検察審査会が「不起訴不当」とした2007年分の虚偽記載について、東京地検は再び嫌疑不十分とし、不起訴が確定。[関連情報]
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小沢一郎元幹事長(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞) |
民主党の小沢一郎元幹事長を強制起訴へ 検審が起訴議決
民主党の小沢一郎元幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京第5検察審査会(検審)は4日、東京都の市民団体から政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で告発され、嫌疑不十分で不起訴処分となっていた小沢氏について、「起訴議決」を出した。(産経新聞)[記事全文]
・ 小沢氏、強制起訴へ=検察審が2回目議決―陸山会規正法違反事件 - 時事通信(10月4日)
・ 小沢氏強制起訴へ 審査会議決 - NHKニュース(10月4日)
・ [図解]裁判員制度・検察審査会の起訴議決 - 時事通信
・ [用語]強制起訴 - 時事通信
・ 検察審査会で「起訴相当」と議決 - 時系列。関連情報エリア
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小沢氏、07年分の不起訴確定(30日) ...
ニュース
- 小沢氏、強制起訴へ=検察審が2回目議決―陸山会規正法違反事件(時事通信)4日 - 15時49分
- 民主党の小沢一郎元幹事長を強制起訴へ 検審が起訴議決(産経新聞)
4日 - 15時46分
- 検察審2度目の「起訴議決」、小沢氏強制起訴へ(読売新聞)4日 - 15時46分
- 大阪地検特捜部は「割り屋」でなく「押し売り屋」(産経新聞)3日 - 7時57分
- 小沢氏の進退、本人が判断すべき…岡田幹事長(読売新聞)2日 - 17時59分
- <陸山会事件>小沢氏の07年分不起訴 虚偽記載容疑「新証拠なし」(毎日新聞)1日 - 7時27分
- 小沢氏不起訴「喜ばしい」=民主幹事長(時事通信)9月30日 - 20時35分
- <小沢一郎氏>再び不起訴…07年分虚偽記載容疑 東京地検(毎日新聞)9月30日 - 18時52分
- 岡田幹事長、小沢氏不起訴は「喜ばしいこと」(産経新聞)9月30日 - 18時47分
- 小沢氏、再び不起訴 特捜部 平成19年分虚偽記載容疑(産経新聞)9月30日 - 15時56分
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「陸山会」の土地購入をめぐる事件の概要
2010年1月15日、東京地検特捜部は政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で、「陸山会」の会計事務担当だった元私設秘書の衆院議員石川容疑者36歳と、後任の会計事務担当だった元私設秘書池田容疑者32歳を逮捕。翌16日、元会計責任者で公設第1秘書大久保容疑者48歳を逮捕。同年2月4日、東京地検特捜部は政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で3人を東京地裁に起訴した。
- 【表】陸山会事件を巡る経緯と民主党の動き - 読売新聞(2010年5月30日)
- 【表】石川被告の供述などに基づく事件の流れ - 読売新聞(2010年5月13日)
- 【表】国会議員関係政治団体の不動産保有状況 - 読売新聞(2010年3月8日)
- 国会議員 石川 知裕 - Yahoo!みんなの政治
特集
- 激震民主 - 読売新聞|「陸山会」資金疑惑 - 朝日新聞
- 小沢一郎 - 産経新聞|「陸山会」土地購入事件 - 時事通信|小沢氏の政治資金問題 - 共同通信
土地購入をめぐる事件の経過
小沢氏元秘書起訴以降の経過
日 付 | 摘 要 | |
---|---|---|
2010年 | 2月4日 | 東京地検特捜部は、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で3人を東京地裁に起訴 |
政治資金規正法違反(虚偽記入)で告発されていた小沢氏を、嫌疑不十分で不起訴。 | ||
2月5日 | 東京地裁は、政治資金規正法違反罪で起訴された3被告について、保釈を認める決定。 保釈保証金は石川被告が1200万円、大久保被告が700万円、池田被告が300万円。 3被告は、保釈保証金を現金で即日納付。夕、拘置先の東京拘置所から保釈された。 | |
2月7日 | 地元の北海道第11区総支部から「離党や議員辞職の必要はない」との見解を伝えられ、 衆院議員石川被告が、応じる意向を示した。 | |
2月8日 | 小沢氏が説明責任について「これ以上の説明はないのではないかと思っている」 | |
2月9日 | LEFT「離党や議員辞職はせず、職責を果たしたい」 「水谷建設から現金を受領したことはなく、意図的に虚偽の収支報告をしたこともない」 | |
2月10日 | 石川議員は「収支報告書に不適切な記載をしたことについては深く反省する」とのコメントを発表 | |
2月11日 | 石川議員が離党届を提出。議員辞職は否定。石川議員が記者会見。会見詳報:(1)|(2) | |
2月15日 | 民主党は常任幹事会で石川議員の離党を正式に承認。 同党は石川議員の会派離脱届を衆院事務局に提出。石川議員は無所属に。 | |
2月21日 | 石川議員は進退に関して「司法の判断が出るまでは議員として職責を全うしたい」 | |
2月23日 | 東京地検特捜部は、告発されていた2007年分の政治資金収支報告書の虚偽記入について、 「会計責任者らとの共謀の事実を認めるに足る証拠がない」として小沢氏を不起訴。 | |
4月2日 | 元会計責任者の大久保被告が、公設第1秘書を辞任 | |
4月5日 | 小沢氏、勝どきの土地・ビル不記載 3年分の報告書訂正 | |
4月14日 までに | 「1億円以上提供」と水谷建設元最高幹部が資金提供を証言 石川被告は「もらった事実はない」、小沢事務所は「ご指摘のような事実はありません」と回答 | |
6月2日 | 鳩山首相は臨時両院議員総会で退陣表明。小沢氏も党幹事長辞任 | |
読売新聞|時事通信|産経新聞 |
- 「政治とカネ」問題 事件関係の時系列 - まさかりの部屋
小沢氏元秘書起訴までの経過
検察審査会で「起訴相当」と議決
検察審査会の審査員は、選挙人名簿(一般国民)からくじで選ばれた有権者(検察審査会法第5条〜第13条)で構成される。小沢氏の起訴については、再度、一般国民の判断に委ねられた形に。
- 【図解】検察審査会への申し立てで予想される今後の流れ - 読売新聞(2010年2月13日)
時系列
日 付 | 摘 要 | |
---|---|---|
2010年 | 2月4日 | 東京地検特捜部は、小沢氏を嫌疑不十分で不起訴 |
2月12日 | 小沢氏を政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で告発していた東京都内の市民団体が、 東京地検特捜部が不起訴処分としたのは不当として、東京第5検察審査会に申し立て。 | |
4月6日 | 捜査を担当した東京地検特捜部の検事が東京第5検察審査会に出向いて説明。 | |
4月27日 | 不起訴処分となった小沢氏について、東京第5検察審査会は、「起訴相当」と議決。 「適切に対処したい」東京地検次席。東京第5検察審査会の議決要旨|小沢氏の発言要旨 | |
5月12日 | 東京地検特捜部は、小沢氏と石川衆院議員ら元秘書3人に再聴取を要請 | |
5月15日 | 東京地検特捜部は、東京都千代田区のホテルで、小沢氏の3回目の事情聴取(約4時間半)。 | |
5月17日 | 東京地検特捜部が会計事務担当だった元私設秘書の石川議員の事情聴取 | |
5月18日 | 東京地検特捜部は元公設第1秘書の大久保被告と元私設秘書の池田被告の事情聴取 池田被告が東京地検特捜部の再聴取に対し、「小沢氏に報告し、了承を得た」と改めて供述 | |
5月21日 | 東京地検特捜部は、小沢氏を再度嫌疑不十分で不起訴。検察審査会で再審査へ | |
5月30日 | 民主党・辻副幹事長が検察審査会事務局に接触を図ったことが分かる | |
7月5日 | 小沢氏の代理人弁護士は、東京第5検察審査会に上申書を提出 | |
7月15日 | 不起訴処分となった小沢氏の2007年分の政治資金規正法違反について、 東京第1検察審査会は、8日付で小沢氏への再捜査を求める「不起訴不当」を議決 | |
7月27日 | 小沢氏は4回目の聴取「応じる」と東京地検に回答 | |
9月18日 | 小沢氏の4回目の事情聴取 | |
9月30日 | 2007年分の収支報告書への虚偽記載について、 東京地検特捜部は、小沢氏を再び嫌疑不十分で不起訴処分 | |
朝日新聞|産経新聞|読売新聞|時事通信 |
強制起訴について
政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪の公訴時効は5年で、2004年分については2010年3月末に時効が完成するが、2010年2月4日、本件の時効の進行は、3被告の起訴により停止した(刑事訴訟法第254条)。
小沢氏については市民団体からの告発。その市民団体が検察官の不起訴処分に不服があるときは、検察審査会にその処分の当否の審査の申立てをすることができる(検察審査会法第30条)。
起訴状況
罪 名 | 該当法 | 法定刑 |
---|---|---|
政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪 | 政治資金規正法第25条 | 5年以下の禁錮、100万円以下の罰金 |
虚偽記入の罪について
不記載には、記載し忘れの事務的ミス(過失)の場合もあるが、あくまで小額な額面で起こりうることで、億単位という高額な場合は、政治団体の収支に与える影響が大きく且つ記載をチェックしてるため、記載し忘れの事務的ミスは通常起こり得ない。
虚偽記入は、報告書提出者が、真実の記載を誓う旨の文書を添付してるのにも関わらず、虚偽の記入をしたことになるため、単純な事務的ミスではなく意図的な故意による行為になる。
虚偽記入に関する条文(抜粋)
公判関係
公判前整理手続き
日 付 | 摘 要 | |
---|---|---|
2010年 | 9月24日 | 公判前整理手続き 第1回協議 |
11月30日 | 公判前整理手続き 第8回協議 |
石川被告、池田被告の公判
第一審 東京地裁
大久保被告の公判
- 大久保被告側の特別抗告を棄却 - 産経新聞(2010年6月18日)
- 大久保元秘書の訴因変更を決定=陸山会事件を追加−東京地裁 - 時事通信(2010年5月21日)
第一審 東京地裁(登石郁朗裁判長)
裁判での争点 (公判前整理手続き) | ダミー団体を介した寄付が西松建設から行われたか 被告はそれを認識していたか 他の議員分のほとんどが捜査対象から外れたのに被告を立件したのは公訴権の乱用か |
---|
日 付 | 摘 要 | ||
---|---|---|---|
2009年 | 12月18日 | 初公判 | (冒頭陳述)検察側:冒頭陳述要旨、弁護側:冒頭陳述要旨 公判詳報:(1)|(2)|(3)|(4)|(5)|(6)|(7)|(8)|(9)|(10) |
2010年 | 1月13日 | 第2回公判 | (証人尋問)寄付ルート「毎年、被告と打ち合わせた」 西松元総務部長が証言 公判詳報:(1)|(2)|(3)|(4)|(5)|(6)|(7)|(8)|(9)|(10)|(11) |
産経新聞 |
土地購入をめぐる事件関係
解説等
- 石川議員逮捕記事の読み方 - 永田町異聞(2010年1月16日)
- 「検察の暴走」を誘発する刑法の不備 - 池田信夫 - アゴラ(2010年1月18日)
- 【疑惑の濁流】「小沢一郎vs検察」因縁の対決再び? 「裏献金」と不動産問題の謎 - 産経新聞(2010年1月3日)
- 特捜検察と小沢一郎(2009年11月24日)|千葉景子法務大臣は検察を適切に指導せよ(2010年1月12日)|治安維持法化する政治資金規正法(2010年2月1日)- 眼光紙背
政界での反応
- 小泉氏「自民なら退陣」と批判 鳩山、小沢両氏の資金問題で - 47NEWS(2010年1月23日)
- 議員の同期が逮捕は不当として、1月18日に「逮捕を考える会」を結成したが、民主党上層部の批判を受け、事実上の活動停止状態に(読売新聞)。
指揮権発動に関して
- 首相「指揮権発動は考えてない」 - 読売新聞(2010年1月19日)
- 法相、指揮権発動否定せず - 産経新聞(2010年1月19日)|法相一転「介入の意思ない」 - 読売新聞(2010年1月22日)
- 【日本の議論】民主党連立政権下で指揮権発動はあるのか? - 産経新聞(2009年11月23日)
- 指揮権発動 - Yahoo!百科事典
西松建設からの違法献金事件関係
- 小沢ショックに見る政治とカネ - 西松建設からのお金は自民党にも流れている。All About(2009年3月6日)
事件の構図、経過
- 小沢民主党代表の資金管理団体をめぐる違法献金事件の構図 - 時事通信
- 特集「小沢代表秘書逮捕」 - 産経新聞
- [図]西松建設を巡る政治献金の構図 - 毎日新聞
- [解説]「代表続投とゼネコン献金」 - NHK解説委員室(2009年3月24日)
時系列
小沢一郎氏について
政治資金管理団体(衆議院議員 小沢一郎) | ||||
---|---|---|---|---|
団体名 | 代表者名 | 会計責任者名 | 事務所所在地 | 備考 |
陸山会 | 民主党(衆) | 大久保隆規 | 東京都港区赤坂 |
- 小沢一郎ウェブサイト(公式サイト)|小沢一郎メールマガジン(公式メルマガ)|民主党岩手県連
- 小沢一郎 - All About用語集
陸山会に関する動き
- 資金管理団体の家賃収入等について詳しく説明 小沢代表が会見などで - 民主党(2007年10月10日)
過去の発言
「もう一度間違っていなかったかどうか、単純ミスの話だから、精査するように事務方に言う」(陸山会の土地購入に関して)
民主党代表選挙に関連して
首相になった場合、自らの起訴に同意するかどうかという問題が浮上
- 日本国憲法 第5章 内閣 - 第75条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。法庫
憲法第75条への意見
起訴できるかどうかについて、主に3つの解釈
- 小沢氏が総理大臣になった場合、起訴対応で時間を無駄にすることは国益に反する - ドクター国松の日本の国はここがおかしい(9月4日)
憲法学者の意見としては、 1.総理大臣は起訴できない 2.同意あれば起訴できる 3.同意なしでも起訴できる の三つの解釈がある。
本人の同意に関わらず、訴追は難しいという立場の意見
- 首相を起訴することは可能か?〜憲法75条の解釈を巡って - Because It's There(8月29日)
法解釈上は、憲法75条にいう「国務大臣」には内閣総理大臣を含まないことになりますが、本条の趣旨は、内閣総理大臣の地位をより強化するものである以上、「国務大臣」には内閣総理大臣を含むか否かを問わず、内閣総理大臣の同意をとわず、起訴できないのです。
検察審査会の制度について
- 「小沢首相」なら起訴できない検察審査会の欠落部分 - 現代ビジネス(8月19日)
国政へのロスがあまりにも多い起訴議決制度は、早急に見直すべき。
- 小沢一郎氏の改正検察審査会法に対する発言への危惧 - 上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場(9月4日)
政治家を除外してしまえば、改正検察審査会法の意義はなくなってしまう。
みんなの意見
- 憲法第75条 - Sooda!
- 憲法第75条の検索結果 - Yahoo!知恵袋
政治資金規正法について
コラム
- 小沢は座して起訴されるか。それとも離党するか。 - PJNEWS(2010年9月15日)
- これは起訴相当の議決である - BLOGOS(2010年7月16日)
- 小沢一郎よ、今こそ立ち上がれ! - BLOGOS(2010年7月16日)
- 刑事事件に対する未熟な報道 ― 小沢問題からの考察を中心に - BLOGOS(2010年1月16日)
- 小沢氏の窮地と検察とのガチバトル - BLOGOS(2010年1月13日)
- 小沢弁護団の勘違いか小沢氏の勘違いか - BLOGOS(2010年1月13日)
意識調査・アンケート
- 小沢幹事長を「起訴相当」と検察審議会が議決 あなたはこの議決をどう思いましたか? - gooニュース畑(2010年4月28日-5月26日)
- 小沢氏の関係団体がTV司会者らに講演謝礼 あなたはこれでマスコミの政治報道を信用できますか? - gooニュース畑(2010年2月2日-3月2日)
関連トピックス
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