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安永さん取り押さえ死亡は保護行為 警察官不起訴 | ||
佐賀市の路上で昨年9月、知的障害者の安永健太さん=当時25歳、同市木原=が警察官5人に取り押さえられた直後に死亡した問題で、佐賀地検は28日、「警察官の行為は法律の範囲内の保護行為で暴行とはいえない」とする捜査結果を発表、遺族が「警察官数人」を特別公務員暴行陵虐致死罪で同地検に刑事告訴していた件について不起訴とした。 安永さんの死因は、何らかの原因で心臓が停止する「心臓性急死」とする複数の機関の死因鑑定結果も公表。ただ、心臓性急死が起きた原因については解剖でも解明できなかったとした。 地検は告訴された罪のほか、「傷害致死や業務上過失致死などあらゆる犯罪に該当するかどうかも検討したが、いずれも嫌疑のない不起訴と判断した」とした。主な理由として(1)死因の発生原因がわからないため、警察官の行為と死亡と結びつけることができない(2)警察官の行為は法律で許される範囲の保護行為-を挙げた。 「保護行為」とした理由は、安永さんは激しく抵抗しており、危険を回避するために後ろ手錠をかけたことを含めて保護する必要があったことに加え、殴ったり、馬乗りになったとする証言は「否定する証言もあり、総合判断すると、確認できない」とした。 遺族は同日、地検から捜査結果について説明を受けた。健太さんの父・孝行さんは「地検は警察をかばっている印象で納得できない。本当に捜査したのか。一人でも多くの目撃証言を集めてたたかう」とし、不起訴処分を不服として、裁判所に審判を開くように請求する「付審判手続き」を行う方針を明らかにした。 調べでは、安永さんは昨年9月25日夕、佐賀市南佐賀の国道を自転車で走行、車道を蛇行運転していたとして巡回中のパトカーに停止を求められ、停車中のバイクに追突し転倒した。バイクを蹴って暴れるなどしたため警察官に取り押さえられ、後ろ手に手錠を掛けられた直後に意識を失い、死亡した。遺族は「警察官が馬乗りになって殴った」などの目撃証言を得て、今年1月中旬、取り押さえにかかわった「警察官数人」を特別公務員暴行陵虐致死罪で地検に刑事告訴していた。
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2008年03月28日更新 |