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県警保護の青年死亡:取り押さえ急死、きょう初公判 「障害者理解して」 /佐賀

 ◇地域の取り組み広がる

 佐賀市で07年に知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した事件。警察官1人が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判の初公判は29日に佐賀地裁で開かれるが、事件をきっかけに「地域で見守ってもらうため、障害者への対応を理解してもらおう」という取り組みも広がっている。【蒔田備憲】

 東京都町田市の知的障害者の親の会「町田サファイア・クラブ」(田中洋子代表)は08年、パニック状態になっている障害者らへの接し方をまとめた「SOSボード」を作製。これまで地元の商店などに約2000部を配布した。

 田中さんの次男(27)も重度の知的障害者。怒鳴られたり、命令口調で声をかけられたりすると、パニックになることがある。次男が安永さんと同年齢ということもあり、事件には「やり場のない憤り、悲しみを感じた」という。

 「知的障害の子供のことを、もっと知ってもらえれば、あのような事件は起きなかったかもしれない」。田中さんは地域で理解を広める活動をしようと、仲間に相談。知的障害者に声をかける際の注意点や、24時間態勢で対応できる障害者施設の連絡先をA4判1枚にまとめ、SOSボードとした。

 そこには「こんな人がいたら」という項目で、意思疎通が困難な障害者の事例を紹介。その上で▽言葉をかける時は肯定的な表現・態度で▽おだやかな口調、短い言葉で--などと、接し方も記載した。

 こうした取り組みが注目され、周辺自治体や団体、警察関係者からも問い合わせがあったという。

 田中さんは「安永さんの事件を『教訓』として、二度とあのような事件が起きないよう、理解を広げていきたい」と話している。

 知的障害者の生活支援に詳しい中野敏子・明治学院大教授(障害福祉論)は「理解するには、知り合い、交流することが大切で、さまざまな人が支援者としてかかわる必要がある」と話している。

毎日新聞 2010年7月29日 地方版

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