楽天は4日、岩隈久志投手(29)がポスティング・システム(入札制度)を利用しての米大リーグ移籍を容認すると発表した。この日、Kスタ宮城で池田副社長が会見。エースの放出は戦力的には痛手となるが、球団創設からの功労者として、特例でメジャー移籍を認めたことを明かした。
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夢への挑戦が決まった。池田副社長は「楽天の中心かつシンボルで、球団最大の功労者。安易な流出には反対だが、特別にポスティングを容認することにしました」と岩隈のメジャー移籍を容認。岩隈は球団を通じて「このようなチャンスをいただき、感謝の気持ちでいっぱい」とコメントした。
今季は3年契約の2年目。来季には海外FAも取得するが、世界一に貢献した09年のWBC以降、メジャーへの思いは強くなっていた。9月29日の今季終了後、岩隈は「タイミングは今がベスト」と強く訴え、球団側もこれを了承した。
今季は10勝に終わったが、3年連続で2ケタ勝利を挙げるなど、安定感は抜群。シーズン中、岩隈の登板日にはヤンキース、パイレーツ、メッツなどのメジャースカウトが集結していた。過去に右肩や右ひじの故障があり、最近は中6日での登板が基本となっていたことで、メジャーの中4日登板に、戸惑う恐れはあるが、各スカウトとも高評価を下している。
最下位に終わったチームにおいて、エースの流出は痛い。だが来季の年俸3億円を払わず、さらに「10億円前後ではないか」(メジャー関係者)という入札金が、球団に入ることが濃厚。選手の獲得資金、新監督の招へいにかかる費用にも充てることができる。
代理人は野茂英雄らをメジャーに送り込んだ団野村氏。7日からの秋季練習には参加し、手続きが解禁となる11月1日を待つ。