窃盗容疑で逮捕されたのは斎木祐太容疑者。逮捕容疑は、1日午後6時50分ごろ、阪神尼崎駅前(兵庫県尼崎市)のショッピングセンター「尼セン」内の化粧品店で、女性に人気の国内高級ブランド化粧品のファンデーション、フェースパウダーなど17点、計13万4800円相当を、商品が収められていた縦約30センチ、横約30センチの引き出しごと盗んだ疑い。
尼崎南署などによると同容疑者は、引き出しを着ていた服の腹の部分に隠して万引したが、女性店員に見つかり「ドロボー!」などと大声をあげられたため、猛ダッシュで逃走。「尼セン」店外に飛び出したが、近くの交差点に同署中央交番があることを知っていたのか、避けるように約300メートル離れたパチンコ店に逃げ込んだ。
ホッとしたのもつかの間、同容疑者は隠していた化粧品十数点を床にバラまいてしまった。盗品と知るよしもないパチンコ店の男性店員(39)が、親切心から手助けしようとしたのだが、追いかけてきた警察官と勘違いしたようで、「オレのじゃない」とヒステリックな反応を示し、その場から逃げようとしたという。挙動を怪しいと感じた店員が110番通報し、計3人のパチンコ店スタッフが斎木容疑者を取り囲んで、駆け付けた同署員に引き渡した。事情を聴くと万引を認めたという。
調べに対し、「お母さんにプレゼントするつもりだった」などと供述。確かに53歳の母親がいるが、同署によると、同容疑者は両親だけでなく、交際中の女性とも同居しているという。捜査関係者は「盗んだ数が多すぎるし、売り飛ばして換金するつもりだったのだろう」。供述は“まゆつば”とみて、詳しい動機などを追及している。