田母神氏“煽動”尖閣大規模デモ…国内メディアが無視したワケ

2010.10.04

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東京・渋谷で2日に行われた大規模なデモの光景(山本皓一氏提供)【拡大】

 尖閣問題をめぐる菅直人内閣の弱腰対応に、今月2日、全国31カ所の市民が立ち上がった。東京・渋谷では飛び込み参加も含めて約2600人が集結。日本では珍しい光景にロイターやCNNなどの著名海外メディアも取り上げるなど、反響が広がった。だが、なぜか日本のメディアはほとんど報じていない。その背景は−。

 参加したフォトジャーナリストの山本皓一氏によると、当日、東京・渋谷では約2600人が2時間にわたって行進を繰り広げ、怒りのシュプレヒコールをあげたという。デモを呼びかけたのは元航空幕僚長の田母神俊雄氏(62)が主宰する「がんばれ日本全国行動委員会」など。

 「山田宏・前杉並区長やかつて民主党に所属し、現在は無所属の土屋敬之・東京都議会議員ら、いずれ劣らぬ右派系の論客も登壇しました。多くの参加者は、保守系のシンポジウムや講演会、市民運動を取り上げているCS放送『チャンネル桜』や、関連の動画サイトの呼びかけに呼応したようです」(山本氏)

 当日は無秩序にマイクで絶叫するなどの“暴走行為”はみられず、最初から最後まで日本人らしく整然と“行進”。20−30代の若い女性や、高齢者カップルの姿も散見された。

 集合は午後1時、代々木公園けやき通り。集まった参加者を前に、田母神氏は「核を作ると脅してでも、尖閣は守り抜かなくてはならない」「あの(釈放された)船員たちは明らかに軍人。その証拠に、中国メディアにほとんど登場せず、日焼けもしていない」などと持論を展開した。

 他のゲストらの演説など約2時間の集会の後、デモを開始、渋谷駅ハチ公口、外苑前、国立競技場前などをたどり、最終的に人数は約2600人に達した。

 これだけ大規模にもかかわらず日本国内のメディアのほとんどは沈黙。一方、ロイターやCNNは配信した。そのため、ネット上には「日本のメディアはなぜ報じないのか」「民主党に気を使っているのか」などの書き込みが相次いだ。

 田母神氏は「主だったメディアには直前にリリースした」としたうえで、「中国のデモは十数人規模でも日中で報じられるのに、日本でこれだけの人が集まったことが報じられないのはおかしい」と話している。

 そのへんの背景について、全国紙の記者は「告知が目にとまれば、それなりに対応をしたと思いますが」と苦笑。報道規制でも、民主党に気を使っているわけでもなく、マークしていなかったデモが、実際に行われてみると想像以上の規模になり…というのが真相に近い。ちなみに小紙もデモの実施を把握していなかった。

 デモ終了後、参加者らは再び渋谷ハチ公口に集まり、約1時間の演説会を行った後、静かに解散、最後まで行儀よく終えたという。