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米、思いやり予算に不安…日本に説明求める

 【ワシントン=小川聡】在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の今後の予算確保をめぐり、米政府が日本の民主党政権との交渉に懸念を募らせている。

 民主党は野党時代、大幅削減を主張していたうえ、日米同盟に対する基本姿勢にも不安があるためだ。

 思いやり予算支出の根拠の一つである日米間の特別協定は、来年3月に期限が切れる。日米両政府は現在、新協定締結に向けた交渉を本格化させている。

 米側の不安を高めたのは、2011年度予算の概算要求だ。防衛省は、思いやり予算を「元気な日本復活特別枠」に盛り込み、国民の意見を踏まえて扱いを判断する「政策コンテスト」に委ねた。この対応をめぐり、ゲーツ米国防長官は9月初め、説明を求める手紙を日本政府に送ったという。

 米政府筋は「国の安全保障に関する判断を国民に押しつけて、削減の口実にしようとしているのではないか」と疑問を示す。キャンベル国務次官補も先月22日、読売新聞とのインタビューで、「あらゆるチャンネルで日本側に懸念を伝えている」と語った。

 日本側は米側に「思いやり予算は削減されにくい。国民の議論にさらされることで、日米安保は強くなる」などと説明しているというが、米政府筋は「納得していない」という。

 こうした動きに対し、米政府が特別協定の対象など、協定の内容を抜本的に見直すよう日本側に求めていることがわかった。

 その中核は、家族住宅の建設などに充てられる提供施設整備費の扱いだ。これまでは協定の枠外だったが、米側は新たに協定に含むよう求めているという。背景には、同整備費が年々削減され、5年前と比べて約7割削減された、という事情がある。米側は特別協定の期間を現在の3年間から5年間に延長するよう求め、長期・安定的な予算の確保を目指す方針だ。

 また、米側は日本政府やメディアに対し、「思いやり予算」という非公式な用語を使わず、英語の「ホスト・ネーション・サポート」の訳である「接受国支援」とするよう求めている。

2010年10月3日08時35分  読売新聞)
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