険しい表情は、公判の時と変わらなかった。昨年12月の再逮捕から約10カ月ぶりに保釈された元俳優押尾学被告(32)は4日夜、東京・小菅の東京拘置所を出た。詰め掛けた100人を超える報道陣に深々と一礼したが、何も語らなかった。
午後7時半すぎ、約10人の拘置所職員に付き添われて現れた被告は、肩までの長髪をなびかせ、黒いスーツにワイシャツ姿。無数のフラッシュを浴びると、みけんにしわを寄せて表情をこわばらせた。「何かひと言」と問われたが、無言のまま、弁護人とタクシーの後部座席に乗り込んだ。
保釈前に接見した弁護人によると、押尾被告は保釈決定を知り「本当に良かった」と笑顔を見せた。死亡した飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=については「お許しいただけるなら、きちんと(遺族に)説明したい。墓参りもしたい」と述べたという。保釈保証金は弁護団などが工面した。