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【主張】小沢氏強制起訴へ 潔く議員辞職すべきだ

2010.10.5 04:54
このニュースのトピックス小沢一郎

 ■「形式捜査」検察はどう応える

 与党の最高実力者と目され、9月の民主党代表選に出馬して首相の座も目指そうとしていた小沢一郎元幹事長が、刑事訴追を受ける立場に置かれた。

 これまでの政治的かつ道義的責任に加え、刑事責任も問われる。小沢氏本人は「裁判の場で無実が必ず明らかになる」と語ったが、今こそ自ら進んで責任を認め、潔く議員辞職し、政治生活にピリオドを打つべきだろう。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京第5検察審査会が2度目の審査で「起訴議決」の判断を示したことに伴い、小沢氏は裁判所が指定した検察官役の弁護士により、強制起訴される。

 ◆重い「国民」の判断

 「秘書に任せていた」と責任逃れの政治家に対し、国民から選ばれた検察審査員11人中8人以上が厳しい批判を向け、刑事責任を認めた極めて重い判断だ。疑惑を十分説明せず、潔白を主張し、開き直った小沢氏の対応は、検察審査会制度の前では通じなかった。

 注目したいのは、国民の判断によって政治家が起訴される事態が初めて現実になったことだ。

 第5検審が「起訴議決」をした理由は、状況証拠もふまえ客観的に判断したものだ。虚偽記載について小沢氏に報告したとする元秘書らの供述を信用できるとし、小沢氏と元秘書は「強い上下関係がある」と認定した。

 また、議決書では「土地取得の経緯や資金をマスコミなどに追及されないようにするための偽装工作をしている」とも指摘した。

 年間450万円もの利息がかかる借金(債務負担行為)をわざわざしたことに「原資を隠すための偽装工作」の可能性をかぎ取った論旨は極めて明快である。

 議決は政治家を追及しきれなかった特捜部の再捜査を「形式的な取り調べの域を出ておらず十分な再捜査が行われたとは言い難い」と批判した。

 第1検審が「追及不足」としたのに続く検察の存在意義を問う厳しい指摘だ。特捜部は真摯(しんし)に受け止め、捜査資料提出などに協力してもらいたい。

 小沢氏は政治活動にかかわるカネを「すべて公表している」などと透明さを強調してきた。にもかかわらず、検察の捜査が及ぶと検察批判をし、いったん不起訴となると「潔白が証明された」と態度を翻した。記載期日がずれただけだなどとし、秘書に虚偽記載を指示した証拠はないなどと責任転嫁の弁明だけが目立つ。

 この事件では土地購入原資にゼネコンからの裏金が使われたとされる疑惑など未解明な点が多い。公判では国民が納得できるよう全容を解明し、政治とカネをめぐる不信をぬぐってもらいたい。

 ◆民主党は自浄努力を

 今年1月、元秘書ら3人が逮捕された後も、当時の鳩山由紀夫首相(党代表)は小沢氏に幹事長職を続けさせた。

 7月の参院選を控え、鳩山氏は小沢氏ともども辞任したが、政府と与党の両責任者が政治とカネの問題を引き起こし、民主党政権に対する不信を招いたという認識が、あまりにも希薄だった。

 後任の菅直人首相は首相に就任した後、「脱小沢」路線にハンドルを切る構えも見せたが、「辞職は大きなけじめ」との判断を繰り返し、小沢氏に説明責任を果たすよう促すことはしなかった。小沢氏と争った先の代表選でも、当初は「カネにまみれた政治文化を変えたい」と訴えながら、途中でトーンダウンしてしまった。

 民主党執行部は、野党による小沢氏の証人喚問要求などを拒み続けた。強制起訴が決まったことについて、ベルギー訪問中の菅首相は「状況を把握していないのでコメントを控える」と述べた。岡田克也幹事長も「本人の考えが示されるのが第一だ」と語った。いずれもコメントを避け、今後の対応について明確な姿勢を示そうとしないのは、理解しがたい。

 民主党内からも小沢氏の議員辞職を求める意見が出ているのは当然だ。小沢氏が従わない場合は、除名処分や離党勧告などを行うのは最低限必要だ。

 議決は検察審査会の役割に触れ、「国民の責任において法廷で黒白をつける」と強調した。検察の不十分な捜査に加え、国会の自浄能力の欠落が明白になったことを重く受け止めてほしい。

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