被爆地広島での2020年夏季五輪開催を目指す招致検討委員会(会長・秋葉忠利広島市長)は3日、市役所で5回目の会合を開き、事務局の広島市が財政計画を盛り込んだ開催基本計画案を説明した。財源に見込む1千億円近い寄付金の集め方などを議論した。
全国24自治体の首長や代理の幹部が出席した。広島県の中山雅文企画振興局長は、国内外の市民や企業、インターネットで集めるとする寄付金に関し、協力要請先など分野ごとに「目標額」があるのかを質問。岩崎静二・五輪招致検討担当部長は、寄付金の目標額の内訳を今後詰めていく方針を示した。
副会長の長崎市の田上富久市長は、市民の寄付がどんな成果につながるのかを分かりやすく伝える重要性を強調。宝塚市の中川智子市長は、4207都市加盟の平和市長会議が協力することを提案し「仮に加盟都市の4分の1が協力し、市民1人当たり毎年100円ずつ寄付をすれば10年で1千億円になる」との試算を披露した。
また、広島県の中山企画振興局長は、計画案に示されていないものの、県や周辺自治体の財政負担、交通インフラの整備が今後発生する可能性を問うた。
岩崎五輪招致検討担当部長は、他の自治体に経費負担を要請する「考えはない」と明言。輸送面では、メーン会場の広島ビッグアーチ周辺で、観戦を終えた観客を3時間以内に輸送できるのかシミュレーションした結果、「新たな交通機関の整備がなくてもぎりぎりやれる」との見方を示した。
【写真説明】広島五輪を具体化した開催基本計画案を議論する招致検討委員会
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