が小泉に要求したからだが、青木は道路族であり、青木と飯島が藤井を更迭したい理由は(JHを健全に民営化して構造改革をしたいからではなく)民営化を骨抜きにして民営化後のJHを道路族の金城湯池にしたいからにすぎない。これでは、道路族議員と建設業界の癒着による税金の無駄遣いは止まらず、結局小泉はなんの改革もできない。】
米共和党などにとっては、さらに好都合なことに、JHの料金別納制度にからむ不正を、東京地検特捜部が内偵捜査中だという(『週刊文春』前掲記事)。
それなら「首相秘書の逮捕」で政権を交代させる工作は、さほど難しくはあるまい。少なくとも米共和党にとっては「やらなきゃ損」だ。
●「別納」の闇●
高速道路通交料金「別納」制度とは、基本的には大口利用者に最高30%の高速料金を割り引く制度だ。
たとえば、東京から名古屋までの正規の料金は約2万円だが、この制度に加入していると料金は後払いで、しかも30%(6000円)割り引かれる。
が、割引料金は月に700万円以上利用しないと適用されない。そこで、中小運送業者は多数集まって「異業種組合」を作り、組合としてこの制度に加入し「別納カード」を持ち、組合加盟業者はそれぞれ高速を使うたびに同じ口座(番号)のカードを料金所で提示し、それがJHの料金精算コンピュータに記録される。が、JHは、後払いによる取りっぱぐれを防ぐため、別納カードを使う組合には多額の引当金を積むことをことを義務付けている。
このため、組合加盟業者はまず正規料金を組合に支払い、組合はそれを引当金として積み立て、月末に別納カードで精算し、700万円を超えているとわかった時点で割引料金でJHに支払い、加盟業者にはそれぞれの正規料金の30%を還流する、という形になる……はずだ。
ところが、実際には15%ぐらいしか還流していない。割引料金は年間2200億円もあるので、その半分の1100億円がどこかに消えていることになる(『週刊ポスト』03年8月8日号「道路公団疑獄『料金別納』『ファミリー企業』政官利権争奪の内紛東京地検特捜部が汚職システム解明に動く)。
その1100億円は、政治家と暴力団に流れている、と言われている。中小運送業者には伝統的に暴力団が関与していたため、それらを束ねて組合を作るには、暴力団が根回しをし、政治家が組合の理事・役員に名を連ねないとまとまらないのだ。たとえば、東京にある「平成高速協同組合」の理事には岸田文雄・元文部科学副大臣(衆院広島2区)が就任している。岸田は建設政務次官を務めた典型的な自民党道路族で、組合からは年に360万円の給与を受け取っている。給与でなく、政治献金として組合から金銭をもらっている自民党の政治家としては亀井静香・元政調会長、中川秀直・国対委員長らの名前も、政治資金収支報告書で明らかだ。
もちろん、同報告書に記載された献金は政治資金規正法に違反せず、合法だ。が、組合加盟企業の同意なく組合幹部が勝手に献金すれば横領や背任になりうるし、献金捻出のために節税すれば脱税に問われうる。まして、暴力団に上納すれば完全に違法だ。だから、別納がらみの脱税(朝日新聞03年8月7日付朝刊27面)や架空の組合加盟業者名で割引料金の適用を受ける不正(朝日新聞Web版03年10月3日)があとを絶たない。ひとたび検察が「別納」を追求し始めれば、青木らの道路族議員や小野、飯島にまで捜査の手がおよぶ確率は高いのだ。
●「高速道路無料化」の強み●
東京地検特捜部は政治家などの巨悪と戦うことを使命としているが、選挙前に与党の大物を逮捕することは、選挙に露骨に影響し、事実上、検察の手で次期首相を決めてしまう「検察ファッショ」になりかねない。本来なら、そういう捜査は控えるはずだ。
が、もし選挙後に「別納」不正事件で自民党の大物を逮捕したら、どうなるか?
こんどの選挙では道路問題が争点だ。民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げる高速道路料金の無料化を、自民党は「実現不可能で無責任」と批判しているが、それを信じて自民党に投票した有権者の多くが、選挙後に自民党道路族の不正を知ったら「自民党にだまされた」「小泉にはJH改革はできない」「こんなことなら民主党に入れたのに」と怒るだろう。そして、地検は(かつて、故・金丸信元副総理の政治資金規正法違反を略式起訴でごまかそうとしたときと同様に)世論の集中砲火を浴びるだろう。
だから、地検は現在内偵捜査中なら、たとえ証拠不十分でも、選挙前に大物政治家の摘発に踏み切らざるをえないはずだ。
そして摘発が始まれば、選挙は民主党の圧勝だ。
「別納」などの不正は、高速道路が有料だから起きるのであって、民主党が政権を取って無料化を実現すれば、自動的に不正はなくなる。「無責任」なのは自民党のほうだったということになり、民主党のマニフェストは圧倒的な説得力を持つことになる。
また、摘発開始とともに公明党も「連立離脱」を表明するので、都会の小選挙区で自民党候補者は公明党支持者の票を失って苦戦する。結局、自民党は50議席以上減らす歴史的大敗を喫して野党に転落し、数年間は与党に戻れない。
さすれば各種業界団体の献金や陳情は行き場を失い、族議員政治は自動的に終わる。
これがほんとの構造改革だ。
(私のコメント)
今日のテレビは各党の党首がはしごして討論会をしていますが、道路公団の民営化問題で藤井総裁にからんだ問題で、小泉首相の第一秘書の飯島氏の名前が浮かび上がっている。民主党の菅代表が盛んに突っ込んでいましたが、小泉首相は逃げの一手ではぐらかしている。石原のぶてる大臣に道路公団の藤井総裁のクビを切らせたのだが、逆襲に遭い、血迷った大臣は逆にテレビで内容をばらしたことから青木参院幹事長や飯島秘書の疑惑が浮上してきてしまった。
最近の小泉首相の行動はすることなすこと裏目に出てきてしまっている。自民党比例代表の定年制に関しても、終身比例代表第一位の中曽根氏の引退勧告も、根回しが足らなくて拗らせてしまった。これからいろいろ過去のいきさつなども出てきて小泉首相の旗色は悪くなっていくだろう。政治家の定年は選挙民が決めるべきもので、比例代表制は廃止すべきだ。むしろ引退させたところで息子が世襲議員となれば利権の癒着は存続する。
道路公団の民営化の問題から見えてくるのは、小泉首相は飯島秘書の操り人形ではないかということだ。田中真紀子外相の時も飯島秘書が動いたし、内閣改造も飯島秘書が動いている。小泉首相をクリーンなイメージで表に立たせ、裏の利権が絡んだ汚いところは飯島秘書が受け持っている。飯島秘書の息子はかつて道路公団のファミリー企業に在籍していた。
道路公団が民営化することによって、公団周辺の付帯事業が存続することになり、その利権を目指して青木氏らをはじめとした道路族が主導権争いをしている。民営化を推進している小泉首相が一番のキーマンですが、その周辺に問題がある。根本的解決策はこのような公社公団を廃止して国営化するか、不必要な公社公団は解散して天下りをなくすことだ。
高速道路の無料化は山崎養世氏が提唱した案ですが、道路公団の40兆円の借金をなくして、高速道路の有効活用をうたった一石二鳥の名案だと思う。小泉首相は「こんな馬鹿な案はない」「只より高いものはない」などといって大反対していますが、いまさらながら小泉首相の頭の悪さを露呈している。ガソリン代などに含まれる道路特定財源を一般化してその一部を借金の返済に回せば40兆円の借金は片付く。さらに金利負担も56兆円も安くつく。
今までは小泉首相対抵抗勢力の争いだったが、橋本派の分裂と野中氏の引退によって抵抗勢力は力を失った。宮沢、中曽根氏らの長老も引退させた。それ自体は小泉首相の見事な手腕だ。しかしそのことが小泉首相の政策が「構造改革」と言うものではなく、単なる勢力争いと利権獲得争いの手段であることが見えてくる。国民世論の支持率が高いのも飯島秘書が仕掛けた演出だ。田中良太氏は次のように指摘している。
◆ ●固定票も浮動票も自民党がさらう● 田中良太
こうした「党内対立」をアピールするという方針が正しいことは、日本の選挙で投じられる「票の構造」から説明することができる。
一般に票は固定票と浮動票に分けることができる。固定票は何らかの組織・集団に属している人たちの票のことである。公明・共産両党支持の固定票のように、直接政党とつながっているものもあるが、これは日本の場合、例外的なものである。自民党支持の固定票という場合は、中小企業・農業関係の諸団体、医師会・歯科医師会など、業界団体に属している人々の票を意味する。かつての社会・民社両党の固定票という場合は、系列の労組である、総評・同盟の組合員の票のことを意味したのである。
これらの組織にとって、既得権益を守ることは至上命題である。だから与党支持、野党支持の別なく、「改革」には消極姿勢をとり、とくに自らが関与する問題については、むき出しの「守旧派」となる。つまり選挙で固定票を構成する人たちは、守旧派=抵抗勢力なのである。
選挙の票にはもう一つ、浮動票というのがある。組織に縛られず、自分の判断で投票する人たちの票だとされる。こういう人たちはおおむね、既得権益を守るだけの政治を嫌い、「改革」支持となる。
小泉と抵抗勢力の争いが政治の焦点となると、自民党は固定票も浮動票も獲得できることになる。抵抗勢力が固定票をキャッチし、小泉は浮動票を集める。当面選挙の予定はないが、こういう構図で、自民党が有権者の支持を拡大しようということなのである。
(私のコメント)
このような小泉首相と飯島秘書の作戦はマスコミを使って抵抗勢力を封じることに成功した。その結果、公社公団の民営化という手段を使って抵抗勢力の持っていた利権が小泉首相と森・青木といった新たなキングメーカーに利権が移動すると言うことだ。北朝鮮外交の利権にしても橋本派から福田官房長官が主導権を持つようになった。
日本国民は小泉首相の「構造改革」のまやかしに早く気付くべきである。改革と言いながら抵抗勢力から公社公団に絡む利権を奪い取る争奪戦に過ぎないのだ。高速道路だって無料化して道路公団を解散すれば利権は消える。それなのに小泉首相は民営化して利権は存続させることを目指している。
ドル暴落で日本経済はアルゼンチン化する
米ドル債券は紙屑化、ユーロ建て債券にシフトせよ
2003年10月25日 土曜日
◆タイトル:アルゼンチンと日本の比較 山本尚利
1. 財政破綻国家アルゼンチンに学ぶ
2003年10月19日付け朝日新聞にアルゼンチンの特集記事が掲載され ています。読めば読むほど、日本とあまりに類似しているので背筋が
寒くなる思いです。アルゼンチンは、世界トップレベルの農業国で、 20世紀半ばまで、30年間も経済成長率が平均6%を記録したそうです。
そして国民一人当たりのGDPは4位から7位をつけていたそうです。 つまりアルゼンチンは押しも押されぬ南米一の先進国に成長したわけ
です。
ところが1946年に誕生したペロン政権が大衆迎合的なバラマキ 政治を続け、90年代末ついに国家財政が破綻したのです。99年から4
年間はGDP成長率がマイナスとなり、2002年にはハイパーインフレが 起き、失業率が21.5%に達したそうです。アルゼンチンのたどった軌
跡、すなわち(1)国家の成長産業勃興、(2)経済の高成長、 (3)成功体験、(4)傲慢、(5)転落、(6)崩壊という国家の
栄枯盛衰パターンが日本と非常に似ています。
日本は、現在(5) の転落の段階に到達しています。さて、同日付けの日本経済新聞によ れば、副島隆彦著「預金封鎖」(祥伝社)がベストセラーだそうです。 筆者の老母の入居している老人ケアハウスでもこの本が引っ張りダコ となっています。太平洋戦争の敗戦を経験したお年寄りは、人生の晩 年を迎えて敗戦後の悪夢を蘇らせています。
老母は戦前のボロボロ株 券をまだ保管しています。現在価値で1千万円相当の株券が、敗戦時、
一瞬で紙くずと化したのです。 日本のお年寄りは、(6)段階の「日本崩壊」が迫り来るのを予感
しているのでしょうか。 アルゼンチンと違って天然資源の乏しい日本は、技術力によって戦後
の焼け跡から見事に復興し、GDP規模が世界第二位の経済大国に成長 しました。日本人はたくましい復興パワーを持っていることはすでに
実証すみです。だから、近未来、日本が(6)の崩壊に達しても、ガ ラガラポンでマージャンパイを積みなおすように、また復活するはず
です。ただし、それは長期的に見た場合の話ですが・・・。
すなわち 、2025年頃の日本は再び元気になっているでしょう。ただ、アルゼン チンのように、一度、国家破綻に近い状況が出現する可能性が大です。 しかもその時期が迫っていると言えます。 さて、ヒトは失敗すると「一から出直す」ことによって、再び勝機 が訪れる可能性が高いことはよく知られた話です。だから日本も「一 から出直す」必要があります。その必須条件とは「創造的破壊」です。 明治維新や、戦後の平和憲法国家体制のような大変革が必要です。 ただし、創造的破壊は計り知れない大きな犠牲を伴うのです。
2. アルゼンチンと日本の差
さて、上記のように、アルゼンチンの国家破綻の軌跡は、日本の軌 跡と酷似しているのは事実ですが、唯一、日本がアルゼンチンと異な
る点があります。それは、日本には3兆ドル(350兆円)にのぼるドルお よびドル債権が存在する点です。日本政府は700兆円もの対国民への
円債務を持っていますが、対外ドル債務を差し引いてなお、1兆ドル以 上の純債権保有国です。つまり世界一のドル純債権保有国です。この
点はアルゼンチンと根本から違います。
米国というドル基軸国家が破 綻しない限り、日本の保有するドルが紙くずとなることはありません。 この意味で、日米はドルに関して運命共同体の関係にあります。 この不況にもかかわらず、円高が続く根本原因は、日本の円がドルを 担保に取っているからです。対外債務超過国であるアルゼンチンの通 貨ペソとは根本的に異なります。
一方、米国は9兆ドルの対外債務と、7兆ドルの対外債権を有していま す。この対外債権の中にはアルゼンチンに対する債権も含まれており、
米国の発展途上国向けの対外ドル債権のかなりが実質的に焦げ付いて いるわけです。
さて日本政府がアルゼンチン政府と同様の失政を繰り 返してもなお、国家破綻に至らないのはドル債権を保有しているおか げでしょう。過去の日本の輸出産業の残した遺産のおかげで破産を免 れています。また、日本の自動車メーカーのように、依然、日本のド ル蓄積に貢献している強力産業が存在している点も、アルゼンチンと は異なります。
3. 日本はドル長者にアグラをかいている。
日本政府のエリートが700兆円の国家負債があるにもかかわらず、 意外にノンビリしている理由は、日本は上記のようにドル長者だから
です。日本の指導層は、ドル通貨の米国が存在するかぎり、日本の円 は安泰だと信じて疑わないのでしょう。
しかしながら、日本はドル長者であるかぎり、国家の存立は安泰な のでしょうか。とんでもない。そんな虫のよい話はありません。
日本が下手にドルを持っている限り、実体経済とは乖離した円高が 続き、結果的に日本人の高コストが維持され、国際競争力が削がれる 一方となります。 この日本の状況とはガンが進行しているのに、自覚症状が少ない状 態に等しい。だから日本では、アルゼンチンほど、国民の間に切羽詰 った危機感が生まれないのです。 しかしながら、日本国民の実質的生活環境は、アルゼンチン国民と同 じように荒廃するでしょう。
ハイパーインフレはアルゼンチンのよう に容易には起きないでしょうが、見かけ上の円高のために日本人の国
際競争力が失われるので国内失業率は高くなる。アルゼンチン同様、 仕事のない若者は急増します。国民は希望を持てず、無気力が続きま
す。生かさず殺さずの閉塞状況が続くでしょう。日本社会には犯罪が 急増し、モラルが荒廃していきます。
国民の心の荒廃が創造的破壊へ のパワーに結びつけば、日本は復活できます。
それは、日本のドルが底をついた時機となるでしょう。さもなければ、 政権交代が起きた時機かもしれません。
ところでアルゼンチンでは若者の乞食が大量に生まれているそうです。 一方、日本の若者は、過去に蓄積した日本の資産で扶養されているの
で、乞食にならずにすんでいます。ここにも、日本で創造的破壊のパ ワーが生まれにくい原因を作っています。
さてアルゼンチンはスペイ ン語国家なので、スペイン語国への人口流出が止まらないそうです。 この現象は、かつての英国でも起きました。ところが、不幸にも日本 語国家は日本以外にない。この点はアルゼンチンや英国より不利です。 もし、太平洋戦争で日本が勝利していれば、アジアの大半が日本語国 家となっており、日本人の活躍領域がアジア全域に広がっていたでし ょうが、残念でなりません。
戦前の日本人は、大東亜共栄圏構想を持 っていたのは事実です。国際的日本人の一部が華僑のように「和僑」
となって、アジア全域にネットワークを張れば、日本の若者乞食が大 量発生せずに済みます。なぜなら海外で実績を積んだ「和僑」は日本
人に新たに雇用をもたらす担い手となるからです。これは、アジア各 国の活況をみれば明らかです。
現在のアジア各国で雇用創出しているアジア人の多くは、中国を棄て た華僑です。この例から、未来の日本の雇用を創出できるのも「和僑」 です。ちなみに日本の政治家、官僚、地方自治体も税金の消費者(タッ クスイーター)であって、実質的な雇用創出力はゼロです。この指導層 に雇用創出を期待しても無理です。最後につけくわえれば、期待され る日本企業は、強い企業ほど真っ先に日本を出て行きます。そうしな いと、厳しい国際競争環境では企業自体の存続ができないのです。
(私のコメント)
昨日のテレビ東京のワールドビジネスサテライトにコロンビア大学のスティグリッツ教授が出ていましたが、アメリカの金融財政状況はかなりやばい状況らしい。双子の赤字問題がいつまで表面化せずに続けられるのか、アメリカの財政は極めて短期間に巨額の赤字を出すようになった。景気対策の名の下に必要以上の減税が行われ、戦争と言う財政の大盤振る舞いが続いている。
こんなことが長続き出来る訳がない。アメリカが絶頂期にあった1960年代ですら、ベトナム戦争でバターも大砲もと言う大盤振る舞いが、ドル暴落のきっかけとなった。いずれ第二のニクソン・ショックが日本を始め世界に衝撃を与えるだろう。福井日銀総裁がドルを買い支えているうちに、出来る人は外債をドルからユーロ債に切り替えておいたほうが良いだろう。
90年代にアメリカを見習えとか、ビックバンだとか言っていた東大の伊藤教授や慶應の榊原教授が出ていましたが、今は変節してスティグリッツ教授に同調している。彼らは世渡り上手な太鼓もちに過ぎず、彼らの書いた本は何の価値もない。スティグリッツ教授が書いた本は世界的ベストセラーをいまだに続けているのと大きな違いだ。
アメリカもやがてはアルゼンチンのようになり、アメリカもラテンアメリカ化する。アメリカ国債の利払いも滞るようになり、債務不履行も避けられないだろう。ところがアメリカはドルと言う紙切れを渡すだけでいい。この特権はアメリカだけが持っている。だからアメリカは世界中から金を借りて使いまくり、しかも借りた金は返さなくていいのだ。
福井日銀総裁は今年だけですでに11兆円もの金をアメリカに貸し付けている。アメリカは借りた金で日本の株を買ったり日本の自動車やテレビを買ったりしている。それで日本はそれだけ豊かになったのだろうか、むしろ貧しくなっている。円がいくら高くなったところでアメリカから買うものは食糧や飛行機などの限られたものでしかない。アメ車など誰も買おうとしない。
日本の巨額な赤字財政を続けられるのはなぜだろうか。日本の巨額な預貯金と、巨額なドル建て債券が、国家の財政赤字の穴埋めに使われている。だからアルゼンチンのように円は暴落することなく、かえって高くなる一方だ。日本の国際収支が黒字の間は財政も破綻することはない。しかしアメリカが経済破綻してドルが大暴落した場合日本経済もピンチがやってくる。
中国も対米黒字国ですが日本とは違ってユーロへのシフトは確実に進んでいる。対米黒字をユーロでヘッジしておけばドルの暴落も回避できますが、日本の政府・日銀はアメリカの脅しによってそんなことは出来ない。ならばせめて民間だけでもドルからユーロへシフトしておくべきだ。アメリカはそれを警戒して日本の金融機関をアメリカの資本で買収しようとしている。
小泉首相や竹中金融大臣が日本の銀行や生保をアメリカに売り渡そうとするのも、日本の民間資金のユーロシフトを恐れているからだ。最終的には最大の金融機関である郵貯も民営化してアメリカへ売られるのだろう。しかしそんなことをしてもその前にアメリカは破綻するだろう。
山本氏は日本の若者はアジアへ進出してネットワークを築けと提案しています。円がこれだけ強くなれば、日本の若者に資金を与えて海外事業を起こすことに使えば一石二鳥の政策ですが、日本の若者は引きこもりがちで海外勤務を嫌がるようになった。NGOや海外青年協力事業などをもっと拡充してやる気のある若者に海外進出の機会を与えるべきだ。
藤井問題、中曽根問題、踏切問題における
小泉首相・石原のぶてる大臣の「バカの壁」
2003年10月24日 金曜日
◆<中央線工事>「開かずの踏切」トラブル3倍 衆院選も絡んで
JR中央線三鷹―国分寺間の高架化に伴う線路切り替え工事(9月27、28日)から間もなく1カ月。約18万人に影響した工事ミス以後、事態は収束するどころか、同区間の踏切で人や車が立ち往生するトラブルが工事前の約3倍の49件に上っている。JRが沿線住民の気持ちを思い誤った結果ともみられるが、衆院選公示を目前に控え自民、民主両党の党首も口を挟む騒ぎに発展した。「開かずの踏切」に我慢を重ねる沿線住民の多くはあきらめ顔だ。【笹子靖、太田裕之】
■衆院選も絡んで
23日、民主党の菅直人代表が自らの選挙区(東京18区)内の東京都小金井市で会見した。中央線の踏切トラブルの8割以上が起きている、おひざ元の小金井街道踏切の改善案の発表だった。上下線に別々に遮断機を設け、その間に安全地帯を設けるという案。菅氏は「お年寄りはゆっくり歩いて(上下線の間で)待てばいい」などと述べた。
実は菅氏は19日に同踏切を視察していた。ところが、小泉純一郎首相が先手を打つ形で、20日にわざわざ訪問先のバンコクで「迷惑のかけ過ぎ」と国土交通省に異例の改善指示をしたことを表明。それに基づいて歩道橋新設など追加対策が決まった。
菅氏は「小泉さんは現場も見ていないのに、私の地元を心配していただいてありがたい」と皮肉りながら、対抗意識をあらわにした。
JR東日本によると、菅氏の改善案は「上下分離の踏切制御」と呼ばれ、遮断時間を短縮し、工費も少なくて済む。しかし、歩行者や車が遮断機にはさまれた状態となって安全上問題があるとして現在は採用されていない。同社は「一般論だが、安全を最優先に考えると採用できない」としている。(後略)(毎日新聞)
[10月23日23時48分更新]
◆ニュースと感想 10月4日 何堂久史
「横断の島」について。
日本人の頭がいかに硬直しているか、ということを指摘した本がある。「イギリスはおいしい」という本で有名な林望のイギリス批評の一つ、「ホルムヘッドの謎」(文春文庫)である。彼我の文化の違いをいろいろと指摘しているが、これを読むと、イギリスの合理的な思考に比べて、日本人というのがいかに硬直した思考をもっているか、よくわかる。
その典型的な事件が、またしても起こった。「開かずの踏切」という事件だ。(読売新聞・夕刊・1面 2003-10-03
)
記事によると、1時間も開かない踏切があり、駅周辺の住民が大迷惑を受けているという。なぜ急に、「開かずの踏切」になったか? 工事のため、仮設線を敷設した。それまでは、上りと下りの複線があり、これを渡るには10メートルを要した。上りと下りの双方の電車が来ない時間に、踏切が開いた。(上
∧ 下。)ところが、今度は、上りと下りと仮設線の3線すべての電車が来ない時間が必要である。(上 ∧ 下 ∧
仮。)渡るためには28メートルを要するから、3線とも電車の来ない時間がたっぷりと時間のあることが必要だ。30秒ぐらいの短時間では不足であり、1分以上が必要だ。そういうことは、1時間にいっぺんぐらいしか、起こらない。ゆえに、1時間も、「開かずの踏切」となる。
「しょうがないでしょ。我慢して」とJRは主張する。馬鹿丸出しである。いかに合理性を欠いた思考法であるかは、先の本(74頁)を読むとわかる。
イギリスでは、太い道路を渡るとき、上りと下りの双方が空白になる時間を待つことはない。そんなのは、馬鹿げている。では、どうするか? 太い道路の中間に、「島」を作るのである。はるかな昔、路面電車が走っていたころには、停留所が道路の中央にあったが、それと同様である。「島」は、歩行者の安全を図るため、次のような感じになっている。つまり 〈 の部分に、柱または壁のような形の、頑丈なガードが建ててある。
◯ →
──────── 〈 島 〉 ────────
← ◯
自動車が ◯
のように、両方向に往来している。片方の路線の自動車が空白になった時点で、歩行者は片側を渡って、島にたどりつく。そこでしばらく待ったすえ、もう片方の路線の自動車が空白になったら、もう片方を渡る。つまり、途中は、島で待っているわけだ。これだったら、何十分も待っている必要はない。片方だけが空白になればよく、両方が空白になる必要はないからだ。また、両側を渡りきる時間は必要なく、片側だけを渡りきる時間があればいいからだ。
今回の踏切工事でも、同様だ。途中に「島」を作れば、済む問題だ。そのためのスペースは、たっぷりとあるのだから。
日本人というのは、「自分たちは合理的だ」と自惚れている人々が多いが、実は、社会のあらゆるシステムが、非合理的である。イギリス社会と比べると、いかに非合理な未開社会であるか、上の本を読むと、よくわかる。
住民を一時間も待たせるというのは、人々の人生を奪うということだ。殺人というのは、人の五十年ほどの人生を奪うことだが、たくさんの人々から少しずつたくさんの人生を奪えば、それはやはり殺人と同じことなのである。そして、そういうことを平気でしていて、少しも悪びれないでいる輩が堂々とのさばっている。
これを未開人社会と呼ばずして、何と呼ぼう。われわれは、他人の人生を奪う人食い人種と、さして変わらないのである。知性の欠如と、倫理の欠如。
(
※ 知性がないだけなら、橋か地下トンネルを造るべきであった。それさえもしないのだから、「自分の金を失いたくないから、他人の金を奪う」というふうにしていることになる。泥棒だね。)
◆高速道路資源を有効に活用するためのプラン(道路公団廃止私案)
- 道路公団ならびに関連団体のすべてを即日廃止する。
こうすることによって道路財源に巣食う既得権益者を排除でき、 今までのように国民の財産を不当に奪われる事がなくなります。
特殊、民間を問わず、何らかの形で法人が存続するかぎり、既得権益者は生き残り、 私達の財産を蝕むことになるでしょう。
道路公団が保有していた高速道路のすべてを国道とし、無料開放する。
[2003/7/25 修正] 東名、名神等の高速道路は正式名称を「高速自動車国道」といい、
首都高などいくつかの例外を除くとそもそも最初から国道でした。 下記のように修正させていただきました。
- すべての高速道路を無料開放する。
こうすることで、国民の移動コストが大幅に軽減できます。 また、物流コストが大幅に低下するので、物価の下落を享受できます。
割高と言われている国内航空料金や鉄道料金にも価格破壊が起きるので、 トータルな国民コストは大幅に軽減されます。 海外に流出している観光旅行も国内に戻って来ます。
さらに、料金所が不要になるので、利便性が高まり、渋滞も大幅に減少します。
料金を徴収している限り、がらがらの地方の高速道路は今後とも有効活用される 見込みはありません。その間、せっかくの資源を無駄にしてしまうことになります。
物価下落は望ましくないという人もいますが、移動コストの下落による 物価下落は、人件費の下落を伴わない純粋な物価下落であって、企業の
利益を押し上げ、国民生活を豊かにし、国家の足腰を強固にするものです。 (ただし、上で述べた航空会社と鉄道会社は大幅なリストラを余儀なくされる
でしょう。彼らは日本の物流コストをあげて来た張本人なのですから。)
今後新たな高速道路はすべて国道として建設します。 国道は、地方も財政出動を求められるので、 必要なものしか建設されません。
[2003/7/25 修正] 高速道路のほとんどはそもそも国道ですので、趣旨を明確にするために
下記のように修正させていただきました。
今後新たな高速道路はすべて税金で建設します。その際、国と地方自治体で
一般国道を建設する場合と同様の負担をすることにしておけば、 地方も財政出動を求められるので必要なものしか建設されません。
- 高速道路への出入口は一定の条件を満たせば地域で自由に作れるようにする。
出入口を作ることで、高速道路の利用者がその地域のサービスを利用することが 見込めるので、地域経済に大きな需要をもたらします。
国が金を出すことなく、各地方自治体および地元企業が競って作るでしょう。 出入口が多くなれば、高速道路利用者の利便性も大幅に向上します。
今までの利用者は、高速道路を利用するたびに監禁された上で、 道路施設協会から与えられるものしか受け取ることができませんでした。
これからは、ガソリンスタンドでもファミリーレストランでも自由に選択 できます。
- 道路公団の債務38兆円のすべては国が肩代りし、返済の財源として道路特定財源を当てる。
その際、地方の道路財源からも、国道を新規に作った場合と同割合の負担を してもらいます。仮に道路特定財源(年約6兆)の半分である年間3兆円を
債務の返済に当てれば、元本部分は13年で返済できます。(利子分がどの程度 になるのかよく分かりません)
これにより、今まで道路特定財源で行われていた新規道路の着工は規模縮小を 余儀なくされますが、完済まではやむを得ません。
税金投入に異論を唱える人もいるでしょうが、債務はなんらかの形で国民が 支払うしかないのですから、税金で払っても通行料で払っても同じことです。
それよりも高速道路という共有資源を一日も早く有効活用し、お金を道路 財源に巣食う既得権益者に横取りされないようにすることが重要です。
道路特定財源を一般財源化することは(約束が違うので)納税者の理解を 得られませんが、高速道路の債務返済に当てるのなら何の問題もありません。
国土交通省は現在の体制でも50年かけて債務返済でき、その後は無料になると 言っていますが、50年後には関係者のほとんどはこの世にはいないところが
ミソで、無責任な問題の先送りに過ぎません。 こと道路行政に関して、「×年先に無料にする」という言葉が真実であった
例はなく、無料になるとしたら、それは即日でしかあり得ません。 首都、東名・名神の各高速道路が未だ有料であることからもそれは分かります。
- [2001/10/18 追加] サービスエリアの土地および施設はすべて民間に売却する。
道路以外の資産を国が保有する必要はありません。 資産を民間に売却して得られた金で債務を圧縮することができる上、
地方自治体には固定資産税が入るようになります。 そして何よりも、資産の利用効率が飛躍的に向上し、国民の財産がより
有効活用されることになります。道路施設協会も即日廃止です。 売却はすべて競争入札によって行います。
(私のコメント)
小泉首相の選挙向けのパフォーマンス政治が揺らいでいる。藤井総裁、中曽根元首相の思わぬ反撃にあって、選挙の結果次第では小泉政権そのものが左右されかねない問題になりつつある。道路公団の藤井総裁の解任は、道路公団の民営化を進めようとする小泉内閣の第一歩であり目玉商品だ。
私は道路公団の民営化そのものに反対し、
6月1日の株式日記に「高速道路無料化」と書いたとおりに道路公団そのものを解散してしまうことが一番良い方策だ。その中で私は次のように指摘した。
私は石原行革大臣に当初は期待したが、全くの期待はずれになっている。お父さんの慎太郎なら公社公団を廃止して、高速道路を無料化するぐらいの大胆な発想をしていただろう。これらは官僚主導の役人に政治を丸投げしているからこのような事になるのだ。
小泉首相の言う公社公団の民営化は一見よさそうな政策に見える。しかし民営化したら最後、天下り役人の天国となるだけだ。公社公団ならまだ国の監督下で監視できますが、民営化したら多くの公団は独占事業だから値上げして暴利を貪り、天下り役人も報酬はうなぎのぼりに上がるだろう。東名高速道路も東京大阪間を倍に値上げしても走る車はあるだろうから暴利を貪れる。何しろ首都高ですら700円のバカ高値でも渋滞が続いている。
本来ならば公社公団は廃止するか国営化すべきもので、公社公団方式は役人の天下りを推進する制度で、民営化もかえって天下りを助長する。国立大学も独立法人となった結果500もの天下りポストが出来た。なぜこのようになるかと言うと政治家も官僚もそのほうが良いからだ。郵政の民営化も民間企業が参入出来ないのでは意味がない。
踏切問題も石原国土交通大臣はエレベ−ターのついた歩道橋の建設を言っていますが、バカそのものだ。そんなもの作っても離れていて、現場の踏切は開かずのままでは解決にならない。民主党の菅直人代表が言っているように二つに分けて中間に安全地帯を作れば、ある程度解決がつく話だ。この場合信号機を二つ設置するだけだから予算も掛からない。ところが石原大臣の案では金ばかり掛かって利用する人は少ないだろう。
中曽根元総理の処遇問題も本来は安倍晋三新幹事長の仕事なのだが、石原大臣のトラブルに懲りたか小泉首相自ら中曽根氏の説得に掛かったが、中曽根氏の逆鱗に触れて拗らせてしまった。小泉首相、安倍幹事長、石原大臣と政策新人類議員は国民の人気は高いが、政治家としての能力には疑問が多い。いずれも二世三世の議員で、楽して現在の地位を得ている。
だから人を説得したり、頭下げてお願いすることには慣れていない。国民や有権者を説得するのが仕事の政治家なのだから、中曽根氏や藤井氏などには根回しや相手の顔を立てて纏める事が必要だった。このような世襲政治家は上品なお坊ちゃん議員が多く女性たちの人気が高い。写真写りも良いからマスコミにも評判はいい。しかし官僚などを使いこなしてまとめることは苦手だ。その点で田中角栄元首相とは対照的だ。
政治家、官僚、大手企業幹部、マスコミと「バカの壁」が問題になっている。現状の認識間違っているばかりか、対策や政策も間違っている。私は「株式日記」で様々な問題点を指摘しているが、これらの「バカの壁」の「構造改革」は一向に進まない。日本全体が頭が硬直化してしまっているのだ。ペーパーテストでいくら優秀な成績をとって東大を出たところで、頭が硬直化していたのでは何の役にも立たない。
大道芸人的パフォーマンスで売る小泉・安倍コンビ
小泉マジック、目くらましとの攻防戦
2003年10月23日 木曜日
◆大道芸人的パフォーマンスで売る小泉・安倍コンビ 中村敦夫
テレビ画面には、毎日、朝から晩まで同じタレントの顔が映る。
昼のワイドショーでオチャラケていたかと思うと、夕方には旅番組で温泉につかっており、夜になるとチョンマゲをつけて時代劇に出演している。
ドラマのプロから見れば噴飯ものだが、そんなことはお構いなしだ。次の日は刑事になって走り廻り、別の番組では歌を唄っている。
テレビ界は、ここ10年くらいで確実に変わった。
私が業界で仕事をしていた頃は、「かけ持ち」は軽蔑された。ドラマでも情報番組でも、その一本に賭けて全力投球し、番組の質で勝負を競いあった。それが一流の出演者の矜持であり、風格だった。
バブル崩壊後は、急速に事情が変化した。出演者やスタッフが全力投球するような番組は、時間と金がかかるという理由で敬遠された。
「安かろう、悪かろう」が、番組制作の基本になった。視聴率が同じなら、経費が安い番組がよいというわけだ。
こうして、素人出演者やスタッフの参入市場が拡大された。しかし、視聴者の目を向けさせるには、それだけの仕掛けが要る。
能はないが目立ったことをやりたがるタレント、破目をはずした言動を取る変なおじさん、びっくりするほどグロテスクで派手なおばさんなどが重宝された。
よく見ると、そこらに必ずいるちょっと変なキャラクターばかりだ。憧れの対象となる個性ではなく、視聴者により身近な存在である。
人気者になるには、親近感を覚えてもらうのが早道である。そのためには、常時画面に出ているに限る。
テレビの持つこのダイナミズムと風潮にうまく乗ったのが、他ならぬ小泉純一郎首相である。
小泉という政治家は、長い間、ただの「変なおじさん」にすぎなかった。森政権の不人気と不景気が幸いして、大道芸人ばりのパフォーマンスをやったら、たまたま大受けをしてしまった。
小泉おじさんは、大多数の国民は政策などにあまり興味がないことを知っており、田中眞紀子外相の起用など、人事の奇抜さで、さらに人気を煽った。
しかし、パフォーマンスばかりでは、人気を維持できない。
小泉人気が依然続いているのは、テレビに毎日登場し、「ワンフレーズ・ポリテイクス」を繰り返しているからである。紋切り型の発言ばかりだが、視聴者は分かったような気になり安心する。
つまり、安物のタレントが、画面に出続けることによって、親近感と知名度を確保するやり方と同じだ。
反復作用は、マインド・コントロールの基本である。
同じことを繰り返されると、それが人々の生活の中で日常化し、習慣性を持ってしまう。一晩でも小泉首相の顔を見ないと、何かもの足りないような気分になるのである。
小泉首相がトップでいられる理由は、理念でも政策でもない。テレビをフルに活用した人気だけである。
大多数の自民党議員も、首相の人気を自分の選挙に利用しようと思っている。
首相の座は、選挙に勝ちさえすればとりあえず安泰である。
とは言え、そろそろ能力の化けの皮がはがれてきた首相は、衆議院選挙を前にして、また奇抜な人事を打った。安倍晋三幹事長の登場だ。
田中外相起用のときと同じ手口である。日本人は人事が大好きだという特性をうまく使った。
新幹事長が、大した政治的見識もない、ただのボンボンだという事実は注目されない。国民は、新幹事長の大好きなアイスクリームがどうのこうのと騒いでいる。
小泉・安倍コンビは、「存在の耐えられない軽さ」を売りまくり、衆議院選挙を乗り切ろうとしている。
国民がまんまとはめられれば、政治の「かくも長き不在」が待っているだけである。
◆政治文化の入れ替え戦・第三幕〜小泉マジックの目くらましとの攻防戦
八 「自民党をぶっ潰す」と言った小泉は、たしかに依存と分配の政治文化の上に権
力を握ってきた、自民党を象徴する経世会をズタズタにした。だけどじつは、「茶碗
はとっくに壊れていた」んだ。(経世会の分裂が決定的になったことに、橋本元総理
は「茶碗はとっくに壊れていた。割れた茶碗を両手で押さえていただけだ」と述べて
いる<読売9/11>)
税金の分配は減る一方で、小選挙区のおかげで業界選挙の効用も低下の一途だ。例え
ば自民党の職域団体の党員数は三年前と比べて、大樹会(特定郵便局)が24万から
10.6万人、建設が18万から8.6万人、看護連盟が12.4万から4.3万人のように軒並み大
幅に減少している。「割れた茶碗」を押さえる力は、衰える一方だったわけだ。
熊 税金の分配が減るから、政官業の癒着のなかでの分捕り合戦は、さらに熾烈
になる。一方、政官業の癒着の利害票だけでは小選挙区では当選できない。ここに
「選挙の顔」としての小泉の使用価値があるわけだ。つまり「無党派」にウィングを広
げるってやつだな。その「無党派」ってのが、新宿の立会い演説会に集まっていたよ
うな連中ってわけだ。
八 だから、選挙は小泉人気頼み、支持者の前でのあいさつはできるが、不特定
多数の有権者にむかって政策を街頭で訴えるなんて考えたこともねぇ、名前の連呼し
かやったことがないっていう情けねぇ連中は、なだれをうって小泉になびくわけだ。
これが「小泉優勢」の空気の正体だ。かくして抵抗勢力とやらは、「そして誰もいな
くなった」というわけだ。(中略)
熊 「<癒し>のナショナリズム」の著者(共著)・小熊先生(おいらの親戚
じゃねぇがな)はこう言っている。
「天下国家を語ったほうが楽なのではないでしょうか。具体的な問題が回避できます
から。特殊法人を潰すよりは改憲を言うほうが、彼らにとっては易しいと思います。
タブーに挑戦するポーズをとっていても、彼らにとって一番タブーになっている部
分、例えば利益誘導や派閥政治を解消するといったことは避けている。彼らは改憲に
『逃避』しているのだと思います」<朝日9/9>とな。
地に足のついた政策は、具体的に責任が問われるが、改憲なんぞは「言いっぱなし」
でも誰からも文句は言われねぇ。それでいっぱしの「改革派」のカオをしていられる
んだから、無責任なヤツほど都合のいい「政策論争」ってことだ。
八 改憲というのは国家の基本だ。それを論じるにはそれなりの、国民主権の作
法ってものがある。集団的自衛権のこれまでの解釈では、国益上も立ち行かないこと
ははっきりしているし、憲法を改正するのがスジだ。だがそれはきちんとした作法で
やるものであって、国民の不安や不満を煽ってたきつける筋合いのものじゃあねぇ。
そんなことをすりゃ、第一次大戦後の変化についていけないところからの閉塞感をた
きつけて、ドロ沼の道に突き進んだ「国策の誤り」の二の舞だ。
熊 消費税の話もそうだ。いずれは税率引き上げは避けられないし、目的税化も
検討する必要があるかもしれない。しかし今の歳出構造を前提に、「カネが足りない
から」って話は、だまし討ちとしか言いようがないぜ。年金改革の論議に必要な基礎
データですら、厚生省は何度言っても国会に出そうとしていないんだ。こんなんで、
まともな政策の議論なんかできるわけないだろう。それでいて「このままでは年金が
危ない」っていう数字だけは流すわけだ。
八 堺屋太一に言わせりゃこうだ。「財務省は毎年『財政の中期展望』を出しま
す。それには必ず『機械的に算出した』と書いてあります。その意味は『他の条件に
変わりがなければ』ということです。この試算では日本の財政は破綻します。だから
消費税をうんと上げなきゃいけませんということです。これは『他の条件が変わらな
ければ』という前提が間違っていることを示している。そこが日本の官僚の大きな問
題です。他の選択肢を示さずに、増税だ、破綻だということばかりをいう」(論座10
月号)
この官僚の口車にのっかって「痛みの伴う改革だ」と絶叫さえすれば「改革派」だと
いっていられる舞台そのものを、転換しなけりゃな。
熊 「政治改革の十年」で、国民主権の政治文化を体現する政治家(バッジをつ
けた主権者)は、それなりに育ってきた。政権選択選挙を引っ張っているのはそうい
う議員たちだ。そこには、バッジをつけない主権者も育ってきている。「脱無党
派」ってえのは、政権選択選挙の意味を多少なりとも分かっている、そういう主権者
が、バッジをつけた(つけようとする)ほうも、圧倒的多数のバッジをつけないフォ
ロワーのほうも、力を合わせて小泉マジックの世界にまで、国民主権の多数派形成に
打って出るってことだ。
八 「近衛新体制」は、当時の利権政治に対する庶民の不満や閉塞感をバネに政
党政治を糾弾し、政党の解散―翼賛体制へのなだれ込みということで始まった。この
近衛新体制の基礎文明―小泉マジックの世界を、政党政治とマニフェスト―脱官僚・
脱無党派・脱中央集権(21世紀臨調)を掲げてどこまで切り崩せるかが、国民主権の
多数派形成の勝負ってことだよ。
熊 浮き足立たずに、総選挙さらには来年の参院選挙を受けて立とうぜぃ。
小泉内閣の支持率はあいかわらず50%を超えている。経済政策に対する失政は誰もが認めているにもかかわらず、どうして国民は小泉首相を支持するのか。政治評論家をはじめとして、いろいろなことが言われているが、俳優出身の参議院議員の中村敦夫氏は、テレビに毎日出ることにより国民に親近感を持たせているためだと指摘している。
私もこれまで小泉首相の高支持率の原因を書いてきましたが、総理官邸で毎日行われるぶら下がり会見がニュースの時間に放送される。そこで国民受けするコメントを発し続ければ、テレビの安物タレントのように親近感が沸いてくるのだ。ビートたけしや明石屋さんまやタモリと小泉首相は同じ手を使っている。
このように演出したのは大手広告代理店や飯島秘書の戦略によるもので、不人気だった森前首相はテレビなどのぶら下がり取材を嫌がって、テレビに出なかったことが不人気につながった。飯島秘書はトム・クルーズなどの国際的な有名スターなどと会見させて演出に力を注いでいるが、それだけでもテレビのワイドショーでの人気は盛り上がる。
小泉首相のようなタイプの首相の登場は小選挙区制度が影響しているのだろう。組織票頼みの小政党は当選が難しくなり、国民政党でなければ政権はとれない。自民党も農林族や郵政族は組織を利用して当選できたが、小選挙区では無党派を取り込まなければ絶対当選できない。それだから小泉首相が担ぎ出されるようになった。
公明党にしても比例区を除けば全滅するところが、自民党と連立することで組織の維持と、政治権力の維持を図っている。おそらく民主党が優位になれば公明党は容易に民主党とも組んで与党になるだろう。それしか方法が無いからだ。そうなると公明党の支援を受けていた自民党議員は大変なことになる。公明党との連立は麻薬のようなもので、時間が経つと本体はボロボロになってしまう。
今回の総選挙の勝敗の目安は無党派層が動くかどうかに掛かっている。支持率からすれば自民党の勝利が予想されているが、最近の道路公団総裁の辞任のごたごたが意外と大騒動になりそうな気配だ。国民受けをねらったパフォーマンスが裏目に出てしまった。そこには飯島秘書関連のスキャンダルも含まれている。そろそろパフォーマンスだけでは国民も飽きてきており限界が迫っているようだ。
さらに世代交代で長老議員の引退が目立ちますが、中曽根元首相が定年制に反旗をひるがえしている。しかし引退した長老議員達も息子を跡継ぎに選んでますます世襲化が進むようだ。確かにそれで若返りは進みますが、跡継ぎのボンボン息子では百鬼夜行のヤクザ社会より恐ろしい政界で通用するはずがない。石原大臣と藤井総裁を見ればそれはわかると思います。
竹中平蔵金融・経済財政政策担当大臣の真実
無能な経済学者に二つの経済閣僚をさせる意味
2003年10月22日 水曜日
◆竹中平蔵金融・経済財政政策担当大臣の真実 (論壇目安箱)
竹中は73年に一橋大学を卒業、日本開発銀行に入行した。 その後77年には同行設備投資研究所に配属になり、82年には大蔵省財政金融研究所に主任研究官として出向した。
この頃、竹中は、当時大蔵省官房審議官兼財政金融研究所次長であった長富祐一郎に出会う。 長富はその後大蔵省関税局長を経て財政金融研究所長を務めた人物であるが、大蔵省きっての問題人物であり、この出会いが竹中をシンデレラ・ボーイに押し上げていくのである。
87年、竹中は、長富の後押しにより、大蔵省の出向ポストであった大阪大学経済学部助教授に就任した。 そのときの主任教授が、現在、経済財政諮問会議の民間議員を務める本間正明氏である(竹中が本間教授の起用にこだわったのは、もちろん口封じのためである)。
しかし、竹中は、休講ばかりで授業を真面目にやらなかったうえ、生来の女好きが災いして教え子の女子学生にセクハラを働いたため、本間教授の逆鱗に触れて大学にいられなくなってしまう。
そこで、竹中は長富に泣きつき、トラブルを表沙汰にせず、円満に大学を去る形にしてもらった。 89年、長富は開銀とも話をつけ、ハーバード大学に留学させることにした。そのときの肩書きは客員准教授であったが、実際には助手見習いであり、しかも在籍したのはわずか3ヶ月だった。
ここで、長富がなぜこのような力を持っていたかということに触れる。 長富は、大蔵省の中堅幹部だった頃から、財政金融研究所の外郭団体を使い、銀行や証券会社から巨額の裏ガネを集めていたのである。
そのカネは、政界工作はもちろん、海外の主要な大学や研究所との人脈づくりにも使われていた。 長富は頻繁に海外出張して、接待・贈り物攻勢をかけたのである。 竹中がハーバード大学に留学できたのも、この裏コネクションがあったからである。
ちなみに、そのとき長富にいいように使われた人物が、みずほグループにいる。 竹中がみずほグループを追い込めないのも、過去の秘密を握られているからである。
なお、本題からは外れるが、このとき竹中は、1月1日に日本に住民票がなければ住民税を払わなくてすむという脱法行為に気付き、以後もたびたびこの手法で「節税」を繰り返すことになる。
この問題を国会で追及された際、竹中は意図的なものではないと強弁したが、草野厚慶應義塾大学教授が、竹中本人から「節税」を誘われたと漏らしており、意図的なものであったことは確実である。
ハーバード大学からわずか数名しかいない国際経済研究所なる研究所に移った竹中は、90年に慶應義塾大学総合政策学部助教授のポストを得る。 これは、長富が、懇意にしていた加藤寛慶應義塾大学総合政策学部学部長に働きかけたことから実現したものである。
その後の竹中のシンデレラ・ボーイぶりはご存じだろう。 政府税制調査会会長であった加藤寛に気に入られた竹中は、小渕内閣の経済戦略会議や森内閣のIT戦略会議メンバーを経て、01年には経済財政政策担当大臣、02年にはさらに金融担当大臣をも兼務することになった。
なお、長富は大蔵省退官後はQUICK、パソナの顧問を歴任し、現在は社団法人研究情報基金運営理事会議議長を務める。
(私のコメント)
竹中平蔵氏が二つの経済閣僚を兼任するのは、誠に嘆かわしい事態です。小泉内閣が続く限り竹中大臣は続投するのだろう。竹中大臣は民間人であり選挙の洗礼を受けない。自民党の実力者達が竹中大臣を辞めさせるように言っているが、小泉首相は聞き入れない。
竹中平蔵氏はこれと言った学者としての業績もなく、著書などを見ても経済の入門書ばかりだ。このような人物が大学教授になり、大臣にまでなれたのは、背後に長富氏という高級官僚が糸を引いているからだ。たしかに竹中平蔵氏は扱いやすい便利な人物のようだ。竹中氏の能力は人脈を築くことに長けていることで、本間教授や加藤教授などの学会でも顔が広い。
前にも書いた事がありますが竹中大臣は、モルガンスタンレーのフェルドマン氏とも親交があり、ファンドを紹介して儲けさせることで人脈を築いた。大蔵省の長富氏もそのような縁があるのだろう。肝心の経済政策に関してはアメリカの言いなりでまったく評価できない。侘美 光彦氏はインタビューで次のように指摘している。
◆小泉・竹中経済政策をどう見るか 侘美 光彦
(前略)もっと大きく間違った理論は、竹中平蔵大臣に代表される理論です。竹中氏は、近代経済学のなかで新古典派理論とよばれる考えの代表的な人です。新しい形で古典派に立ち帰った新しい理論です。
昔から古典派のなかには、「貨幣数量説」というのがありました。それは、貨幣量を増やせば物価が上昇し、貨幣量を減らせば物価は下落するというものです。たしかに、貨幣量と物価の間には、なんらかの関係があるのですが、どちらが原因でどちらが結果か、ということが問題です。言い換えると、景気が悪くなるから物価が下がるのか、物価が下がるから景気が悪くなるのか。。実体経済が悪くなるから物価が下がるのか、物価が下がるから実体経済が悪くなるのか。。その因果関係が問題です。「貨幣数量説」では、貨幣量に原因を求めて、貨幣量を増減させれば物価は調整できると考えます。これが古典派の一つの特徴です。
ところがこの理論は、第一次大戦後、事実上破綻しました。間違っていることが分かったからです。とくに大恐慌では、貨幣量を減らしたから景気が悪くなったとは、誰も考えません。それを主張したのは、フリードマンだけです。彼は、実体経済は悪くないのに、銀行恐慌が起こったから実体経済が悪化したと評価したのですが、彼の大著でも、貨幣や金融の事は詳細に分析していますが、実体経済についての分析はありません。銀行恐慌の原因は、金融政策を間違ったこと、それも貨幣量を増大させなかったことにあると単純に評価しています。先程から話している、私の大恐慌の評価とは決定的に異なることが分かると思います。
ところが、この「貨幣数量説」が六〇年代からアメリカで復活してきました。その理由は、きわめて簡単で、五〇年代末から物価が絶えず上昇するようになったからです。絶えずインフレの状態で、デフレは起こらず、そのなかで景気が上がったり下がったりしながら、経済成長が進むようになりました。そこで、貨幣量と物価の相互関係をみると、見事な相関関係がしめされるようになったのです。貨幣量の「増加率」が大きいときは、物価の「上昇率」も大きいという関係です。それ以前は、貨幣の絶対量が増えたり減ったりしていたのですが、この時期から、貨幣量や物価は絶えず上がるなかで、その貨幣量の「増加率」と物価の「上昇率」の間に相互関係が、明瞭にあらわれるようになりました。
近代経済学ではデフレの定義もなく、大恐慌のことは事実上忘れているものですから、もしデフレになったときにどうなるかという議論も抜きに、現象的にあらわれた相関関係から、物価を調整するには貨幣量を調整すれば良い、という理論が復活したのです。これが、ケインズ政策の行き詰まった七〇年代に、ケインズ政策にとって代わりました。レーガン時代にとられた、供給重視のサプライサイド経済政策も、貨幣数量説を否定するものではありません。
現在、竹中氏が主張していることは、こうしたアメリカの「貨幣数量説」をほぼ無条件に受け入れている、と評価して良いと思います。竹中氏の考えに近い人も大勢います。「日銀の政策が問題だ」と言っている人は多いのですが、その内容はほとんど「貨幣数量説」です。貨幣量を調整すれば物価は調整できるというのですから、デフレについては貨幣政策・金融政策だけで解決できるという考えになります。ところが、日銀が色々とやっても効果がないので、もっと金融緩和すべきだとか、インフレ目標を設定せよとか、国債を買えとか−−日銀にもっと他の政策をやれと要求するのです。
竹中氏は、ときどき言う事が変わるのですが、基本的にデフレは金融問題なので、日銀の責任であり日銀がしっかりやれば良い、という主張です。これとの連関で、不良債権問題も金融問題なので、これを解決すれば、デフレは解決するし、景気も回復するという主張になります。
したがって、小泉・竹中経済政策は、「二重の誤り」を犯しています。まず、デフレ・スパイラルを認めないので、構造問題に景気の問題を還元してしまいました。そして、デフレの問題を貨幣問題に還元してしまいました。この「二重に誤った理論」で、経済政策をやっているのですから、日本経済の見通しは、空恐ろしいものがあります。(後略)
(私のコメント)
竹中大臣は日本経済の状況がよくわかっていない上に、アメリカの経済学者の受け売りで経済政策を行っている。アメリカのブッシュ大統領が不良債権を処理の促進を言えばそのように実行し、金融緩和しろと言えば忠実に実行している。これらの経済政策は日本のためというよりアメリカ経済のための政策なのだ。
りそな銀行への公的資金注入にしても、いろいろな疑惑がもたれている。日本の金融業界の状況は竹中大臣によってアメリカ政府へ筒抜けになっており、りそなに対してもアメリカからの指示でなされたらしい。その他のメガバンクに対しても外資が着実に入り込んできており、気がついたときは日本の金融は皆ユダヤ系国際金融資本の傘下に収まっていることだろう。
金融を支配してしまえば日本の産業を支配することが出来る。驚くべきことに小泉首相は郵貯すら民営化して外資に売り飛ばそうと、郵政の民営化を主張している。だからこそ小泉首相は金融・経済財政大臣を竹中氏に一任しているのだ。ここまで小泉首相がアメリカのために尽くすのは何か理由があるのだろうか。まさかCIAに秘密を握られていると言うことも考えられる。
ユダヤ・シオニストとキリスト教福音派による
ブッシュ政権は世界支配を目指す、マハティール氏
2003年10月21日 火曜日
◆ユダヤ人が世界支配とイスラエルを酷評、マハティール氏 CNN
クアラルンプール(CNN) マレーシアのマハティール首相は16日、クアラルンプールで開幕したイスラム諸国会議機構(OIC)首脳会議で演説、「ユダヤ人は現在、代理人を使い、世界を支配している」と批判、これに対抗するためイスラム教徒の結束が何より必要と強調した。
首相はこの中で、イスラエルを「世界の強国と同盟している」敵国と言い切り、イスラエル寄りの姿勢を見せる米国なども合わせて糾弾した。イスラム教徒の連帯については、「筋肉」だけでは抵抗出来ず、「頭脳」の力が必要とも主張。
イスラム教の教典コーランの教義に関する神学的論争への傾斜を戒め、「科学や開発を退けてはいけない」とイスラム教徒国家に反省も求めた。また、自爆テロにも言及、「若い人間に犠牲を求め、人を殺したあげく、大規模な報復を招いている。他に方法はないのか」と問い掛けた。
マハティール首相は、今月を最後に退任する予定。これまでも欧米諸国の中東政策、対イスラム観に容赦ない批判を加えてきたことでも知られる。
◆<ブッシュ大統領>「ユダヤ支配」発言のマハティール首相を批判
【バンコク中島哲夫】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席しているブッシュ米大統領が20日、「宿敵」とも言えるマハティール・マレーシア首相を直接批判した。マクレラン大統領報道官が米メディアに語った。
AP通信が報じた同報道官の証言によると、ブッシュ大統領はマハティール首相を直接対面の場に呼び出し、同首相が16日の演説で「世界はユダヤ人に支配されている」などと語ったことに対し「私の信ずるところと全く相反する」「誤っており、不和を生む」などと批判した。首相の反応は伝えていない。
マハティール首相は米国のアフガニスタン、イラク軍事攻撃に公然と反対するなど、ブッシュ大統領の敵役。詳細不明ながら大統領が他の各国首脳と離れた場所を選んだのは、引退間際の首相に意趣返しをしたという印象を避けるためと見られる。(毎日新聞)
[10月21日1時31分更新]
◆「神がブッシュ任命」 米中将発言に猛反発(時事通信)
【ワシントン19日共同】米国防総省のボイキン次官代理(中将)が「神がブッシュ大統領を任命した」などと、ブッシュ政権の「テロとの戦い」を宗教戦争であるかのように発言、野党民主党やイスラム系団体が猛反発。ライス大統領補佐官は19日の政治討論番組で「宗教戦争ではないという大統領の立場は明確」と火消しに追われた。
中将は、イラクのフセイン元大統領らを追跡する任務を負う対テロ戦の最前線の人物。国防総省は「法的問題はない」と処分などはしない方針だが、「イスラム世界への誤ったメッセージ」(米国イスラム関係協議会)「けん責すべきだ」(民主党のリーバーマン上院議員)と非難が相次いでいる。
またブッシュ政権が巨額の広報費用を使ってイスラム世界でのイメージ改善に努めていることから「中将の発言は努力を台無しにする」(ワシントン・ポスト紙)との批判も強い。
中将は過去2年間、福音主義派の教会などでしばしば講演し「(イスラム過激派が米国を憎むのは)キリスト教国であるため」「敵の名はサタン。われわれは神の軍隊」などと発言していた。(共同通信)
[10月20日8時41分更新]
◆「サタン」発言の米中将が謝罪(ロイター)
[ワシントン 19日 ロイター] ボイキン米国防次官代理(中将)が、イスラム過激派を相手にした米国の対テロ戦争が宗教戦争であるかのような発言をしたことについて謝罪した。
同次官代理は、イスラム過激派は「キリスト教国であるために」米国を破壊しようとしているとして、これら過激派との戦いを「サタン」(悪魔)との戦いと呼び、議論が起きていた。
ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ABCテレビの番組に出演し、ブッシュ大統領がボイキン次官代理の発言を非難するかとの質問に対し、「この問題に対する大統領の見解は明快だ。これは宗教戦争ではない。誰もそのような発言をすべきではない」と語った。
同次官代理の発言をめぐる議論は、先週、NBCニュースがキリスト教会で軍服を着用して演説する同次官代理の様子をビデオ放映したことに端を発した。
同次官代理自身は、福音派キリスト教徒。(ロイター)
[10月20日13時26分更新]
(私のコメント)
10月11日の日記でアメリカ映画「フレッチ登場」を紹介しましたが、そこでキリスト教福音派の集会をからかった場面がありました。信者が集まった会場でインチキな超能力ショーをやって見せて信仰心を高める集会をやっているのです。このような事はカルトな新興宗教団体がやっていることですが、アメリカではキリスト教の一派がこれをやっている。
ブッシュ大統領はこのアメリカのキリスト教福音派の支援を受けて大統領になった。ブッシュ大統領自身あまり知的レベルが高いほうではなくて、だから福音派と相性がいいのだろう。ブッシュ大統領自身ボーン・アゲインを体験している。ここまでくると今までのアメリカ大統領とは違った印象が出てくる。
アメリカのキリスト教福音派はヨーロッパの世俗化されたキリスト教徒は異なり、ファンダメンタリズム(根本主義)ないしはキリスト教原理主義とも言います。聖書にかかれたことは事実であり、そこに書かれた予言は実現するという宗派だ。この宗教を信ずるアメリカ人は決して少数派ではなく6000万人から7000万人も信者を擁している大宗教団体だ。
この福音派とユダヤ・シオニストを手を組ませたのがネオコンというグループだ。以前にも書きましたが福音派の教義はユダヤ教イエス派ともいうべきもので、ユダヤ教に対して極めて親密な関係を築きやすい。聖書の予言は必ず実現するということで共通しているのだ。そしてハルマゲドンを信じている。
ニュースを見てアメリカ軍の軍首脳にも福音派の将軍が、ブッシュ大統領は神が任命したなどと言い始めている。おそらくブッシュ大統領は本気でハルマゲドンを始めるつもりなのか。9・11テロが起きたときアメリカ人はほとんど「オー・マイ・ゴッド」と喚声を上げていた。いよいよハルマゲドンが来たと言うことなのだろう。
マハティール首相の発言は真理の一端を指摘したに過ぎません。正確にはユダヤ・シオニストとキリスト教シオニストがアメリカを乗っ取って世界を支配しようとしている。その一番の敵としてイスラム教諸国が上げられている。アメリカはアフガニスタンやイラクを始めとしてシリアやイランなど次々と「民主化」しようとしている。従わなければイラクやアフガニスタンのように爆弾の雨が降るのだ。
考えてみれば57年前にアメリカ軍から爆弾の雨を降らされた国があった。非人道的な核爆弾まで投下されて数十万の人命まで奪われた国があった。その結果日本は「民主化」された。小泉首相によると「日本はアメリカ軍に解放された」と言ったらしい。まさに小泉首相はアフガニスタンのカルザイ大統領と変わりがないのだ。
日本の首相がマハティール首相のように真実をはっきり言えるようになるのはいつごろだろう。日本の知識人や文化人もユダヤ人と聞いただけで黙りこくってしまう。ましてやアメリカのキリスト教福音派の狂気など口が裂けても言えないだろう。しかし日本に核爆弾を投下した国がどうして世界中に核爆弾を落とすようにはならないと言えるのか。
アメリカ人の多くは次のようなハルマゲドンの光景を信じている。レフトビハインドからの引用です。
その箇所によりますと、「携挙」のとき、キリストが天から空中にくだってこられます。すると、その時、すでに死んで葬られていたクリスチャンたちと、その出来事が起こる瞬間に地上で生きているクリスチャンたちとが両方とも栄光の体に変えられ、キリストを信じる群れとして一つに合わされ、空中で主と会い、そのあといつまでも天国の主の臨在のもとに居るようになるのです。それでパウロは、その箇所を「こういうわけですから、このことばをもって互いに慰め合いなさい」(一八節)と結んで私たちを励ましています。
このように、私たちの生涯の間に、「携挙」が先に起こっても、死が先にやってきても、いずれにしても、キリストを信じている者たちは栄光の体に変えられ、天国の永遠の祝福に入れられるのです。
主が、このようなすばらしい備えをしてくださっていることを感謝しましょう。
(いのちのことば2001年9月号より)
日本の失われた10年とは日本人の精神
Japanese sprit が失われた10年である
2003年10月19日 日曜日
◆ウソとゴマカシが国を減ぼす
フランシス・フクヤマの名著『歴史の終わり』(“The End of History and The
Last Man"渡部昇一・訳三笠書房1992)によれば、歴史は民主主義国家がいちぱん強いことを証明したことになっている。ソ連にせよ、ナチスドイツや戦前の日本もそうだが、選挙や思想、言論の自由を奪う圧政国家という仕組みは決定的に敗退した。つまり、歴史とは、「社会形態の進歩プロセス」であって、最後にリベラル・デモクラシーが残ったのである。そして、これは内部矛盾contradictionのない人間杜会の最終形態last
figureである、というのが彼の主張である。
とすれば、いまの日本はどうなのだろうか? これほど、内部に矛盾をかかえた国家はないだろう。もちろん、西欧の民主主義諸国も矛盾をかかえている。しかしそれは、自由・
平等という民主主義の原理principalに矛盾があるのではなく、その原理を完全に実行できないところに問題が生じているのだという。いまのアメリカがかかえている「力こそ正義」もこれである。しかし、日本の矛盾はその腐敗構造にあって、それは民主主義ができないところまできてしまっている。
本当に国を減ぼすのは、経済や政治ではない。為政者たちのウソやゴマカシである。日本政府はこれをもう十数年にわたって続けているのだ。腐りきった官僚組織、ゾンビ企業群、そしてヤクザと癒着し、国民を欺き続けてきた。しかし、自国民は騙せても、全世界は騙せない。共産党独裁だったソ運も、為政者たちはウソやゴマカシで自国民と世界を騙し続けた。その結果、減んだのである。太平洋戦中の日本も、負けている事実を国民にひた隠しにし、「勝った、勝った」と言いながら、やがては大敗した。
つまり、ウソやゴマカシを続けているかぎり、民主主義は機能せず、日本の再生はありえない。日本の「失われた1O年」というのは、本当はお金が失われたのではない。日本人の精神Japanese spritが失われたのである。日本人はいつのまにか、ウソつきになってしまったのだ。はたして、日本の為政者たちはまだウソを言い続けるのだろうか? とすれば、「失われた10年」は本当に「さらに失われる10年」となり、日本は静かに死んでしまうだろう。
私がはじめてこの国に来たとき、日本人はみな「誠実で勤勉」だった。それが日本人の美徳Virtueであり、世界が日本人に与えた
評価だった。だから、私は日本人の友人をたくさん持てたし、その結果、人間は肌の色が違おうと、民族が違おうと、お互いに理解し合えるということを確信した。そして、いまも確信している。もし、このまま日本が死んでしまうなら、私はカナダに帰るしかないだろう。そして、国の人問から「なぜ、あれほど成功した国がダメになったのか?」と聞かれれば、「経済政策に失敗したからだ」などとはけっして答えないだろう。日本が減ぶとしたら、それは、ウソとゴマカシの「ヤクザ・リセッション」の結果であるからだ。
◆Afterthoughts おわりに
「いったい誰と交渉すればいいのか?」 歴代のアメリカ大統領は、来日前になると側近に必ずこう聞いたという。もちろん、これは半分はジョークだが、日本には本当の意味でのリーダーが存在しないことへの皮肉でもある。このジョークの続きを、いまの日米のリーダーに当てはめてみると、次のような会話ができあがる。
大統領補佐官 大統領、明日から日本訪問ですが……。
ブッシュ いったい誰に会うんだ?
大統領補佐官 日本の首相のコイズミです。
ブッシュ 会ってどうするのか?
大統領補佐官 握手するだけでけっこうです。
ブツシュ なぜだ?
大統領補佐官 彼もそれしかできないからです。
日本人は誰しも、自分たちの国を民主主義国家democratic stateと信じているようだが、それは間違っている。すでに、本文中で何度か論じてきたように、日本では本当の民主主義は機能していないのだから、そんなことを言ったら、世界中で笑い者になるのを覚悟すべきだ。では、日本はどんな国家なのか?
私の見方では、日本は世襲制の「貴族寡頭制国家」(オリガーキー、oligarchy)、もっとハッキリ言えば「泥棒国家」(クレプトクラシーkleptocracy)である。一部の特権階級privileged
classが支配する国であり、それが悪いことにたった一度の試験(官僚officials)と選挙(政治家politicians)という一見民主的なシステムで選ばれるのだから、始末に悪い。さらに、これに財界のボス、闇社会のドンらが加わり、日本の権力構造structure
of powerはできあがっているのだ。
しかし、欧米の政治学者なら、日本についてここまでは言わないだろう。「官僚が支配する社会主義国家Socialist
state」ぐらいでお茶を濁すはずだ。学校で習う地理のテキストでは、「立憲君主国」constitutional
monarchyとなっているので、一般の人たちのなかには、いまだにエンペラーEmperor(天皇)が支配していると思っている人もいる。
ともかく、日本は、欧米からは民主主義国家とは思われていないのだ。「アジアで初めて民主主義国家になった」とアメリカ人は言うだろうが、それはお世辞complimentsで、本当は「自分たちが民主化してやった」と自慢show
offしたいがためにそう言うにすぎないのだ。このことを、もう日本人はきちんと理解しておいたほうがいいだろう。そして、自分たちがこの「泥棒国家」の泥棒たちに、汗水たらして稼いだ金を奪われていることを、もっと怒るべきなのだ。
ただし、不思議なことに、この「泥棒国家」は、泥棒のボスが誰かわからないようになっている。だから、実際、日本国民は怒りを 誰にもっていっていいのか、わからないのだ。それで、冒頭のようなジョークにも、あっけらかんとは笑えなくなってしまう。
かつての日米交渉US-Japan talksでは、アメリカ側は日本側の政策決定者decision
makerであるべきはずの各担当大臣、総理大臣などを、ほとんど相手にしなかった。それでは誰と交渉negotiateしたかといえば、各省庁の次官クラスであり、その裏で政財界のボスたちとも交渉した。なぜなら、各担当大臣などは、ほとんどなんの決定権ももっていないからだ。交渉しても、「それは持ち帰ってよく相談してみないと答えられない」などと言うので、アメリカ側は何度もあきれてしまったという。その意味で、日本はいまだに、何人かのボスが寄り合い所帯で政治をする国であり、彼らが腐敗corruptしているのだから、改革reformが進むはずがないのである。
なぜ、日本が「クレプトクラシー」かは、日本の総理大臣に官僚の人事権がないのをみても明らかだろう。だから、総理大臣が行政府の長などというのは、ただの虚構fictionであり、日本の教科書textは子供たちにウソを教えているのである。
総理大臣に人事権がないばかりか、各担当大臣にすらない。田中真紀子前外相が1枚の紙切れに書かせた辞令letter
of appointmentが、まったく無視されたことを思い出してほしい。人事権というのは、組織を動かす要である。一般の会社で、社長や重役に人事権がなければ、社員は勝手のし放題で、そんな会社はたちまち潰れてしまうだろう。指揮官commanderのいない軍隊
がどうなるかは、子供でもわかるはずだ。
人事権がリーダーにないということは、組織に指揮系統lineが存在しないということである。もし、カルロス・ゴーンに人事権がなければ、彼がどんなに素晴らしい経営者であっても、ニッサンは改革できなかったはずだ。つまり、日本では物事は何人かのボスの合議で決定される。だから、形式上のリーダーである総理大臣がなにを言おうと、改革が進むわけがないのだ。しかも、いまのところ、日本のボスたちのほとんどが汚染されてしまっているから、一般国民はかぎりなく収奪されるだけである。かくして、絶望的な「ヤクザ・リセッション」the
Yakuza Recessionは、これからも続いていくしかない。
いつか汚染されていない若いリーダーが現れ、このシステムを破壊したうえで、ボスたちがこれまでなにをしてきたかを暴き、その罪crimeを問わなければ、改革は行われない。
「ヤクザ・リセッション」を長く取材していると、私のような外国人にも日本の裏杜会underworldからの接触がたびたびある。「これは絶対に書いてはダメだぞ」と、ヤクザが社会をにぎわすさまざまな事件の裏側insideを、面白がって、あるいは得意げに教えてくれることがある。そういう話で驚くのは、やはり、人間関係の複雑さだ。一見関係ないと見える人たちが、実は裏behind
the screenではつながっていることを、私は何度も聞かされた。
政治家、官僚、財界、警察、ヤクザ、裏社会、こういう構造はほとんどどこの国にもあるが、後進国developing
countryほどこの癒着の構造は強い。そして、民主主義は機能せず、物事は 人間関係、口利きmediation、談合bid-rigging、賄賂briberyで決まってしまう。この点から言うと、日本は表面的には先進国developed
countryでも、本質的には後進国である。はじめてこの国に来て、東京の下町を歩きながら「なんていい国なんだ」と思った昔を思い出すと、私の日本に対する気持ちは、いま大きく違ってしまった。もちろん、私の国カナダでも、アメリカやヨーロッパでも腐敗の構造はある。
しかし、民主主義というシステムは、人類の歴史上もっとも腐敗から遠いシステムのはずだ。歴史をみれば明らかだと思うが、腐敗がある国ほど、経済はうまくいかず、国民は貧しくなる。アジア、アフリカの多くの国が、民主主義政権を樹立し、資本主義経済を導入したにもかかわらずうまくいかなかったのは、もともとの支配階級の腐敗を断ち切れなかったからだ。共産主義国家でもこれは同じだ。崩壊前のソ連もチャウシェスクのルーマニアも、腐敗は目を覆うばかりだった。中国でさえ、経済成長する前の政権内部の腐敗ぶりはひどいものだった。
さて、最後に私が言いたいのは、日本の選挙制度election systemについてである。現在の腐敗政治家corrupt
politiciansが何度でも当選してしまうのは、この国にとても民主主義国家とは思えない選挙区の格差(1票の格差)が存在するからだ。その格差は、ひどいところで1対4あるいは5ぐらいまでなっているから、国民の声は政治に反映されない。その結果、「泥棒」の代表が議員になってしまうのだ。もし、日本人がきちんと人口比例による代表者representatives
を選んでいたなら、「失われた10年」もなかっただろう。
相変わらず、日本のメディアは、不況克服についてさまざまな処方箋を提供している。しかし、そのなかに「ヤクザ・リセッション」について言及したものは、ほとんどない。もはや日本経済は、ギリギリのところまで追いつめられているのに、まだ、単なる経済問題economic
issueとして扱い、自分たちの社会の真の姿real figureを見ようとしない。
そして、権力なき総理大臣が「改革は進んでいる」と口先だけで言うのを、毎日のように垂れ流している。このままいったい、日本はどこまで行こうというのか? 日本の危機は、経済の危機ではない。日本人が人間としてどう生きるべきかの危機なのである。日本と日本人は、いま、その生き方を間われているのだ。
2003年9月 ベンジャミン・フルフォード
(私のコメント)
道路公団の藤井総裁の首が簡単に切れないことは、簡単には構造改革が進まない何よりの証拠になっている。これで小泉首相が「構造改革は進んでいる」というのは何を根拠に言っているのか意味はなくなる。民間会社でも役員クラスになれば社長や会長の意に沿わない役員はクビになる。
中央官庁でも局長クラス以上の官僚は、大臣が決めた方針に従えない官僚はクビか左遷されても文句は言えないはずですが、実際はそのような仕組みにはなっていない。歴代内閣の国務大臣の政治的資質が官僚たちに比べ劣っているために、国会答弁ひとつ満足に出来ない大臣が多く、いくら大臣に強い権限を与えても機能しないからだ。
小泉首相にしても国会答弁は官僚が書いた答弁書の棒読みが多い。質問するほうの野党議員も台本どうりの事しか質問できずアドリブが利かない。実権が国会の中には無いからこんなことが行われている。日本の国政は法律に定められていない事務次官会議で決定された事しか法律は決められない仕組みになっているからだ。
ではなぜ国政を決める国会議員選挙が行われているのだろうか。これは国民を騙す手段でしかない。最高権力者であるはずの大臣が道路公団の総裁の首が切れないのだ。これでは中央官庁の事務次官の首が切れないのも当然だ。これでは総理大臣が国の施政方針を決めても行政がいうことを聞かなければ何も動かない。
国家に何の問題もなければそれでもかまわない。優秀な官僚に全てお任せで上手くやってきた。外交問題も防衛問題もアメリカにお伺いをたててやっていればいい。国会議員の四分の一が世襲議員で占められている。これはフルフォード氏が指摘するように国会議員が貴族階級のように固定化されてきている証拠である。
本来ならば国政選挙は、誰もが立候補できて、本当に政治家としての資質のある候補者が当選できる仕組みであるべきだ。ところが現在は地盤、看板、カバンのある候補しか当選することが出来ない。だから議員が世襲化してしまう。これを打開するためには各政党の地方組織が予備選挙で候補者を公募して決めるようにすればいい。これなら単に後援会があるというだけで二世議員が選ばれるという弊害は少なくなるはずだ。
根本的問題は有権者達の意識にあるのだろう。選挙があっても何を選択手段にしたらいいのだろう。戸別訪問も、ビラの配布も、立会演説会も禁止されている。これはおそらく官僚の陰謀だ。確かにトラブルが発生しただろうが、これらを禁止するということは有権者が候補者の資質を知らぬまま投票させる仕組みのほうが、バカな国会議員が選ばれる機会が多くなるからだ。
私が前々から主張しているように、インターネットを選挙で使えるようにすべきだ。そうすれば有権者は候補者の政策や資質をある程度知ることが出来る。ところが司法官僚は文書の配布に当たるとして禁止した。この事からも官僚が政治の実権を握っていることが知れる。そしてバカみたいに宣伝カーに乗って自分の名前を連呼させる方法しか出来ないようにした。そのほうが二世議員たちにとっては都合がいいからだ。
B・フルフォ−ド 著 「ヤクザ・リセッション」
日本をアメリカに売り渡し、それで「改革完了」
2003年10月19日 日曜日
◆日本のノーはご都合主義
アメリカの日本に対する要求は、日本側から見れば、いつも納得がいかないものだったかもしれない。特に、半導体の交渉などは、日本に一方的に「アメリカ製の半導体」を買えと迫るものだった。しかし、アメリカが一方的に日本を潰してしまおうと考えているととるのは被害妄想persecution maniaすぎる。そこまでアメリカが戦略的に計画を立てていたとしたら、すでに日本は潰れていてもおかしくはない。
ただ、彼らは徹底的に国益を追求してきているのであり、それに対する日本の対処法が間違っていたのだ。
重ねて言うが日本の政治家が腐敗してなかったら、CIAといえども日本の政治家を脅すネタはつかめなかっただろう。日本がいとも簡単に、アメリカの言いなりになったわけは何か。アメリカの国益追求の要求に、日本がノーと言わなかった理由とはなにか? おそらく日本の政治家たちは、口が裂けても本当のことを日本国民に対して話せないであろう。
例えば、十数年前に、日本はノーと言ったことがある。それは、平和相互銀行が潰れたとき、日本政府に対してシティバンクCili Bankが全支店を買いたいと申し出たときだった。シティバンクは長年日本で営業を続けてきたが、どうしても一般
のリテールバンキングretailbanking(小売銀行業務)には食い込めなかった。そこで、関東地域に100以上の支店を持つ平和相銀の支店網branch webをほしがったのだ。しかし、竹下蔵相は「臭いものには蓋をしろ」で、このときはノーと言って、住友銀行へ平和相互銀行を押しつけてしまった。
が、このノーは、シティバンク、ひいてはアメリカを怒らせた。なぜなら、当時の日本はバブルの絶頂期にあり、邦銀のジャパン・マネーがアメリカで経営不振の銀行をどんどん買収buyoutしていたからだ。これでは、アメリカが怒るのも無理はなかった。日本はアメリカのオープンなマーケットを利用しているくせに、自国のマーケットは閉じたままにしている。これがアンフェアunfair(不公正)だと彼らの目には映ったわけである。このように日本のノーはご都合主義だったから、その後、経済が衰え出すと、アメリカからの徹底攻撃にあってしまうのである。
さらに、この住友銀行による平和相銀の吸収は、第3章でも書いたように、政治的な思惑が働いたものだった。このとき、アメリカは日本の金融の弱点を、こうした政治の腐敗と結びついた点にあると悟ったのかもしれない。後に、長銀がリップルウッドに売られたとき、日米間に密約underthetableがあると囁かれた。さらに、この十数年前の出来事が、2003年になって起こったある出来事と結び付くとは、誰にも想像できなかっただろう。、
◆小泉とシティバンク会長との会談
2003年5月19日、りそなに公的資金の注入が発表された直後、 以下のような噂rumorが乱れ飛んだ。「すでにりそなを外資に売り渡すというシナリオはできあがっている。日米で密約があるはずだ」「公的資金できれいにした後、儲かる銀行にする役目は外資にまわすと政府は決めている」この噂は、長銀の例を見れば、ほとんど的を射ていた。というのも、この2003年の時点でも、シティバンクが平和相銀をほしいと言ったときと、日本における外資系銀行の状態は変わっていないからだ。いまだに、外資系銀行で、日本の一般個人顧客を押さえているところは1つもない。外資銀行は、個人を顧客にしていても、それは都心のインテリ層が中心であって、小口の一般個人客を持っていないのだ。
そこで、この時点より少し時間をさかのぼってみると、意外な事実が浮かびあがってきた。なんと、2003年5月13日、小泉首相は、来日したシティグループCitigroupのサンディ・ワイル会長と会談していたのである。この会談は、日本の大手メディアではほとんど報じられなかった。わずかに、夕刊紙の『日刊現代』が、つぎのような観測記事を載せただけだった。
「小泉首相がきのう(13日)、米金融最大手シティグループのワイル会長と会談したことで、金融界がザワついている。2週間後に発表される銀行や生保の決算がボロボロとされるだけに、『金融機関の大型買収話がテーマではないか』と持ち切りなのだ。小泉・ワイル会談は9時30分から10時20分まで1時間近く続いた。小泉首相はその後、『シティグループはこれまでに1万人以
上の雇用を創出し、日本経済に刺激を与えている。ワイル会長に、これからも頑張ってくださいといった』と語った。だが、ワイル氏は憮然とした表情で官邸を後にしている。
『財務省サイドが会談をセットし、小泉首相はワイル氏に“支援''を要請したようです。23日の日米首脳会談、26日の銀行決算、そして30日の生保決算と続くスケジュールを加味すると、“第2の長銀"が話題になったのは間違いない。リップルウッドに買収された長銀のように、破綻予定の大銀行を引き受けてもらう相談だったともっぱらです。(以下略)』(官邸事情通)」
というのが、この記事のポイントだが、すでにこの時点で、りそなやみずほなどの惨状を日本政府が把握していたのは間違いない。とすれば、りそなも含めて、日米間でのなんらかの密約が交わされ、やがてそれが現実化する可能性はある。つまり、りそなに続いてみずほなどに公的資金が注入され、いずれそれらが外資に売却されるという「噂」どおりのシナリオが展開されるということだ。
実際、2002年10月、金融相も兼任することになった竹中は、「みずほはシティバンクに買収させる」と発言して、一時大騒ぎになったこともあった。また、シティグループのインターナショナル部門の会長デリック・モーンは、アメリカの経済誌や日本の一部経済誌のインタビューで、毎回「今後5年間、ビジネス拡大の大半は米国外が舞台になる」と述べ、アジア地域でのシェアを「2〜3倍にしたい」と強調している。
◆日本をアメリカに売り渡し、それで「改革完了」
どうやら、小泉と竹中、そして日銀、財務省、金融庁らの日本サイドJapanese authoritiesは、もはやアメリカにノーという考え.はさらさらないようである。もう、自分たちだけでは日本経済は立て直せないと決めかかっているとしか思えない。あるいは、小泉は本人自身も「浅学非才」と言う以上、経済にはなんの興味ももっていないのかもしれない。
つまり・「ヤクザ・リセッション」のツケを国民にまわした後、アメリカの資本に日本を買ってもらう。つまり、日本の改革はアメリカに.「丸投げ」にして、少なくとも自分たちだけの安泰をはかるという、腐敗した発展途上国でしか見られない政策をとっているのである。小泉は持論を曲げない。
その1つ「郵貯民営化」は、銀行がこれほどダメになってしまった以上、日本国民に残されたたった1つのお金の預け先である。しかし、言葉を換えれば、郵貯というのは国営銀行であるから、銀行のほうを公的資金を入れて国有化し、郵貯を民営化するというのは、政策としては完全に矛盾している。公的資金を入れて国有化した銀行と、国営から民営化した銀行が存在する国を、あなたは想像できるだろうか?
郵貯もすでにボロボロであると言われている。郵貯、簡保、年金合わせて、約500兆円あるとされているが、これが本当にあるのかは、日本政府の一部の者しか知らない。そこで、一般的に言われているのが、「すでに200兆円は消えてしまっている」というものだ。これも、「ヤクザ・リセッション」のツケとして、財投資金として内需拡大にばらまかれてしまったからである。
そこで考えられるのが、そんな郵貯までも、最後は外資に売り渡してしまおうというシナリオだ。自分たちの失政を、これで隠し通せるのなら、彼らはなんでもしかねない。アメリカは、前記したグローバリゼーションとソーシャル・ダーウィニズムにもとづいて、資本主義をやろうとしているにすぎない。しかし、日本にはなんの政策もない。
この国には、経済学者と言われる人間はいっぱいいるが、きちんとした経済理論をうち立てた人間もいなければ、まして、政府の経済政策economicpolicyを方向づけるような学説を唱えた人間もいない。ただ、最近、気鋭のエコノミストのひとり、森永卓郎が「小泉改革というのは、アメリカに日本を売り渡すだけだ」と批判しているのが、目につくだけである。「小泉改革」のゴールが本当にそうなら、小泉が現在唱えている「2007年郵貯完全民営化」が、「改革完了」宣言となるのだろうか?
◆アメリカの属国という卑屈な発想
2003年8月10日、小泉首相は東京都内で開かれたタウンミーティングで、参加者から各国首脳の印象を問われ、まず、ブッシュ大統領George Herbert Walker Bush Jrについて、「(5月に渡米し大統領の牧場に招かれ10時間も話し込んだが、)人物評価にしても、こんなこと言っていいのかと思うくらい率直で
す」と述べ、さらに、信頼関係は「秘密厳守」によって築かれているので、会談の内容は話せないと付け加えた。
続いて、イギリスのブレア首相Tony Blairについては、「『ブッシュ大統領のプードル犬』と言われているが、私は大統領の前でシッポをちぎれるくらい振っている、と言われる。お互い批判する人はなんでも言うんですよ」と答えた。この答えに一部失笑ももれたが、それは、イラク戦争でブッシュを強力に支持した2人が、ともにかばい合っている姿が目に見えるかのようだからだろう。大量破壊兵器という大義名分がウソとバレてしまったから、この3人のリーダーの姿は哀れでもある。
たとえぱ、この3人を称して、こんなジョークもある。英語で、書くと「The Axis
of Liars」、訳して「ウソの枢軸」というわけだ。でも、これよりも日本で言われている「ワンワン同盟」という言い方のほうが、的を射ているかもしれない。しかし、まだブッシュは世界覇権国hegemonic stateのリーダーなのだからいいとして、小泉とブレアにいたっては笑いごとではすまない。
そこで、「日本はアメリカの属国だから仕方ない」という声が、一般の日本国民のなかからも、言論人のなかからも聞こえてくるようになった。この「属国」thbutary stateという概念conceptionは、歴史的にも政治的にもきわめて明確な概念なのに、日本ではついこの間までは誰も口にしなかったことだ。
つまり、ここにきて日本人はやっと自分たちの国の真実の姿に気 がつき、深いあきらめにも似た心境になっているのだろう。そして、「属国」と口にすることで、卑屈な気分に浸っているのである。しかし、私はそんな日本人に、「では世界のほかの国はどうなんだ? みなアメリカから属国扱いではないのか?」と、あらためて問いかけたいのである。じつを言うと、いまのイギリスは、アメリカから日本よりひどい吸いを受けているのだ。(P168−P175)
このベンジャミン・フルフォード氏の「ヤクザ・リセッション」は、外人ジャーナリストらしく非常に率直に書かれている。調べれば日本の雑誌にも書かれたかもしれないが、あまり表に出てこなかったことが克明に書かれている。日本のジャーナリストは小心者が多く、ヤクザなどに脅されると簡単に屈してしまう。B・フルフォード氏もヤクザに脅されたが屈してはいない。
新聞記者ぐらいになろうという人は、当然、取材対象から甘い罠や脅しなどもあると覚悟すべきなのですが、日本のメディアはすでに骨抜きにされてしまっている。日本の大手新聞やテレビなどは弱いもの虐めしかしない。様々な事件が起きているにもかかわらず、日本のマスコミは官庁や大銀行がからむととたんに沈黙してしまう。
ヤクザがからんだ事件も日本のメディアは逃げてしまう。泣き寝入りした被害者達は最後の手段として外国マスコミに最後の駆け込み寺として訴えてくる。私の「株式日記」にしても日本のマスコミが書かないから私が書いている記事も沢山ある。特に宗教団体やヤクザや秘密組織を題材にしたものは誰も触れようとしない。
特にB・フルフォード氏は「りそな」をはじめとした大手銀行の実態を遠慮なく書いている。別の機会に「株式日記」で紹介しようと思いますが、興味のある方は買って読んでください。日本人の書いたものは何故か生ぬるく切れ味に乏しいものが多い。特に有名ジャーナリストの書いたものは生ぬるいものが多い。
日本の政治家が恐れているのはCIAだけで、日本の与党の政治家は検察などは恐れてはいない。秘書給与疑惑にしても逮捕されたのは野党議員だけで与党議員は逮捕されないのは何故か。与党の自民党議員が槍玉にあげられるのはCIAが動いた時だけだ。鈴木宗男が逮捕されたのも共産党へ証拠文書が郵送されたからだ。もちろん郵送したのはCIAの工作員だ。
日本は政治家、官僚、大企業、ヤクザ、マスコミの五つの組織が手を組んで特権階級を形成している。この輪の中には一般市民は入れない。これでは日本に民主主義が定着するわけがない。政治家と完了の腐れ縁を断ち切るには政権の交代が必要だし、大企業とヤクザの腐れ縁も株主総会を機能させる必要がある。マスコミの腐敗もインターネットで告発していく必要があるのだろう。
マスコミ向けパフォーマンス政治が裏目に出た小泉
首相が自ら掘った墓穴の道路公団総裁解任劇
2003年10月18日 土曜日
◆<藤井総裁聴聞>したたか抵抗、あせる政府
藤井総裁の任期は来年4月15日。任期満了となれば、特段の理由を挙げることなく総裁を交代させることができる。このため、「小泉首相と石原さんは、功を焦って選挙向けの政治的パフォーマンスに走ってしまった。藤井総裁は既に『死に体』。国交省や国会への影響力を失ってしまっているから、任期まで放っておいても何の差し支えもなかった」(関係者)との見方もある。【若島正浩】
首相は17日夜、記者団に「石原大臣に対応、任せています」と従来通りの言葉を繰り返した。解任問題を「石原VS藤井」の構図に「わい小化」することで、衆院選への影響を最小限に抑えたいという思惑が見え隠れし始めた。【末次省三】(毎日新聞)
[10月18日3時21分更新]
◆「小泉内閣vs.藤井道路公団総裁」の泥沼 佐々木敏
●青木vs.藤井●
そもそも、なぜ03年10月5日に、石原は藤井と会見し、辞任を求めたのか……それはもちろん、翌6日の朝刊のトップに、5日に行われた、自由と合併した新生民主党の党大会の記事ではなく、「藤井辞任」の記事を載せたかったからだ。新生民主党は、合併によって政権交代可能な巨大野党になったため、マスコミの扱いは大きい。その党大会の日にぶつけて、「JH改革の悪玉」である藤井のクビを切れば、有権者の関心を民主党から奪い、小泉内閣が(民主党より)確実に改革を進めているという印象を与えられると読んだからにほかなるまい……と大手誌紙は言っている(『週刊文春』03年10月23日号p.28)。
が、民主党の党大会にぶつけるパフォーマンスが「クビ切り」しかない、というのは不思議な話だ。
そもそも、小泉と石原は、藤井を更迭したあと、だれを後継総裁にするつもりなのか?
もし、それが内定しているのなら、さっさと藤井のクビなど9月中に切ればいい。たとえ藤井が辞表を出さずとも、後継総裁を、それこそ10月5日にマスコミに「お披露目」すれば、石原は「(新生民主党はマニフェストで、高速道路無料化などと暴論を言っているが)小泉内閣はりっぱな人を総裁に据えて着実にJH民営化を進めます」とアピールできる。その人事構想に国民世論の支持が集まれば、藤井はゴネても勝ち目はなく、結局早晩辞任に追い込まれるはずだ。
いったいだれが次期総裁なのか?
JHと並んで小泉が「民営化する」と公約している郵政公社の総裁には、小泉は03年4月、商船三井会長の生田正治を就任させた。「民営化」とは公営企業を民間企業に変えることだから、民間企業経営のベテラン、つまり財界人に舵取りを任せないとJHの民営化もうまく行くまい。
そこで財界の重鎮、日本経団連の奥田碩会長(トヨタ自動車会長)には、03年10月6日の定例記者会見の席で、後任人事についての質問が相次いだ。が、奥田は現段階で政府から相談を受けていないことを明らかににしたうえで、今後相談があれば協力するか、という記者の問いに答えて「ない」と断言した(産経新聞03年10月7日付朝刊3面)。
ただ、協力しない、だけではない。
奥田はこの席で「(後継)総裁はものごとを公平に判断し、数字に強く、指導性を持った人がふさわしい」ので「(鉄、セメント、自動車など道路に関連する企業の出身者は)できたらはずしたほうがいい」とまで言い、某有力候補を念頭に置いて総裁就任を「妨害」する趣旨の発言までしているのだ(朝日新聞Web版03年10月6日)。
10月5日の石原との会見でも藤井が述べたことだが、藤井は、扇国交相在任中の03年8月に、諸井虔・太平洋セメント相談役を本部長とする改革本部を設け、藤井なりの改革をするつもりで「新日鉄や富士通総研など約10名の方々に改革への協力を頂いている」(『週刊文春』03年10月23日号p.29)。上記の奥田の、わざわざ「鉄」「セメント」と列挙した発言は、新日鉄関係者や諸井が次期総裁に就任することはない、という財界の意思表示にほかなるまい。
となると、たとえ藤井の解任が成立しても、次期総裁には財界人ではなく、官僚が就任する可能性が高い。
新総裁が民間人の場合は、解任劇の泥沼化は致命傷だ。政府は04年1月からの通常国会にJH民営化法案を提出する予定だが、総裁は、JHの組織分割や債務償還などの問題を通常国会開会前によく勉強しておく必要がある。そうでないと、とても法案は国会審議に耐えられない。が、11月の総選挙が終わると新総裁は国会(総選挙後に首相を選び直す特別国会。予算を審議する通常国会とは別)への対応に追われて「勉強の時間がほとんどとれない」というのが国交省幹部の見方だ(産経新聞03年10月7日付朝刊3面)。
しかし、新総裁が国交省(の前身の建設省)の官僚(OB)なら話は別だ。彼らはいまさら資料を読んで勉強などしなくても、元々「公団を形式上民営化しても、事実上公的資金を投入して無駄な道路を造り続けるための、国会対応のごまかし方」などを知り尽くしているので、問題ない。
その官僚とはだれなのか?
実はもうわかっている。元建設省事務次官の小野邦久・不動産適正取引推進機構理事長だ。
彼は、道路族の超大物、故・竹下登元首相に寵愛され、竹下亡きあとその権力基盤(と道路利権)、すなわち小野と政界との人脈は青木幹雄・自民党参院幹事長(2人とも選挙区は島根県)に相続された(『週刊文春』03年10月23日号p.31)。
青木が03年9月の自民党総裁選で小泉再選を強く支持したことは周知の事実だ。つまり総裁再選後の小泉が、急に藤井をクビにすると言い出したのは、青木のせいなのだ。
小泉は(表面上は)JHに民間経営のセンスを入れてその経営を立て直すために藤井の更迭を望んだが、青木は民営化されたあとのJHを自分の利権の金城湯池にするために(自分と親しい小野を総裁にするために)折り合いの悪い藤井を更迭したかったのだ。
【82年に火災で焼失したホテルニュージャパンの跡地は90年代半ばには、バブルの崩壊で所有者の千代田生命にとって最大の不良債権になっていた。竹下は、自身の有力後援者である当時の神崎安太郎・千代田生命社長に泣きつかれ、跡地を建設省傘下の財団法人・民間都市開発推進機構に高値で買わせたうえで、在日韓国人フィクサー許永中らのアジア系資本に転売し高層ビルを建てさせて跡地の(実質的な)資産価値を補填する、という計画を立てた(おそらく、田原が『サンデープロジェクト』で言及した暴力団関係者とは、イトマン事件の特別背任で有罪になった、許永中被告に違いない。毎日新聞Web版01年3月29日を参照)。 が、建設事務次官時代の藤井は「民都機構を一企業のために使うな」とこれを潰した。建設省には技官系と文官系の2つの派閥の対立があり、竹下(青木)が寵愛してきたのは文官系だが、藤井は技官出身だった(『週刊ポスト』00年11月24日号)。】
●小泉vs.財界●
ただ、官僚の藤井には民営化はできない、ということで更迭しておきながら、その後任も(民間人でなく)官僚(OB)、というのでは筋が通らない。だから、小泉は総選挙の投票日(03年11月9日)までは、石原を善玉、藤井を悪玉と印象付ける茶番劇で有権者を欺き、投票日のあとに「小野新総裁」を発表する算段だろう。
小泉は当初は民間人の後継総裁候補を探しただろうが、財界が(構造改革に反対する青木ら「抵抗勢力」の支持がないと権力を維持できない小泉の足元を見透かして)人材提供を渋ったので、仕方なく官僚OBの新総裁を容認したに相違ない。
しかし、これで財界が小泉を支持していないことがはっきりした。奥田らは、かけ声ばかりで実施的な改革をまったく進められない小泉の政権など潰れてもいいと思っているのだ。だから、選挙前に小泉が「魅力的な民間人の次期総裁を紹介して、有権者に改革の進展を印象付ける」機会を、財界は奪ったのだ(総裁が民間人なら小野は副総裁になる、という妥協案もあったが、それもほぼ不可能となった。『週刊文春』03年10月23日号p.31)。
藤井が、あっさり辞任していれば受け取れたはずの退職金2600万円を解任によって失う危険を冒してまで、辞任を拒んだ理由は2つ考えられる。1つは、藤井が小泉のJH改革を、改革とは名ばかりの、青木に利権を与えるためのごまかしと見抜き、旧建設省時代から大嫌いな青木のために自分が犠牲になるのはイヤだと反発したこと。もう1つは、財界が、退職後の就職先と引き替えに、藤井を「小泉潰し」に協力させた可能性だ。
●民主党vs.青木●
これで、次期総選挙における民主党の攻め手は決まった。
まず、小泉の口から、次期JH総裁候補の名を言わせることだ。官僚(OB)の名が出れば、その瞬間に小泉のJH改革が茶番であることがはっきりする。
次に、青木と許永中のスキャンダルを暴くことだ。暴力団がらみの暗い疑惑報道が選挙前に沸騰すれば、自民党は惨敗する。すでに岡田克也・民主党幹事長は「(藤井が5日の石原との会見で不正を行った政治家を指摘したが)そのなかに小泉首相が自民党総裁選でお世話になった人も含まれているかもしれない」と、明らかに青木を念頭に置いた発言をしている(時事通信Web版03年10月15日)。
10月17日の聴聞で藤井が青木の名前を、それ以降の報道でマスコミが許永中の名前を出すのを、筆者は楽しみに待っている。
(^^;)
(私のコメント)
小泉首相は国会や街頭演説では「構造改革」を連呼していますが、実際は何もやっていない。国民が求める景気対策には放置しているのに、構造改革にもなんらの成果も上がっていないということで、小泉首相は道路公団の藤井総裁の首を切るパフォーマンスに出た。しかし玉がわるかった。二代目政治家の石原のぶてる大臣ではボンボンでは切った張ったの芸当が出来る玉ではない。
同じことは安倍晋三新幹事長にも言えることで、自民党の72歳定年制ということで、中曽根元総理や宮沢元総理の引退を迫れるか見ていますが、やはり安倍幹事長では無理だろう。もし切れれば自民党のニューリーダーとして実力を認めてもいいが、三代目のボンボンにそれが出来るだろうか。小泉首相自身三代目のボンボン首相だ。
小泉首相は自民党の延命装置に過ぎない。自民党の議員達は選挙に勝つために顔のいい小泉氏や安倍氏のポスターを作って町のあちこちに張っている。それだけでも女性票は確実に稼げるのだろう。女性の半数近い専業主婦たちは実際の経済実態を知ることがほとんど無いが、ご主人がリストラされて始めてその実態がわかるようになる。しかしそのような人はまだごく一部だ。
藤井総裁の解任劇は意外と根が深い問題のようだ。石原のぶてる大臣が簡単に官僚の首が切れないのは、政治家と官僚とが一体化してしまってもたれあっているからだ。これを断ち切るにはいったんは民主党に政権を渡すことで、与党の政治家と官僚との癒着を断ち切ることだ。自民党内で出来るという小泉首相の主張は無理なのだ。
もし細川内閣があと半年続いていたら自民党は崩壊していただろう。しかし野中広務の働きで社会党の村山委員長を担ぎ出して与党の奪還を果たし自民党は延命した。森内閣で再び自民党の危機が訪れた時、再び自民党の実力者達は小泉首相を担ぎ出して自民党の延命を図っているがそろそろ限界だろう。
日本の失われた10年はこのような自民党の悪足掻きが招いたものといえるだろう。それ以前は政治は日本の優秀な官僚に丸投げして、政治家達は自民党内の勢力争いと利権の獲得に官僚と共に築いていればよかった。官僚の天下りがなくせないのもその妥協の産物である。日本経済が順調でアメリカに追いついたまではいいけれど、そこから先の戦略については官僚の能力の限界を露呈してしまった。
日本が憲法を改正し、国防を整え、日本の自主独立が出来ていれば、アメリカの理不尽な要求に屈することなく、日本の発展が順調に行われていただろう。しかし自民党政府はアメリカに国防と外交を丸投げし、アメリカのATMとなることを選んでしまった。今日も小泉首相がアメリカのブッシュ大統領に15億ドルのイラク支援援助を決めてしまった。それだけの金があれば有人宇宙ロケットが打ち上げられる予算額だ。
藤井氏側が徹底抗戦 解任は懲戒処分の乱用
議員は国民の代表だから官僚の反抗は許されない
2003年10月17日 金曜日
◆藤井氏側が徹底抗戦 解任は懲戒処分の乱用
日本道路公団の藤井治芳(はるほ)総裁の解任に向けた「聴聞」の審理が17日午前、東京都港区の中央官庁合同会議所で始まった。藤井総裁側の代理人は「解任は政治的理由で懲戒処分の乱用だ」と国交省側を厳しく批判。準備期間が短すぎるとしたほか「(役員の解任を定めた)日本道路公団法13条の解任の基準を示さないと本質的審理に入れない」など主張、徹底抗戦の姿勢を示した。
国土交通省は藤井総裁の解任理由を「公団総裁として十分な資質がない」と説明した。
藤井総裁側は解任が決定した場合でも、解任の執行停止や処分取り消し訴訟、石原伸晃国交相に対する名誉棄損の損害賠償訴訟を起こす方針で、法廷闘争も既に視野に入れている。(共同通信)
[10月17日12時51分更新]
◆「処分の基準は」「懲戒処分か」…藤井総裁側
聴聞の主なやりとりは次の通り。
山本繁太郎政策統括官 本人確認します。氏名、藤井治芳さん。生年月日昭和11年10月1日。間違いありませんか。
藤井治芳総裁(うなずく)
山本 処分理由を行政庁から説明していただきます。
小長井良浩弁護士 最高裁の判例について述べたい。
山本 審理の中でご発言下さい。
小長井 最高裁の判例を……
山本 その場でご発言下さい。藤井さんが意見を言うための権利を行使するためです。
小長井 余裕期間のない通達に……
山本 主宰者の進め方に従ってください。審理に入ります。行政庁の職員から不利益処分の内容、根拠となる法令の条項の説明をさせます。
小長井 抗議します。
山本 やめて下さい。
原田保夫・国交省道路局総務課長 本年5月中旬に、日本道路公団が債務超過との財務諸表についての報道がなされ、事実関係について国会質問があった。藤井総裁は速やかに事実関係を正確に調査、把握し、説明する等の適切な対応を取るべきところ、これを怠り、8月までそのデータの存在を確認できなかった。
また、国会の答弁内容がその都度変遷するなど、国権の最高機関である国会を軽視し、不誠実な対応と受け取られてもやむを得ない事態を招いた。財務諸表を巡る一連の対応は公団に対する国民の信頼を損ねた。
4月16日、尚友会館で開催されたとされる会合を巡る報道等に関しても、国会の質問に藤井総裁は不確実な答弁を繰り返した。自己の居場所を秘書以外に知らせず、不自然な組織運営を行った。
以上の事実を総合的に判断すれば、一連の対応は国民の信頼を著しく損ね、運営に重大な支障をもたらすものと言わざるをえない。
よって藤井総裁は、高速道路の諸制度を抜本的に改革する重要な時期を迎えているなかで、適性を欠いており、日本道路公団法第13条第2項に規定する「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当すると認められる。
小長井 審理に協力するが明確な最高裁判例の違反として最初に申し上げる。
山本 当方が届け出た期日は、7日に通知して17日に開催することを通知した。期日までには相当の期間がある。
小長井 相当な期間という最高裁判例に違反している。
山本 繰り返しはやめていただきたい。
小長井 準備期間が足りなかった。私どもにも防御の機会を与えてほしい。
山本 行政手続法に定める相当の期間で通知した。
小長井 本日は、処分理由が不明確で、防御のしようがないという点に絞って質問事項を申し上げたい。後日質問や求釈明書を提出する。
山本 質問があれば聴聞の場で質問してください。
小長井 人権にかかわる手続きであり、冷静に進めてください。報じられているところによると、石原大臣は何がなんでも聴聞を今日中に終わらせ、20日には解任処分すると繰り返している。そういう問答無用に処分されることはないと思うが、大臣発言に拘束されるものではないですね。
山本 行政手続法が定めるところで的確に運用する。
小長井 全体の処分理由として、退職手当や恩給法の適用はどうなるか。
山本 処分理由に外れていませんか。
小長井 外れていない。すべてに関連する。どういう基準で処分になるのか。
山本 行政庁は的確に説明したと主宰者は考える。
小長井 分限処分か懲戒処分か。国家公務員法は明確に書き分けている。
山本 行政庁は公団法に基づく処分と説明している。
小長井 1項、2項などとある。懲戒か分限かを明らかにしなくてはいけない。
山本 行政庁は的確に答えていると思う。
小長井 処分の性質を答えてもらわないと進まない。
内野経一郎弁護士 分限処分、懲戒処分については答えていない。はっきりしていただけないと、聴聞手続きを受ける被聴聞人は納得できない。
山本 13条の2項に書いてある基準をもって処分すると説明している。
小長井 処分の性格を聞いている。
原田 日本道路公団法13条第2項に基づく処分。具体的な処分の基準は先ほど申し上げた通りだ。
小長井 法律に書いてあるというだけでは話にならない。答えないなら、休憩して協議してください。
山本 行政庁は答えを尽くしている。
小長井 処分の基準がはっきりしないから、これから先の質問に答えられない。今日終わらせようと言っているように見える。行政手続法の趣旨にのっとってというようには見えない。不自然に聞こえる。分限と懲戒は全然違うので、どっちの手続きか聞いている。
山本 行政手続き上、どう違うと当事者は考えるのか。
小長井 その処分がどういう手続きか、分限か懲戒か、13条の関係で答えないといけない。
山本 13条に基づく手続きと行政庁は言っている。手続きが違うとは、私どもは理解していない。
小長井 分限か懲戒かを答えていただければ、すぐ先に進められる。見聞するところでは、2600万の退職金が出ないという報道がある。これは国交省の見解と思うが、退職金が出ないとなると懲戒処分だ。
処分の性格を答えられないなら、休憩するなり次の期日で明らかにするなりしてほしい。
山本 改めて公団法13条2項の解任する理由を行政庁から説明する。
原田 総裁としての適格性を欠いている。「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当する。
小長井 2600万円の退職金を得られない処分で間違いないか。
山本 退職金は本件には関係ない。本件処分は公団法13条2項で、非常に高度な総裁という職を解任する規定がある。国家公務員法の概念をそのまま持ってきて、分限か懲戒かと端的に言うのは難しい。
小長井 その点をはっきりさせて先に進みましょう。
山本 準公務員というが、国家公務員法の概念をそのまま分限か懲戒かと整理するのは難しい。13条2項の基準で処分すると申し上げている。それで明解だ。
小長井 公団法に基づく解任は懲戒か懲戒でないのか。
山本 さっき言ったように、国家公務員法の概念をそっくり持ってくるのは難しい。
小長井 分かりやすくしようと思っている。神学論争をする気はない。
山本 法で定められた総裁について、13条2項で解任理由を定めている。そのどの部分に該当するかということで、質問には十分答えている。(読売新聞)
[10月17日13時36分更新]
◆467 :闇の声 :03/10/08 19:24 ID:tw3rA/H8 2ちゃんねる
自分は無学で、法律のことは判らないけれど
作る人、施行する人、その元で統治される人・・・この三つが同じであればあるほど
優れた法体系なのかなと思う
実際に、法律の是非は政治の場で問われるべきだとは思うが、政治家の能力とそれを選ぶ
選良の知識や判断力、責任制がいずれも不足しているためにそれぞれの分野の専門家(この場合は
手続きに長じている専門家)が連携せずに権利を主張しているのだと思う
それ故、法理論解釈をしていくとどんどん袋小路に入り込んで結局末節の議論になってしまうし
専門性が高くなって、一般有権者は付いていけなくなる
この種の議論は、大いにするべきと思うし同時に判りやすく考えさせる機会をどうやって作り
選良の判断に任せるのかが政治家の重要な仕事と思うが・・・
官僚と話しをして感じるのは、線引きの巧さだ
それは、自分の責任範囲をまず確定させて如何に自分に責任問題が降りかからないようにするか
実行する前に、実行することの損得勘定をしっかりした上で出来るだけ他人に仕事をさせようとする
民営化によって利権を失うことももちろん困るのだが、民営化で自分達の時よりも成果が上がってしまうことを
もっと恐れる
有能な人物は、自分がすればここまで出来ると判断した上で全力では仕事をしないで
何かあった時の逃げ場を拵えておく
常に、周囲と同じだけ仕事をして突出しないで、かといって特別に劣ることも避けて
できる限り責任の所在を不明確にする
そこには、国家とか国民という感覚は存在しない
仕事に対する責任・・・それを被るのか、被らないのか
それだけが存在する・・・だから、有能で仕事をしない人材が一番好ましいことになる
黒幕・・・
蔭で操っている黒幕と言う言い方よりも、こう考えてはどうなのだろうか
誰も責任を取らない、日本というシステムがあって、皆それぞれの利権を主張している
その利権に、すり寄る形で闇組織が存在する
闇組織の仕事は、情報収集と人の嫌がることをすること
役人達は、そんな日本というシステムを良く知っているから自分達の責任範囲を先に決めてしまう
政治家は、役人達に良いように踊らされて、舞い上がって自分を見失うか、最初から役人に飴をしゃぶらせて
手懐ける事を覚える
役人にとって、人の裏側を知るのは自分の身を危うくする事だから敢えて知ろうとしない
建前だけで済むように、日頃から闇組織と政治家とを使い分ける
結果、責任範囲は限られるから全体を見て仕事をすることなんか最初から不可能になる
御影石の如く、様々な人間がモザイク状に権力と利権を主張しているのが日本というシステムだよ
小泉の構造改革とは、そんな権力構造を情報操作と世論誘導で自分だけに集中させようと言う内容だ
良く聞いていると、役人の権力を削ぐと脅しながら実は自分の権力を伸張させている
民衆のことなんか、何も考えてはいないのだ
>>541
政治家は、余程のことが無い限り色々な人脈を切ってしまうことはない
合併の、手段として公明党がいないことは良かったのであり、政権維持のために
公明党が必要であればいつでも話しをするだろう
聞いた話だけれども、細川内閣の頃に公明党の議員は閣議や議院運営委員会で話し合っても
党本部に帰り創価学会の意向を聞くと意見が変わってしまうことが良くあったという
権力の二重構造を嫌ったのであり、合併が成立してから党と党の話し合いであれば
これは全く別次元だ
まだまだ民主党内部の力関係はモザイク状であるから、党の外側で権力を振るう人間がいては
困る・・・それを言いたかったのだろうね
それは、議員でもないのに国政を動かすことを是としない小沢の考え方の表明であり
石原都知事や竹中に対する牽制でもある(創価は勿論だが)
>>542
暴露はしないだろうが、石原は相当やっつけられる
理由は、前にも書いたけれども実務能力の無さと知識の貧弱さ加減であるし
人事権の濫用という一番組織を乱すことを平気でやる大臣に対する、官僚の反撃だからだ
猪瀬や石原と言ったメディアに乗った人間に対する官僚の反撃でもある
暴露しない理由は、その方が小泉政権にとっては、選挙にとっては痛手だからだ
結局、改革派まるで嘘だと言う事になるし、青木達と裏で手を結んで利権保持に勉めていると
メディアが書けば小泉政権は支持率が急降下する
人任せにして、オペラだ何だと遊んでいたつけを一挙に払わされるんだろうね
(私のコメント)
一連の騒動を見ていて感ずるのは官僚たちの、法律というジャングルに逃げ込む巧みさと、その罠にはまり込む政治家の愚かさだ。官僚たちは行政と司法の二つの権限を握り、立法も何も分からぬ政治家達を操って都合のいい法律ばかり作ってゆく。その限りにおいては政治家と官僚は上手く行く。
しかし政治家は国民の審判を仰ぐ立場から、世論の突き上げがあれば官僚たちの意向に反する行動を取らなければならない。だから官僚たちの立場から見れば、いかに国民世論をおとなしくさせるかに頭を使うことになる。一番いいやり方は記者クラブ制度でマスコミをコントロールすることだ。だから今のテレビや新聞を見ればばかばかしいどうでもいいニュースばかり報道するようになる。
石原のぶてる大臣は聴聞会にテレビを入れてもいいといっているにもかかわらず、国土交通省の意向で記者クラブのみの公開となった。問題となったイニシャルの政治家の名前はもちろん公開されない。藤井総裁と石原のぶてる大臣だけが知っているが、どちらも公開はしないだろう。石原のぶてる大臣の軽薄さと口の軽さは大臣として失格だ。根回しの重要さも認識していない。
いくら法律で権限を強化しても、結局はその権限を使いこなせなければ、大臣の地位はいつまでも官僚の飾り物にしかならない。田中真紀子外務大臣がいくら次官の首を切ろうとしても法律のバリアーが官僚を守り、結局は官僚たちの逆襲で辞職に追い込まれた。官僚を使いこなせない政治家は大臣になっても何も出来ない証明だ。
マスコミがいくら田中真紀子大臣や石原のぶてる大臣を応援したところで、国民的人気だけで大臣が務まるわけではない。小泉首相は最初からそのことが分かっているから、構造改革とはいっても、財務省官僚たちに政策は丸投げしている。郵政の民営化は財務官僚の意向に乗っているだけで、首相自身も官僚の使い走りに過ぎない。
30年以上も同じ業務をやっている官僚と、選挙活動に追われる政治家とが同じ知識が持てるわけが無いのだから、官僚全てを敵に回せばたちまち政治家は立ち往生してしまう。だから政治家は上手く官僚達を分断して味方になる官僚組織を作ることだ。官僚達も出世競争があるから若手をどんどん抜擢して、言うことを聞かないベテラン官僚を窓際へ追いやればいい。そのためには長い間大臣を務めなければなりませんが、小泉内閣もずいぶん大臣が入れ替わりました。
総理大臣自体が1年足らずに代わって来たから仕方がないのですが、このように首相や大臣がクルクル代わるのは、政治家達が自分の首を絞めていることになる。実力のある人物でなければ首相になれないというシステムを作るべきであり、今回の総選挙のような政権を選ぶ選挙が続くようになれば、いい加減な党首は選べなくなるから期待が持てます。
打つ手を失った米国、ドル基軸通貨時代の終焉
アメリカ政府のATMとなった日銀は日本を滅ぼす
2003年10月16日 木曜日
■5.財務省が米国債を買う仕組み
▼米国へ資金を流す機関になった日銀
日銀は、
・国内の金融機関と政府に資金供給するだけではなく、
・米国に、年13兆円規模の資金を供給する機関になっています。 貿易黒字で稼ぐ外貨の約2倍を、米国へ流すメカニズムは以下です。
(1)日本の財務省が「外国為替資金証券(為券)」と呼ばれる短期国債を発行する。
(2)日銀がその短期国債を買う。つまり円を財務省に供給する。
(3)財務省は日銀から借りた円で、米国債を買って、米国債の下落と、米国の金利上昇を押さえる。
簡単に言えば、2002年以降、西欧が売っている米ドルを買い支え るため、
・日本の財務省が米国債を買う。
・その資金は、日銀が供給する。
資金は<日銀→日本の財務省→米国の財務省>と流れます。
■6.その代わり、日本の財務省の外為会計は膨らむ
財務省は、政府財政の赤字から500兆円弱の国債を発行しています。 そのうち、日銀は90兆円をもっています。
▼為券の発行を90兆円まで拡大の意図
一方で、財務省が発行する「為券」は米国債を買い支る資金を、日銀 から引き出すためのものです。
財務省は、今年は、1ヶ月1兆円の以上(年13兆円)ペースで米国 債を買っています。為券をつかった借入残高は、70兆円です。
為券枠は、98年の40兆円から03年は79兆円へ増加。 39兆円も増えています。年8兆円の増加ペースです。
為券の今の発行枠は79兆円です。9兆円の枠しか残っていない。 そのために、来年の04年は、為券の発行枠を90兆円にするという ことが、10月2日の発表です。 民間企業が稼ぐ貿易黒字(年間6兆円規模)以上のものを、米国財務 省に与え続けることを示しています。 最新データでは、(日銀ではなく)財務省がもつ外貨準備高は以下で す。03年9月の1ヶ月だけで、5兆円も増加しています。激しいド ル買いがあったのです。
▼財務省が管理する外貨準備の総額(03年9月末)
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証券 $4672億(51兆円:ほとんど米国債)
預金 $1170億(13兆円)
IMF預け $ 86億( 1兆円)
SDR(特別引出権)$ 26億(0.3兆円)
ゴールド $ 95億( 1兆円)
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合計 $6049億(66兆円)
この外貨準備は、日本企業が年間の貿易で稼ぐ貿易黒字約6兆円余の 、10年分に相当します。
以上を全部まとめれば、日銀の国民への負債(日銀の総資産:03年 10月で134兆円)を、どんどん膨らませ、
その膨らんだ分で、
・日本国債と、
・米国債を買っているということです。
世界の金融市場は、これを前提に成立しています。 西欧は、米国の財務省の言いなりにはならない。米国債を買うときは、 自発的な意志で、利益の機会を求めた投資です。 日本政府が、米国債を買うときは、投資ではなく、
・政策的な円高の防止か、
・米国の要請によるものです。
ここに、経済の自然への反抗があります。自然に抵抗すれば、自然は 、歪みが溜まった極点で反乱を起こします。それが経済法則です。経
済の法則は、短期では、政府の制度と法で修正できます。しかし長期 では、法則が支配します。
■7.当たらぬことを望む予測
現在の状況で、ほぼ確定している事項を並べます。
(1)日本政府は年40兆円、またはそれ以上の国債を発行し続ける。
(2)米国政府は年60兆円、またはそれ以上の国債を発行し続ける。
(3)日銀は、債券市場介入で日本国債を買い続ける。
(4)財務省は、外為会計で米国債を買い続ける。
以上が、いずれも、悪貨である円+ドルの通貨での日米同盟でしょう。 悪貨とは、巨額財政赤字の国が発行する、通貨を言います。通貨の
発行権は、近代国家では、国家が独占します。 以下は予測です。
(1)中東では、米英のイラク戦略の失敗が明らかになりつつある。ブッシュ大統領は、再選が不可能になる。イスラエル+ネオコンのアラブ戦略は破綻する。これは、米英のアラブ戦略の全面破綻です。
(2)アラブで手を汚さなかったユーローは、次第に中国を含むユーラシアへ通貨圏を伸ばす。
米国のアラブ戦略は、無謀です。
▼バランスの崩れ
そうすると、以下のような構造に変わる可能性が大きくなる。
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[円+$の通貨連合]←[対抗]→[ユーロー連合軍]
↑ ↑ ↑
[人民元の動き+インド+サウジアラビア]
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中国は1人当たりの経済規模は小さい。しかし購買力平価では、GDPは日本を超え世界第2位です。人民元が切り上げられれば、人民元
の購買パワーは増加します。 人民元を切り上げるのは、ドルペッグ(=中国政府のドル国債買い)
をやめさせ、中国を通貨面で野に放つことです。人民元切り上げの要求は、ドルの弱さを引き出すことになる。
対円のように、中国元を米国がコントロールすることはできません。
中国政府の米国追随は、国民が許さない。 通貨の面での<世界のGDP1位米国+2位日本+中国>が続けば、 ドル基軸が維持されます。 しかし、【世界のGDP1位の米国+2位日本】と、【米国のGDP を超えるユーロー連合+購買力平価で日本のGDPを上回る中国+急 速な経済成長のインド+サウジアラビア等】の、通貨面での対抗が明 白になれば、世界は、様相を一変させます。
【ユーラシアのユーロー】←→【日米のドル】です。
そのとき、米ドルの基軸通貨体制、つまり冷戦後の、通貨でのパック ス・アメリカーナが終わります。
▼想定したくない事態
ドル基軸体制の終焉(しゅうえん)を、無事に済ませることはできま せん。
日米の国債価格下落、金利の上昇、円とドルの通貨信用の下落が起こ る。これは、日米の財政の、同時破綻です。米ドルと円は、同時下落。
米ドルを多額にもつ日本は、特に大きな損失を蒙る。 政府財政の破綻(はたん)とは、どんなことか?
政府が発行する国債が売れなくなる。日米の政府は、予算が組めなく なる。公務員給与も遅配されます。国債価格は暴落し、金融機関は破 綻。生保はもちろん、国債を多くもつ年金財政は、ほぼすべてを失う。 金利は高騰する。政府は、預金を封鎖する。 そして・・・通貨が切り換えられる。 これは、法で金融を牛耳る事態です。
預金封鎖とは、銀行からの引出可能額に、上限がつくことです。日米 の国債増発に歯止めがかからない限り、遠からず必然的にこうなりま
す。 日米とも、大増税という手段は、採ることが困難です。増税か、財政 破綻か、その最終選択をせまられるのは、1年後の2004年末か2
005年中でしょうか。時期の見極めが、問題です。
その前に、一日も早く、米国が無謀な軍事から経済に戻ることを望み ます。今は、軍事で経済の解決はできない。軍事は、国債を増発させ、 国家の通貨信用を落とすだけです。 賠償金も領土も産物も、略奪はできないからです。軍事の見返りは、 最終的にはない。 1979年からのアフガン侵略の失敗が、ソ連の崩壊を促進したよう に、米国のアラブ戦略の(確定的な)失敗は、米国への信任を地に落 とします。米国の良心が、これに気がつくことを、期待します。
アメリカのドル基軸体制の崩壊はイラク侵攻によって、かえって速められることになるだろう。アメリカの一極支配体制は幻想であり、ソ連の崩壊によってアメリカが残りましたが、兄弟国家ソ連の崩壊は、必然的にアメリカの崩壊を予言している。どちらも軍事力が異常に強大化して、それを支える経済力が弱まってしまった。
アメリカ経済が衰弱化するにしたがって、日本政府・日銀は一人でドルを買い支えしている。その総額は今年に入って11兆円にも及んでいる。日本の年間黒字が6兆円ほどだから、6兆円を超える分は対日赤字以外の国際収支の赤字を埋めていることになる。それはどこか、ユーロである。オイルマネーもアメリカから逃げ出している。
日米のドル基軸通貨体制は、アメリカのイラク戦争泥沼化でいずれは紙切れになってしまうのだろう。政府・日銀はすでにアメリカの巻き添えでアメリカの経済破綻に運命を共にすると決めたようだ。小泉首相と福井日銀総裁はアメリカに言われるままにドルを買い支えた。理論的にいえば年間黒字分の6兆円だけ還流すれば済むはずだ。
5月のりそな銀行への2兆円の公的資金投入は、日本の金融政策の転機になるのだろうか。もしアメリカが(日本ではない)りそなを潰した場合、株を持ち合っている生保などへ危機が飛び火して日本経済はクラッシュするところだった。日本経済がクラッシュしたらドルを買い支えることが出来なくなり、ドルも暴落する。
アメリカのハゲタカ資本から見れば日本経済がクラッシュしてくれたほうがいいのだが、そうなるとアメリカもドルが暴落して株も暴落する。アメリカは思わぬイラク戦争の泥沼化で足を取られてハゲタカ達の計算が狂ったことがわかり始めた。そしてユーロの正体がだんだんと明らかになってきている。
イラク戦争はドル基軸体制の崩壊の引き金になるのだろう。9.11テロ事件はそのための壮大なロスチャイルドの陰謀なのだ。その仕組みはあまりにも複雑多枝にわたって説明がつかない。ネオコンは要するにアメリカを崩壊させるためのトロイの木馬なのだ。ドイツやフランスはイラク攻撃に反対し、アメリカのイラク復興資金の負担は無い。その分は日本にしわ寄せされてくる。
結果的に日米のドル基軸通貨体制は崩壊し、無傷のユーロが世界の基軸通貨になるのだろう。アメリカ政府はドル高がいいのか、ドル安がいいのか意見が割れている。日本や中国のドル買いを止めさせればドルは暴落する。ドルが暴落すると株も暴落する。それは困るからブッシュはドル高がいいという。完全にアメリカは精神分裂症である。
このまま行けば日本もアメリカも国家予算が組めなくなる。日本はまだ経済基盤があるから救われるが、アメリカにはもはや経済基盤が無い。テレビや冷蔵庫すらアメリカでは作ることは出来なくなっている。グローバル化が進みすぎてドル基軸金融体制が崩壊すればアメリカ経済は目も当てられない状態になる。
小泉首相はブッシュにイラク戦争を止めるように進言すべきだ。後始末は国連に任せるべきだろう。ネオコンも全員クビにして経済再建を優先すべきだ。小泉首相がそれが出来ないのなら、今回の総選挙で自民党は負けて首相は代わるべきだ。
<有人宇宙船>中国が「神舟5号」打ち上げに成功
謝罪の名目で中国にむしり取られる国民の血税
2003年10月15日 水曜日
◆<有人宇宙船>中国が「神舟5号」打ち上げに成功
新華社電によると、中国は15日午前9時(日本時間同10時)、国内初の有人宇宙船「神舟(しんしゅう)5号」を中国西部の甘粛省酒泉市郊外にある酒泉衛星発射センターから打ち上げることに成功した。ロシア(旧ソ連)と米国に続くもので、世界で3番目、アジア初の有人宇宙船打ち上げ国になった。(毎日新聞)
[10月15日11時5分更新]
◆6兆円という途方も無い金額。 uraホームページ
6兆円という途方も無い金額。これは1979年から今まで日本が、あの中国にたいしておこなって来た経済援助の総合計金額です。今年の日本の一般会計予算は82兆6524億円ですが、債務が何と666兆円だそうで、世界一の借金国です。それなのに今年のODA(政府開発援助)は1兆152億円も計上されているそうです。日本から中国は3000億円以上もの経済援助を受けながら、中国はベトナム、カンボジア、東ティモールなどに600億円の援助を提供して、これらの国々には援助大国を演じ、日本を仮想敵国に仕立てています。
2年前には大きな北京国際空港の新ターミナルを1200億円で完成させたが、そのうち300億円は日本の援助資金です。北京の地下鉄の代金900億円のうち200億えんが日本のODAです。それなのに中国政府は日本に何の連絡もなしにこのふたつの事業を外国で証券化して売り出すという恥知らずな事をやり、日本政府が抗議すると内政干渉だと逆に抗議する面の皮の厚さである。
中国のたちの悪さは、日本からの年間3000億円の巨額の援助を一般の人たちにはまったく知らさない事である。それでいて、日本の戦争責任に国民を煽り立ててさらなる経済援助をとろうとする事である。日本からの経済援助は連中にいわせると「経済合作」であり、たがいの経済協力であるとしている。どこが経済協力だといいたいです。そのくせ、中国からの発展途上国への援助は「援助」と表現するそうである。
何と我田引水、自分勝手な恥知らずな政府でしょう。
中国政府にとって、日本人を永久に謝罪し続けなかればならないという心理状態に置く事は、日本から絶えず援助を引き出させるうえでも、自虐的教科書は必要である。だから、あんなに日本の歴史教科書にうるさく内政干渉をするのです。
そのような国益に反する事に、本多勝一のような似非ジャーナリストはもちろん、一部大手新聞社が協力的なのは残念な事です。
前にも書いたが、日本の大学を卒業した李さんでさえ日本からの巨額の援助の事を知らなかったのである。
このような状態では日本はいつまでたっても巨額の援助をしながら、中国社会では悪いままで、援助がすべて無駄になっている。
かっては中国最大の援助国であったアメリカは現在は援助額はなんとゼロである。ゼロ!!それでいて、中国市場をアメリカは必要としている。だから日本に中国に対して金を出させるという事をやる。外交ベタの日本は中国とアメリカに利用されるという単なるバカをみているだけなのだ。
海外にたいしての巨額の援助がすべて無駄とは思いはしないが、もう少し考えて有効に使ってほしいものである。
その後
2001年度の支那向け政府開発援助(ODA)のうち、円借款を総額約1600億円と前年度比で25%削減する方針を決めたそうです。79年度に対中円借款が始まって以来、最大の減額幅となるらしいのですが、一方、支那向けODAのうち無償資金協力は、内陸部の貧困・環境対策を重点的に推進するため同25%も増やして60億円、技術協力は前年度並みの80億円強となり。この結果、支那向けODA全体ではたった17%しか減らない1750億円もの金額になります。
支那が78年に改革・開放路線に転換した後、79年度から始まったODAは当初から、中国の改革・開放路線を支援することがアジア地域の安定につながるとして積極的に援助を実施したらしいです。島根の実家が「出雲誉」という銘柄の蔵元で、「都の西北」などという不味いので有名な酒をだしている、あの竹下のバカタレなど支那にいった時に8000億円もの無償援助を約束してきたものですから、99年度までに、円借款が総額2兆4535億円、無償資金協力が1185億円、技術協力が1163億円などとなっている。しかし、世界銀行よりの日本分の援助を含めると総額6兆円というとんでもない金額となります。
人工衛星を打ち上げ、近い将来有人宇宙船まで打ち上げようとする国、そして軍備増強、核ミサイルまで配備している国に対して援助をする必要はどこにあるのでしょうか。また援助を受けている支那自身によるベトナム、カンボジアなどの途上国に援助して、支那に有利なように仕向けています。
援助額の幾らかは腐れ政治屋に入る為なかなか止める事はできないでしょうが、支那などに援助をするという愚かな事を早く止めてほしいものです。
(私のコメント)
中国が有人宇宙船を打ち上げました。いまどき有人宇宙船を打ち上げるのは国威の発揚ぐらいしか意味は無いのですが、中国指導部の国民に対する威信は高まるだろう。ロシアやアメリカですら有人の宇宙飛行は最小限に止められ、アメリカのスペースシャトルは老朽化して空中分解してしまった。かつてロシアやアメリカが盛んに有人宇宙船を打ち上げたのも国威の発揚が目的であった。
日本の宇宙開発はどうなっているかというと、実用一点張りで国威の発揚の目的は考慮されていない。かつては野党などから宇宙ロケット開発は軍国主義につながるから反対意見まで出ていた。国民世論も打ち上げが数回失敗すると非難が高まり中止の危機に見舞われる状態だ。そのために日本の宇宙開発は腰の引けたものとなっている。
私は景気対策として公共工事で橋や道路を作るより、宇宙開発や新エネルギー開発などの科学技術開発に当てたほうが、波及効果があって進めるべきと書いてきましたが、中国の有人宇宙船も先を越された感慨を持ちます。日本の国家プロジェクトとしての計画があまりにも地味すぎて情けない。
その反面、日本の海外援助は本当に有効に使われているのだろうか。アジア、アフリカ諸国には餓死者が出るところや、医療や教育設備も満足に整っていないところが沢山あるにもかかわらず、そのような国へはあまり行き届いていないようだ。そのような国は政治が腐敗堕落して独裁者がみんな先進国からの援助資金をネコババしてしまう。
また援助したくとも北朝鮮のように日本へ敵対的政策の国へは援助したくともやるわけには行かない。ビルマのように援助すると反政府派からクレームがつく所もある。一番不思議でならないのが中国へのODAの問題だ。中国へのODAはインドネシアへのODAに次ぐもので総額6兆円にも達している。
外務省に言わせると日本の海外援助は外国に比べると割合は小さいということですが、問題は配分先や使われ方だ。もっぱらこれらの予算は外務省の利権となっており、外国政府との癒着で外務省役人や族議員などが群がって援助資金の運用に口利きしてくる。その最大利権が中国のODAだ。
橋本派があれだけの大派閥を形成できるのも、中国とのODA利権を握っているからだ。毎年2000億円ものODA資金が中国へ渡される。そのうちの5%が手数料ではいるとして100億円だ。だから中国へのODAを止めろといっても橋本派が反対する。また森派が北朝鮮との国交正常化へ熱心なのも、北朝鮮への援助資金をめぐる利権が巨額だからだ。
日本の政治家が中国や韓国や東南アジアへの謝罪と賠償に熱心なのも、相手国の政治家に取り入り、日本からの援助資金をめぐる利権に目的があるからだ。国内でも公共工事の口利き手数料は5%といわれる。おそらく海外への援助資金の口利き手数料はもっとあるのだろう。
中国政府は国内の貧しい農村はほったらかしにして有人宇宙船を打ち上げている。それだけでも中国という国の体質を現していますが、それよりもっと悪質な国がアメリカだ。アメリカが日本からせしめる金から言えば中国はささやかな金額だ。日本はアメリカの国債を400兆円も買っているがこれらは売れずに紙切れになって帰ってくるからだ。
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