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温首相 世界最大の外貨準備武器にEU接近 米・EU分断狙う?

産経新聞 10月4日(月)22時43分配信

 【ブリュッセル=木村正人】中国の温家宝首相はアジア欧州会議(ASEM)首脳会議に先立ち、財政危機のギリシャで国債の買い増しを表明するなど欧州連合(EU)への積極的な協力姿勢を示した。世界最大の外貨準備を“武器”に欧州との関係強化を示し、人民元切り上げを迫る米国や中国漁船衝突事件で対立する日本を牽制(けんせい)する狙いがある。しかし、債務不履行がほぼ確実視されるギリシャ国債購入の真意をいぶかる声もある。

 温首相は4日のASEM首脳会議開会式であいさつし、中国と欧州の関係強化を世界にアピールするとみられている。2、3の両日、ギリシャを訪問した温首相はパパンドレウ首相との首脳会談や国会での演説で「ギリシャが市場に復帰した際には国債を買い増す」「中国は安定した欧州単一通貨ユーロを支持し、欧州諸国が発行する国債の保有を減らさない」と表明した。

 中国の基本戦略は米国と欧州の分断だ。中国の外貨準備は約2兆4500億ドル(約204兆円)に達し、65%がドル、26%がユーロで構成される。外貨準備を分散するため、中国は昨年からユーロ資産を買い増しており、ユーロ危機が小康状態を得た今年7月、ギリシャ同様、財政難のスペインの国債4億ユーロ(約460億円)分を購入した。

 しかし、ギリシャが今年1月、財政危機回避のため250億ユーロ(約2兆8700億円)の国債購入を中国に打診した際、中国はギリシャ・ナショナル銀行株を要求、国債購入は白紙になったとも報じられている。

 このため、「EUや国際通貨基金(IMF)の緊急融資が切れる3年後に債務再編が避けられないギリシャ国債を中国が無条件で買い増すとは考えられない」(英シンクタンク、欧州改革センターのチャールズ・グラント所長)という見方も出ている。

 ただ中国にとっては、ギリシャ国債の買い増しを表明すればユーロが上昇する▽ユーロ資産が買いやすくなる▽財政危機を助けることで欧州との関係を強化できる−という“一石三鳥”の効果を期待できる。

 一方、温首相が欧州を歴訪中の8日にはノーベル平和賞が発表される。今年は中国の民主活動家、劉暁波氏への授与の可能性が取りざたされており、6日に予定されるEU・中国首脳会談でファンロンパイ大統領(欧州理事会の常任議長)らがどこまで人権問題に言及するかも注目されている。

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最終更新:10月4日(月)22時43分

産経新聞

 

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