（ＣＮＮ）　南米エクアドルの首都キトで９月３０日起きた、ボーナス削減などに抗議する警察官らが暴徒化しコレア大統領が負傷、病院内に一時閉じ込められた事件で、同国のフレディ・マルティネス国家警察長官は１０月１日、即時辞任を発表した。

大統領は数百人の軍部隊の出動で救出され、警官らの行動をクーデター未遂に等しいと非難していた。コレア氏は警官らとのもみ合いの中で、催涙弾が当たって負傷していた。騒乱に関係した警官を処罰する方針も示している。

反米左派路線を進めるコレア氏は公務員報酬や教育関連予算などを削減する法案を提出し、可決しなければ議会を解散するとの方針を表明。しかし、ボーナス削減を懸念する警官がこれに強く反発、９月３０日午前から街頭で抗議集会などを開いて暴徒化し、略奪も起きていた。

同大統領はボーナス削減にはつながらないと指摘し、事態を沈静化させるため警官の集会現場に現れ、説得に当たっていたが負傷していた。騒乱が収まった後、コレア氏は大統領府で支持者を前に演説、グティエレス元大統領や野党勢力が騒ぎを画策したと非難していた。元大統領は関与を強く否定している。

この騒乱で軍部隊と警官が約１時間にわたって衝突、警官２人が死亡していた。同国の赤十字によると、負傷者は少なくとも８８人となっている。政府は９月３０日、１週間にわたる非常事態を宣言、治安維持の権限をコレア氏支持を表明した軍に委ねている。

今回の騒乱を受け南米諸国の指導者はアルゼンチン・ブエノスアイレスで緊急会議を開催、コレア氏支持の声明を発表していた。クリントン米国務長官も同様の声明を出した。