2010年8月5日 23時25分 更新:8月6日 0時19分
【モスクワ大木俊治】ロシアのプーチン首相は5日、小麦など穀物類の輸出を今月15日から年末まで禁止する政令に署名した。猛暑による干ばつで収穫量の減少が予想され、国内の価格上昇を防ぐため一時的な禁輸が必要と判断した。ロシアは世界4位の小麦生産国で、国際市場価格の高騰に拍車がかかることが懸念される。
ロシアは今年、過去130年の観測史上で最も暑い夏となり、モスクワでは日中35度を超える日が1カ月近く続いている。農業省によると、昨年の穀類の収穫量は約9300万トンで、うち2000万トンを輸出。今年は干ばつで収穫量が7000万~7500万トンに減ることが予想され、28地域で干ばつによる非常事態が宣言された。
ロシア政府の決定は、5日のシカゴ商品取引所の小麦先物相場(時間外取引)を直撃した。9月渡しは一時、前日比60セント高の1ブッシェル(約27キロ)=7.856ドルと値幅制限いっぱいに急伸。