【コラム】北朝鮮追従勢力に対する忠告(下)
今や、韓国がより理想的な未来に向かって突き進んでいくためには、少なくともこの国で、北朝鮮の体制に同調し、金総書記に追従する勢力に対する社会全体の視点を、はっきりと整理すべきだ。時代錯誤な今日の北朝鮮を目の当たりにしながら、依然として北朝鮮の影から抜け出すことのできない人たちを容認することは、理念的な寛容とはいえない。韓国社会は彼らを北朝鮮の影から救い出し、目を覚まさせる必要がある。
韓国がこうした問題に対し、この上なく受動的かつ消極的な現実を反映するものの一つが、野党の露骨ともいえる親北朝鮮的な態度だ。韓国の野党は北朝鮮が怖いからか、あるいは韓国内部の潜在的な親北朝鮮、容共的な要素を過大評価しているためか、哨戒艦「天安」沈没事件や対北朝鮮支援、3代にわたる権力世襲に対する国民の感情とはかけ離れた戯言(たわごと)を繰り返している。一体なぜ、国民の政府に対する批判と、北朝鮮に対する認識を混同しているのか分からない。最近の北朝鮮情勢を目の当たりにしながらも、北朝鮮が進む道がどんな道で、その行き着く先がどこなのかを予想できないほど判断力が鈍いようでは、政権獲得への道のりは遠いと言わざるを得ない。
世界の共産主義はすでに過去の遺物だ。ソ連や東欧の共産主義体制が崩壊し、東南アジアの共産主義もすっかり色あせた。ロシアや中国の体制も、北朝鮮式の共産主義や主体思想とはかけ離れている。今年7月、カンボジアの首都プノンペンで行われた旧ポル・ポト派に対する裁判は、共産主義者たちの卑怯な言い逃れに終始した。200万人を虐殺した責任について、誰もが「わたしはやっていない。あの人がやった」というなすり合いが続いたこの地で、ソルマン氏は「どんな共産政権者たちも、これ以上共産主義を掲げることはなかった」と綴った。韓国で北朝鮮に追従する人たちは、このことを肝に銘じる必要があるだろう。
金大中(キム・デジュン)顧問