米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(36)は3日(日本時間4日)、自身が94年に樹立したシーズン210安打の日本プロ野球記録に並んだ阪神のマット・マートン外野手(29)に驚嘆の声を上げた。メジャーで大きな実績のないマートンの活躍に「アメリカなめちゃあいけない」と独特の表現で敬意を示した。
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自らの記録に並ばれたイチローに悔しさや喜びといったたぐいの感情はみじんも見えない。そこにあるのは、ただ驚きだけだった。
「(自分が昨季までメジャーで)9年やってて、なんとなく名前を聞いたぐらいの選手が日本に行って1年目で210を打つというのは、ちょっと衝撃ですよねぇ」
イチローがプレーした94年は年間130試合。マートンは141試合目での到達だったが、とやかく言うつもりはない。
「それでも難しい数字ですからねぇ、すごいと思いますよ。ちょっとびっくりしますよねぇ」
イチローが驚いた最大の理由は、メジャーでのマートンの実績だ。「マウアー(ツインズ)が日本に行って打ってるのではない」。何度も首位打者を獲得した選手の名前を出しながら「メジャーのレギュラーではない選手ですよね。アメリカなめちゃあいけないなって思わされますよね」。WBCは日本が連覇しているが、それがすべてではないことを痛感した。
称賛の一方で、マートンを追うヤクルト・青木へのゲキも忘れなかった。「青木は何やってんだ、青木は!」‐。
ロッテ・西岡やソフトバンク・川崎の名も挙げて「センスがいいし、実績も残している。それ(210安打)は超えていかなきゃいけない数字だと思う。超えてほしいという感じではないですけど、超えろよ早く、っていう感じですね」。210安打への思いを独特の言葉で表現していた。
(2010年10月4日)