韓国 2010年7月20日(火曜日)
シェア5年で一気に2倍に:輸入車が健闘、販売拡大[車両]
今年に入り、輸入車の販売台数が増加を続け、韓国車にとって脅威となっている。今年上半期(1〜6月)の輸入車の韓国国内シェアは6.64%を記録し、2005年の3.27%と比べると5年間で2倍以上に上昇。新車の価格引き下げなどで韓国市場での売り上げを伸ばす輸入車メーカーに押され、韓国メーカーは売り上げを落としている構図だ。今後も海外メーカーの参入などにより輸入車の好調は続く見通しで、韓国メーカーがどう迎え撃つか注目されている。
■新車価格を引き下げ
ハンギョレ新聞などによると、輸入車が販売を伸ばしている背景には、昨年下半期(7〜12月)から各社が新車の価格を大幅に値下げしていることがある。独BMWは5シリーズの新型モデル「ニュー528i」を旧型より約100万ウォン(約7万3,200円)引き下げた。販売は好調で、供給が追いつかず納車まで数カ月待たなければならない状況という。
ほかにも、独メルセデス・ベンツが「Eクラス」の新型「E300」を約500万ウォン値下げしたほか、韓国日産も「インフィニティMシリーズ」のフルチェンジモデル「オール・ニュー・インフィニティM」を270万〜500万ウォン値下げして販売している。
低価格攻勢が功を奏し、上半期の輸入車販売台数は前年同月比44.5%増の4万1,947台に達し、先月の輸入車販売台数も過去最高の7,629台を記録した。このうち、日本車の販売台数は上半期が1万1,140台で輸入車全体の26.6%、先月が1,679台で22.0%を占め、輸入車販売ではドイツに次いで2位となっている。
下半期も好調は続くとみられ、通年の販売台数は、初めて8万台を突破する可能性が高いとの見方が強まっている。
■韓国車は販売台数減
一方、韓国メーカー5社(現代、起亜、GM大宇、双竜、ルノー・サムスン)の先月の販売実績を見ると、海外販売は41.6%増と伸びた一方、国内販売は15.3%減少。特に、現代自動車は34.9%減と最も減少幅が大きく、前月に続き2カ月連続の減少となった。
中でも、現代自の大型セダン「ジェネシス」と「エクース」の国内販売が不調で、上半期の月平均の販売台数はジェネシスが2,200台、エクースが1,400台にとどまり、昨年の平均より300台以上減ったという。輸入車の大型セダンのシェアは現在、台数基準で20%を超えていることから、現代自が輸入車にシェアを奪われていることが分かる。
現代自はこうした状況を受け、ジェネシスの2011年型モデルを500万ウォン値下げして応戦している状態だ。
■下半期はさらに競争激化か
下半期には、大型車にとどまらず、小型車や軽自動車、商用車などの競争激化も予想される。
これまで韓国に進出していなかったスズキや伊フィアット、仏シトロエンなどが進出を予定しているからだ。各社とも輸入販売先が確定すれば、下半期にも上陸を果たす可能性が高い。
特に、小型車と軽自動車に強いスズキやフィアットは、2,000万ウォン台前半の低価格車を打ち出すと予想されており、若者層を中心に人気を集めそうだ。
さらに、商用車では中国メーカーが参入する見通しだ。
参入を決定した東風汽車は、軽商用車や貨物トラックなどの価格が韓国メーカーより約30%安いことを強みに、零細企業や自営業者をターゲットに韓国市場を攻略していく方針を明らかにしている。
また、ワンボックスカーやミニバンを販売する金杯汽車も9月の進出を目標に準備を進めているという。
相次ぐ輸入車メーカーの攻勢に韓国メーカーはどう対抗していくのか。海外での販売が好調なだけに、地場メーカーの新たな国内販売戦略が問われている。