僕たちは想像をはるかに超えて、常識の枠の中で生活をしています。街中で突然全裸になってはいけない。自分がされていやなことは他の人にしてはいけない。意識的にも、無意識的にも僕たちはたくさんの見えない枠の中で生きることを強いられています。写真を撮るときも同じです。程度の差こそあれ、ファインダーを通して世界を、瞬間を切り取るために僕はシャッターを切っています。
カメラは銀塩からデジタルへ、革命的な進歩を遂げています。それにくらべて人間のほうはどうでしょうか。ルネサンスや産業革命の時代のように現代の僕たちも既存の常識にとらわれず、新しい技術を駆使して新しい領域を切り拓くことができているでしょうか。
写っているのはぜんぶ僕の身の回りにあるものです。ファインダーや現実や常識にとらわれず、ありふれた日常を自由に解釈しなおすことで、そこに新しい意味を見いだしたいと思って僕は作品を作っています。
作品作りのプロセスでコンピュータを使っていることから「これは写真ではなくて、コンピュータグラフィックスだ」と言われることもあります。僕はどっちでもいいと思っています。表現をカテゴライズすることは重要なことではありません。表現の手段としてカメラを使っていて、表現された結果が面白いかどうかが一番大事なことだと考えています。この写真展は、悲しいくらいに常識から抜け出せない自分の感覚に対する挑戦でもあります。
日常のどこにでもあるものだけれども、どこにもない。そんな不思議な感覚を感じていただけたなら、とてもうれしいです。
出展数 約30点
1977年 東京生まれ、32歳。
大学卒業後システムエンジニアとして就職
2002年 「写真アート塾」に入塾し、写真を撮り始める。
2005年 京セラ・コンタックスサロン東京にて個展開催 [Blue]
2005年 京都・松栄堂本店1F松吟ルームにて個展開催 [Blue]
2006年 六本木バー556にて個展開催 [Blue]
その他 「写真アート」する仲間展にて作品発表