京都市の現業職、民間より高給 バス運転手1.4倍…
京都市の現業職と、同業種の民間企業の給与を比較したところ、市職員が最大で2倍近く高い業種があり、経営難から健全化団体に転落した市バスの運転手給与も民間より1・4倍高いことが、市の調査で分かった。現業職全体の平均給与も国家公務員に比べ3割高い。市は2年前に格差を是正する方針を決めたが、引き下げ幅をめぐり調整が付かず、是正は進んでいない。
4月1日現在で、厚生労働省の民間賃金調査と比較した。市バス運転手の平均月収は53万8千円で京都府内の民間バスの1・4倍、ごみ収集職員は42万7千円で全国の同業種企業の1・4倍、用務員は40万3千円で1・9倍、給食調理員は34万7千円で府内の調理師の1・3倍だった。
市バスなど公営企業を除く約1800人の現業職の平均月給は42万5千円だが、国家公務員の32万2千円の1・3倍だった。
地方公務員法で給与は「民間の事情を考慮する」と定められ、毎年、各自治体の人事委員会が民間給与を調べ格差があれば勧告している。しかし、現業職は調査の対象外で、全国的に民間よりも高い傾向にある。他政令指定都市でも現業職の平均月給は41万1千円でほぼ京都市と同じ水準となっている。
総務省は2007年に自治体へ見直しを求め、市は08年4月、「国や他自治体、民間の同種従事者との均衡を踏まえる」との見直し方針を決めた。しかし、給与格差是正は進まず、財政難の解決策を審議した市財政改革有識者会議も4日に提出した提言で、現業職の給与削減を求めた。
市給与課は「厚労省調査にはパート従業員も含まれ、引き下げ幅の根拠となる市独自の民間給与調査の方法が定まらず、庁内で調整中」と説明するが、総務省は「国と同じ基準に引き下げるのはすぐにでもできる」と早期に是正するよう求めている。
【 2010年10月06日 11時18分 】