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新上野原市立病院:産科開設に市長意欲 理事長・院長は難色 /山梨

 12年春に開院予定の上野原市の新市立病院に産科を開設するかどうかを話し合う「市立病院管理運営協議会」(会長・江口英雄市長)が5日、市役所で非公開で開かれた。終了後に会見した江口市長は「産科開設は公約。開院時に開始できなくても30~50年先を考えれば産科スペースがあるのが望ましい」と述べ、年内までに作成する新病院の実施設計に産科を盛り込む方針を表明した。

 会議は、江口市長ら市幹部4人と、病院側から両角敦郎院長▽病院を運営する公益社団法人・地域医療振興協会の吉新通康理事長ら3人が出席した。

 会見で江口市長は「住民アンケートや地区説明会では産科を望む声が強い」と説明した。

 一方、吉新理事長は「現在の常勤医師は9人だが、産科開設には最低3人交代で必要になる」と医師確保に懸念を表明。両角院長は「医師不足は現実として立ちふさがっている」と、産科開設への難しさを語った。

 市側と病院側は今後も話し合いを続け、一致点を探る。毎日新聞の取材に両角院長は「市民の税金を無駄にしてよいのか。(産科スペースを作れば)赤字が出る」と話した。

 新病院の産科開設を巡っては、09年2月の市長選で初当選した江口市長が公約とし、病院側は「医師確保や採算面で困難」と対立している。市立病院は05年春から産科を休止している。

 この日の会議は病院側は公開を容認。江口市長は「これまで公開していない」として非公開となった。【福沢光一】

毎日新聞 2010年10月6日 地方版

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