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【なぜわが子を傷つけるのか】(2)虐待の「世代間伝達」 愛されなかった過去…親への憎しみ、娘に (1/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
わが子を虐げてしまうのはなぜか。専門家の間では、虐待を引き起こす親には4つの要素がそろっていることが指摘されている。
「多くの親に子供時代、愛された体験がないこと」
「経済不安や夫婦不和、育児負担など生活にストレスが累積していること」
「心理的、社会的に孤立していること」
「望まぬ妊娠や育てにくい子など、親にとって意に沿わない子供であること」
連載の第1回で紹介した、3歳の一人娘をどうしても愛せないと苦しむ東京都の主婦、秋山美樹さん(36)=仮名。彼女は8歳のときから継父に性的虐待を受けてきたという。
「妊娠して、子宮が毎日大きくなるにつれ、初めて虐待を受けた子供のころを思いだした。おっぱいが張ってくると、『小さいころに触られたおっぱい』と意識してしまった。娘が生まれても『何? このサルみたいなしわくちゃのかたまりは』としか思えなかった」
虐待の記憶があふれ出てどうしようもなくなり、記憶を絵に描くことで心を静めたこともあったという。
秋山さんは「本当は子供を持ちたくなかったが、女として1人は産みたかったし、世間体もあると思った」と話し、こう続けた。
「自分の親への憎しみ、自分が愛されなかった寂しさから、娘に『なぜお前だけは愛されないといけないの?』と怒りや憎しみを抱いてしまう。秋田の連続児童殺害事件を起こした畠山鈴香(受刑者)っていましたよね。私は、娘を橋から突き落としたとされた、あの人の気持ちがよくわかる気がする」