元看護課長 福岡高検が上告断念
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元看護課長 福岡高検が上告断念

9月30日 12時26分 twitterでつぶやく

北九州市の病院で認知症の入院患者の足のつめを切り、傷害の罪に問われた元看護課長の裁判で、1審とは逆に無罪を言い渡した2審の判決について、福岡高等検察庁は「適切な上告理由を見いだせない」として上告を断念しました。これで、元看護課長の無罪が確定することになります。

北九州市八幡東区の「北九州八幡東病院」の看護課長だった上田里美さん(44)は、3年前に認知症などで入院していた2人のお年寄りの足のつめをはがし、けがをさせたとして、傷害の罪に問われました。2審の福岡高等裁判所は今月16日「つめを深く切ってはいるが、看護の目的の正当な行為だ」としたうえで、「意図的につめをはがした」と認めたとされる捜査段階の供述調書は信用できないとして、有罪とした1審判決を取り消して無罪を言い渡しました。この判決について福岡高等検察庁は30日、最高裁判所への上告を断念しました。福岡高等検察庁の岩橋義明次席検事は「適切な上告理由を見いだすことは困難だと判断した」とするコメントを出しました。検察庁が上告を断念したことで、上田さんの無罪が確定することになります。福岡高等検察庁が上告を断念したことについて上田里美さんは「無罪が確定し、こんなにうれしいことはありません。今まで以上に患者やご家族と向き合い、誠実な態度で接し、看護させていただこうと思います」というコメントを出しました。