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【なぜわが子を傷つけるのか】(2)虐待の「世代間伝達」 愛されなかった過去…親への憎しみ、娘に (2/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
「連鎖は減らせる」
子供時代に虐待を受けて育ち、やがて自分も親になったとき、わが子を虐待してしまう−。虐待の「世代間伝達(世代間連鎖)」と呼ばれ、虐待する親の3割に当てはまるといわれる。
頼るべき親から踏みにじられ、自分がかけがえのない存在だという「自己肯定感」を持てずに育った結果、わが子さえ肯定できなくなる母親。親から「しつけ」と称して暴力を振るわれ、自分が親になったときにも暴力でしか問題を解決できなくなる父親たち…。
茨城大学の数井みゆき教授(49)=発達心理学=は「虐待は、外部が何も介入しなければほぼ確実に連鎖する。3割にとどまっているのは、多くの人が成長の過程で、外部の大人たちから自然にさまざまな援助を受けているからだ」と指摘し、こう述べた。
「ならば、適切な援助により連鎖は減らせるし、早期にきちんと介入すればゼロにもできる。それをしないのは社会の怠慢、ネグレクトというほかない」