朝青龍、悪態のち記念撮影　「クソババァ」から「騒がせてごめんね」

断髪式から一夜明け、相撲協会にあいさつに訪れた朝青龍

　元朝青龍が悪態連発で国技館を去った。３日に両国国技館で引退相撲断髪式を行った元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏（３０）が４日、日本相撲協会を訪れ、放駒理事長（元大関・魁傑）ら協会幹部にあいさつを行った。

　役員室であいさつをした後は、全日本力士選士権を開催中の東西支度部屋を訪問。「白鵬はいるか？」と関係者に聞くも、横綱は１回戦で敗れ、すでに国技館を引き揚げた後で対面はかなわなかった。引退相撲では土俵にキスし「生まれ変わったら日本人の横綱になりたい」などと泣かせるセリフを発していた朝青龍だったが、一夜明けたこの日は、現役時代に数々の問題を引き起こした悪態を連発。まげを切っても朝青龍はやっぱり朝青龍だった。

　帰りの駐車場へ向かう通路で報道陣に「下がれ！」と毒づくと顔見知りの記者に「オイ！　アホ」と吐き捨てるように言い、女性リポーターには「このクソババァ」と暴言連発。「いつまで日本にいらっしゃいますか？」との質問には「何でお前に言わなきゃいけねえんだ」と悪態をまきちらし、国技館を去った。

　ただ、車に乗り込む寸前に「お前と写真を撮ろう」と数人の記者と記念撮影。「騒がせてごめんね」と今までの悪態がうそのような笑顔を浮かべた。今後は母国モンゴルで政治家への転身を目指す朝青龍。表と裏の顔を上手に使い分けたこの日は、政界進出へのリハーサルだったのかもしれない。

　◆朝青龍の主な暴言
  ▼「チクショ。（けがをしている）右（足）にガンっていけばよかったな。優しすぎたな。横綱の強さ？　関係ねえよ。そんなこと聞くな」（０２年秋場所１１日目。休場明けの横綱・貴乃花と対戦し上手投げで敗れ）
  ▼「新年のあいさつがないな。下がれ」（０８年１月３日。けいこ始めで、怒り始め）
  ▼「死ね。この野郎」（同年２月２５日、静養先のハワイから戻ってきた関西国際空港で）
  ▼「顔じゃないよ」（０９年１月６日、相撲解説者で元小結・舞の海秀平さんに分不相応の意味を持つ隠語を発する）。その翌日、「おぉ秀平」（舞の海さんを呼び捨て）
  ▼「お前、どこだ！　報知？　殺すぞ！」（同年１１月３０日、モンゴルへ帰国するため福岡空港に現れ、本紙記者に）