「日本代表合宿」(4日、さいたま市内)
サッカー日本代表は4日、さいたま市内に集合し、アルベルト・ザッケローニ監督(57)の初さい配となるアルゼンチン戦(8日)に向けて合宿を開始した。ザッケローニ監督は自らが「守備のベース」と語る、相手攻撃陣を中央から締め出す守備法の浸透に着手。約40分間にわたって熱血指導を行い、“ザック流カテナチオ”で、守備改革に乗り出した。また、この日帰国したDF長友佑都(24)=チェゼーナ=は、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(23)=バルセロナ=完封に自信を見せた。
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これが“ザック流”なのか。青空教室ならぬ、霧雨教室。ザッケローニ監督は、自身が掲げる守備のコンセプトについて約40分間、ほとんどボールも使わず、しゃべり倒した。DF栗原らセンターバックとDF長友らサイドバックの選手に向けて行われた“講義”には、負傷中のDF闘莉王も参加。イタリア人指揮官が「これが私の守り方のベース」という守備網の敷き方を、徹底的に教え込んだ。
「カテナチオ」で知られる、堅守を誇るイタリアからやって来た新監督の基礎は、ゾーンディフェンスだ。状況に応じてマンツーマンで相手をマークする、これまでの手法とは異なるものの、DF槙野は「相手をサイドへと追いやって、中央を消す。新しい先生に授業を受けている感じでした。これがカテナチオの守り方なんだと思いましたね」と興奮気味。長友は「体の向く方向が今までと違う。まだまだ戸惑いがある」と分析しながらも「これを習得すれば間違いなくプラスになる」と目を輝かせた。
だが、そんな守備へのテコ入れも指揮官にとっては改革の“第1弾”に過ぎない。初日に守備指導から着手した理由について、ザッケローニ監督は「DF陣がそろっていたから。FWは香川や本田(圭)がいない。(合宿中は)時間が限られているが、チーム練習とは別にFWやMFにもやりたい」と“続編”を予告した。
「早く成長することよりも、キチンと成長することが代表の目的。新しい監督が来れば、新しい考えが入る。みんな集中して聞いてくれた」と、初日の手応えを語った新指揮官。自身の守備のベース、“ザックナチオ”が、日本代表にどんな化学反応をもたらすのか‐。