フグ加工品：加工年月日の表示不要　２７年ぶり基準緩和、消費者庁が改正通知　／山口

　◇きょうから表示偽装、監視徹底−−県と下関市
　県を代表する名産品のフグ加工品について、消費者庁は９月、都道府県などに加工年月日の表示を不要とする改正を通知した。他の魚種と異なり、有毒部位を持つフグだけに表示が必要だったが、製造業者などから「同じ基準での表示」を求める強い要望があり、２７年ぶりに基準が緩和された。県、下関市は１日からのフグ取扱業者を対象にした一斉立ち入り検査に合わせ、表示改正を知らせていく。【井上大作】
　８３年１２月の厚生省（当時）通知で、フグを原材料にしたふりかけなど加工品は加工年月日を表記するよう義務付けた。食中毒が発生した際、さかのぼって調査する必要があったためで、フグだけに規定があった。フグを使った刺し身、鍋用の身などが入ったギフト製品の場合、小分けされた部位ごとに加工日を印字しており、業者からは「年末の忙しいシーズンなどは対応できない」など、フグだけの表示に不満が根強かった。
　今回の改正通知は９月１０日付。フグ加工品（内臓を取り除いた「みがきフグ」は対象外）は加工日の表示が不要になり、ロット番号（製造番号）などを示せばよくなった。賞味（消費）期限、製造所などはこれまで通り明記が必要という。食中毒が発生してもロット番号で調査ができる。
　県内のフグ加工品の表示を巡っては、昨年６〜１０月、下関市を中心にした計７社が、出荷日を製造日と表示するなどの偽装が相次ぎ、農水省や県が行政指導していた。
　県生活衛生課は「フグの加工品で食中毒が起きる可能性は低い。今回の表示で消費者が不利益を受けることはほとんどないのでは」と分析。一方で、表示偽装などの監視は徹底するとして、１日からフグ取扱業者１００８社を対象に定例の立ち入り検査に入る。
〔下関版〕

１０月１日朝刊

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