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【北陸発】

『県ふぐ条例』きょう施行 取り扱い 免許制など厳格化

2010年10月1日

 昨年十一月に富山県南砺市で起きたフグの食中毒を教訓にした「県ふぐの取扱いに関する条例」が一日、施行される。新たにフグをさばく人の免許制や、扱う施設の認証制が導入される。制度の厳格化が、食の安心安全につながるか注目される。

 県内でフグを扱うにはこれまで、二日間の講習を受けて簡単な筆記・実技試験に合格し、県に届け出るだけでよかった。

 十月からは、食品衛生やフグの危険部位などの知識に関する筆記試験と、実技試験に合格して免許を取得する必要がある。受験資格は、フグの処理経験二年以上で得られる。

 料理店などのフグ取り扱い施設は、届け出制から認証制に変わる。有毒部位の保管と処理が適切に行えるかを県厚生センター職員が点検して認証する。

ただ従来制度の取り扱い資格があれば、二〇一一年十月まで免許なしで扱える。それまでに特別講習会を受ければ免許が取得できる。県は同講習会を十月十九日に富山市で、二十日に高岡市で開く。

 条例制定に向けて、一〜三月に開かれた有識者懇話会で、期間限定で取り扱い免許を与える「更新制」も議論されたが、今回は導入が見送られた。県は「五年を目安にフグに関する新しい知識を覚え直す講習会を開く」としている。

 県によると、フグの規制は都道府県ごとで、富山以外に条例があるのは石川など二十四都道府県。このうち十九都道府県が免許制を導入している。

 富山県内では昨年十一月、南砺市城端のすし店で食事をした男女十二人が食中毒となり、このうち男性二人が一時意識不明の重体となった。猛毒のテトロドトキシンを含むフグの肝臓を入れた鍋料理が原因だった。

  (山田晃史)

 

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