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所長
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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)

2010.10.04

 日本初参加 サイバー攻撃対策 13か国協調 米主導の訓練 

カテゴリ サイバー攻撃出典 朝日新聞 10月4日 朝刊 
記事の概要
米国の国土安全保障省が9月の最終週に実施した世界最大規模の官民サイバー演習に、日本の政府機関などが初参加した。

演習名は「サイバーストーム」で、参加は米、日や英など13か国の計3千人以上。

インフラのシステムがネットワークを介して攻撃を受けたことを想定。事態の進展に応じ、どのような指示・連絡をすべきか実際に判断する訓練をした。

日本からは内閣官房情報セキリティセンターのほか警察庁、経済産業省からネット上の監視を委託された非営利団体「JPCERT/CC」(東京)が参加した。

「万一の際に各国のどことどう連絡を取るべきかの訓練にもなる」(警察庁幹部)と話している。

「サイバーストーム」は06年2月と08年3月に続き3回目だが、過去2回は、米国と通信傍受などで緊密な関係のある5か国での実施だった。

しかし、昨年7月に米韓の政府系サイトが集中攻撃を受けた際は、日本にあるコンピューターが攻撃の「指示役」に利用されていたことが判明。ネット上の脅威の広まりを踏まえ、米国が日本や欧州を招いた。
コメント
米国と通信傍受などで緊密な関係にある5か国とは、世界規模で通信を傍受しているエシュロンを運用している米、英、カナダ、豪、ニュージランドの英語言語圏の5か国である。

ニュージランドが入っていることに不思議と思うかも知れないが、これは日本(例えば三沢基地)で通信を傍受したものを日本で情報が漏れれば犯罪になるが、日本からニュージランドに転送して情報を解析すれば、たとえ情報が漏れても犯罪にはならない。

アメリカ国内の情報はカナダというように。5か国で通信傍受を行いながら、転送して情報の解析を行っている。

今回の13か国というのは、そのエシュロンに協力している国を指していると思う。だからエシュロンに批判的なフランスなどは呼ばれていないと思う。

中国も米ソ冷戦時は中国東北部にエシュロン用の対ソ連向けアンテナを設置することを許可したと聞いていたが、最近も運用されていると聞かない。

日本はエシュロンの中継基地ばかりか、対ロシア、対中国、対北朝鮮からの電波情報を傍受する最貢献国である。
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