2010年7月1日10時27分
2013年に統合を目指す男子バスケットボールの日本リーグ(JBL)とbjリーグが30日、第1回連絡協議会を開いた。ただ、JBLに所属する企業チームとbjでは新リーグのプロ化に対する考え方に違いがあり、このままでは新リーグが予定通りに発足するのは難しい状況が改めて浮き彫りになった。
初会合には両リーグと日本協会が出席したが、実質的な議論はなく、日程を確認しただけ。日本協会副会長の深津泰彦・新リーグ準備室総括は統合の難しさについて「両方とも今のリーグをやめることに抵抗がある」と話した。
日本協会は企業スポーツの衰退への対応と競技レベル向上のため、新リーグをプロ化する方針。これに対し、バスケットを社員の福利厚生や宣伝手段と位置づける企業は難色を示している。日本協会は企業チームが地域密着型になることを原則としているが、企業側の反発に配慮して、あえてプロチームへの移行を明確には求めていない。
ある企業チーム幹部は「企業チームには待遇や練習環境などの利点がある。JBLを長い間支えてきた我々も入れて欲しい」。別の企業チーム幹部も「強化と普及と言うが、プロ化してそうなるのか個人的に疑問」と言う。
これに対し、09―10年シーズンJBL王者でプロチームのリンク栃木やbj側はプロリーグでなければ参加しないとの立場だ。bj幹部は初会合後も「このままでは統合は難しい」と話した。日本協会は以前にもJBLをプロ化する方針を打ち出しながら、企業の協力が得られず話が進まなかった。業を煮やした日本リーグの一部チームが脱退し、05年にbjリーグを創設した経緯がある。
日本協会は来年半ばまでに新リーグの形式を決めて参加を募る方針だ。出身母体のトヨタ自動車がプロ化に反対している深津副会長は「企業チームの良さを生かしつつ新リーグに参加できるうまい方法を考えないといけない」と語るが、その道筋は見えないままだ。(阿久津篤史)