2010年8月9日 20時15分
日銀は9日、2日間の日程で金融政策決定会合を始めた。米国経済の減速懸念を背景とした円高進行が日本経済に与える影響について議論するとみられる。政策金利(無担保コール翌日物)は現行の年0.1%に据え置く見通しだ。
米国の雇用改善の遅れを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加金融緩和の観測が強まり、円相場は前週末に一時、1ドル=85円02銭に急伸した。日銀は一段の円高進行で企業心理が悪化しないか動向を注視する姿勢だ。また、日銀では「秋以降に日本経済も減速感が強まる可能性がある」との見方が増えており、従来より景気下振れリスクに軸足を置くべきかどうかも議論されるとみられる。日銀は、昨年11月のドバイ・ショックで1ドル=84円82銭まで円高が進んだ時は追加緩和に踏み切った。だが、現在は「企業の業績回復で、当時と比べて円高への耐久力がついている」(幹部)とみて、追加緩和への慎重論は根強い。