【コラム】軍靴の一つも作れないのに(上)

 数年前、子供を軍隊に送り出した経験のある親たちや、兵役を終えた男性たちの涙をそそる写真がインターネット上で話題になった。兵士の足の裏が軍靴で靴ずれを起こして水ぶくれになり、破れて、足が血だらけになっているというものだった。

 この写真は、時代後れの軍靴のせいで苦労した多くの男性の記憶と共に、10-30年前から一向に改善されていない状況に対する怒りを呼んだ。これ以前から、軍靴をはじめ兵士らが使用する被服装具類の問題が、国会の国政監査のたびに、「必須事項」のように取り上げられている。

 国防部や軍当局もそれなりに改善に向けて取り組んでいる。兵士の被服装具類改善10カ年計画を立て、新型戦闘服や軍靴を開発した。今年3月には金泰栄(キム・テヨン)国防部長官とチェ・ギョンファン知識経済部長官との間で、「国防繊維技術協力了解覚書」も交わされた。世界で認められている韓国民間企業の繊維技術を、兵士の被服に適用し、軍の戦闘力や兵士の生活の質を向上させようという趣旨だ。

 ところが、このほどあきれた事件が発覚した。軍靴メーカー11社が今年納品した新型軍靴のうち、5社が製造した5201足は接着力が弱く、靴の底がはがれてしまったのだ。国防部は監査の結果、「防衛事業庁ら一部関係者とメーカーとの間に癒着疑惑も浮上した」として捜査を依頼した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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