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【2】加賀繁投手 マウンドで「豹変」

2010年3月17日

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ブルペンで投げ込む加賀=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

ブルペンで投げ込む加賀=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

 1月6日の入寮日。荷物を運び終え、約20人の記者に囲まれると、顔を紅潮させてうつむいた。「緊張するなぁ…」。質問に、小声でボソボソと言葉をつないだ。

 「観葉植物を持ってきました。眺めたり、水をあげたりすると落ち着くので」。物静かで控えめなのは日ごろから。「たまに『何を考えているのか分からない』なんて言われます」と苦笑いで明かす。ドラフト2位の「即戦力投手」(堀井恒雄チーフスカウト)は、少し気弱でシャイな青年だ。

 しかし、マウンドに立って打者と向き合えば、「相当な負けず嫌い」に”豹変(ひょうへん)”する。

 「おまえに打てるのかよ」

 「絶対に抑えてやる」

 内心でつぶやくのではなく、半ば無意識に声が出る。胸元をかすめるボールに打者が怒れば、「当たるわけねえだろ」とにらみ返す。そんな言葉遣い、強気な態度は「日常生活ではあり得ません」。

 投球スタイルも攻撃的だ。常時プレートの右端に軸足を置き、右横手から角度を付けて内角を攻める。「右打者の背中からボールが来るイメージ。内角をいかに突けるかが、自分の中で生命線」と心得る。

 ストレートは最速143キロ。「内角攻めの後に、どう変化球で打ち取るか」。スライダー、フォーク、ツーシームを操り、常に内野ゴロを打たせることを狙う。緩いカーブも習得し、プロでも同様のスタイルを貫く構えだ。

 岡本克道投手コーチは「加賀は(投球スタイルが)できている。安心して見ていられる。普通に(開幕まで)いけばやれそう」と評する。高まる期待に、マウンドを降りた本人は「1軍で投げてみないと、プロで通用するか分からない」と控えめだが、対戦したい打者の名を尋ねられると「阪神の金本さんと巨人の小笠原さん」と即答した。

 「2人ともフルスイングするじゃないですか。そこをいかに芯を外して当てさせるか…」。話しながら、内野ゴロに仕留める場面を想像したのだろう。その表情にいつもの照れはなく、不敵な笑みが浮かんでいた。

(2010年1月25日付掲載)

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