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大前研一氏 優秀でない学生の就職のため税金使うべきでない

2010.10.06 11:00

 菅内閣が民主党代表選挙の最中に閣議決定した「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の中には、とんでもない政策が盛り込まれている。指摘するのは、大前研一氏だ。
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 とんでもない政策は、大学生や高校生の就職支援を目的とした「新卒者雇用に関する緊急対策」だ。

 具体的な支援策は【1】卒業後3年以内の既卒者を「新卒」扱いで採用した企業に奨励金(1000万円)を支給する制度を創設する【2】既卒者を試験的に雇用し、その後正規雇用に移行した企業を支援する「トライアル雇用」制度について、卒業後3年以内の既卒者を対象とした企業向け奨励金を大幅に増額する(試験雇用期間中は月10万円を最長3か月、その後正社員として採用するとさらに50万円)――といったものである。

 要するに、大学や高校の卒業後3年以内は新卒とみなしてください、そうすればお金をあげますよ、というわけだ。これはもはや“国ぐるみの嘘”であり、無駄遣いの域を超えている。

 日本は就職氷河期といわれているが、今春の大学新卒者の就職率は91.3%。これは世界最高水準である。中国は70%、韓国は50%、イギリスは30%でしかない。まともに勉強もせず、コンパに明け暮れている日本の大学生が9割以上も就職できているというのも驚きだが、就職できなかった残りの1割弱は20社ぐらい受けているはずであり、それだけ受けて落ちるような人間の就職支援のために、なぜ税金を使う必要があるのか。

 優秀でない人間を無理やり中小企業に雇わせるのは犯罪的な行為であり、そのために税金を使うのは国民に対する冒涜だ。

※週刊ポスト2010年10月15日号

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