両チームトップの電撃会談から一夜明けたこの日、楽天首脳陣は一様に沈黙を守った。
東京・品川区の楽天本社で業務に関する記者会見に臨んだ三木谷球団会長は、報道陣からの問いかけには応じなかった。また仙台の球団事務所でも、米田球団代表は「トップ会談? 分からない。交渉は進んでいる? ノーコメント。何も答えられない」と険しい表情をみせた。
すでに阪神側が交渉を容認しているだけに、楽天側では不用意な発言を控えたものとみられる。それでも7日の阪神の今季最終戦後には、星野氏との本格的な交渉が行われる見通しで、招請に向けた条件を模索中だ。
これまで歴代の田尾、ブラウン監督はもちろん、野村名誉監督(サンケイスポーツ専属評論家)にさえドラフト、補強面などの編成権はなかった。
だが星野氏は阪神監督時代に金本、下柳など主力級を独自のルートで獲得。“血の入れ替え”を断行しダメ虎を常勝軍団に作り上げた実績がある。その手腕を楽天でも発揮できるように、GM的な権限を提示するとみられる。
さらにチーム作りのため、最低でも3年程度の大型契約も検討している。
「秋季練習など支障をきたさないよう、1日も早く進めたい」と米田球団代表。チーム再建をめざし、全力で闘将を口説き落とす。