楽天・三木谷浩史会長(45)が4日、来季の新監督候補として一本化していた阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクター(63)との正式交渉に向けて、阪神・坂井信也オーナー(62)とトップ会談を行ったことが明らかになった。席上、三木谷会長は坂井オーナーに対して、星野SDを来季監督として迎えたい意向を伝えたと見られる。阪神側に筋を通した楽天は今後、星野SDとの交渉を本格化させることが確実となった。
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楽天が星野SD招へいに向けて、ついに本格的に動き出した。三木谷会長と坂井オーナー。楽天、阪神両球団のトップが「直接会談」を行ったことが、複数の関係者の話で明らかになった。
ブラウン前監督を解任した楽天は、中日、阪神で計3度のリーグ優勝を経験し、選手掌握にも長けた星野SDの手腕を高く評価。先週末の時点で、来季の新監督候補として一本化していた。今回のトップ会談は本人との正式交渉に移るために、所属する阪神側に楽天側がしっかりと「筋」を通した形となる。
三木谷会長は席上、星野SDを新監督として迎え入れるため、本人側と交渉に入りたい旨を伝えたもようだ。この日夜に神戸市内の自宅前で取材に応じた坂井オーナーは、楽天側との接触に関しては言及を避け「楽天の方に聞いてよ。こちらから言えるようなことはないし、仮定の話はできない。(楽天が)仁義は切りはるんじゃないか(交渉前に連絡する)と思いますけど。こちらが動くようなことではないですし、待つしかない」と話すにとどめた。
阪神にとって経験豊富で、球界事情にも明るい星野SDは欠かせぬ存在であり、坂井オーナーは改めて「来季も今まで通りにお願いすると思っている」と星野氏のSD続投を改めて希望した。だが阪神側に楽天と星野SDの交渉そのものを阻む考えはなく、これまで通り、事態の推移を見守ることになる。
坂井オーナーとのトップ会談を終えた楽天は、近日中にも星野SDと監督就任に向けた交渉をスタートさせることが確実視される。星野SDは現場復帰への意欲を強く持っており、交渉次第では一気に「楽天・星野」の誕生に向かう可能性も十分にある。闘将の心に、楽天のラブコールは届くのか‐。事態は一気に風雲急を告げてきた。