平成22年3月15日知事定例会見
日時:平成22年3月15日(月)13時30分~
場所:第一応接室
幹事社 知事からお願いします。
(新型インフルエンザワクチン対策本部の解散について)
広瀬知事 はじめは、大分県新型インフルエンザ対策本部の解散です。
昨年4月28日にWHOがフェイズ4を宣言し、新型インフルエンザの発生が確認されました。それを受けて、大分県では対策本部を設置しました。5月に国内で発生し、6月18日には県内で初の患者が発生しました。
8月から11月にかけて流行期がずっと続き、11月にはインフルエンザ定点当たりの患者数が77.2人となりピークに達したわけです。それから、おかげさまでだんだんと収束しまして、先週の報告ではこの患者の発生が0.67人となり、流行と言われる1を下回るところまできました。状況がかなり落ち着いてきましたので、今日、本部会議を開催し、本日をもって対策本部を解散することになりました。
ただ、もう問題がなくなったということではなく、対策本部をもって対応をする必要はないということです。
これまでの間、本当にいろいろなご心配をおかけしましたが、なんと言っても県民の皆さんには非常に冷静にこの問題に対応していただいきました。咳エチケットの遵守や発生した時のマスクの着用といった感染予防も随分実施していただきました。これが非常に大きかったと思います。改めて県民の皆さんの冷静な対応に感謝を申し上げます。
また、県医師会をはじめ保健医療関係の団体にも、医療の確保やまたワクチンの接種などご尽力をいただいき、心から御礼を申し上げたいと思います。企業、事業所等においても、感染拡大防止についてご理解、ご協力をいただきました。御礼を申し上げたいと思います。
その様なお力があり、残念ながらお二人の方が亡くなられましたが、多くの方が重症化することなく、ここまでこれたのではないかと思っているところです。
解散をするとどうなるかといいますと、常時設置しています健康危機管理対策調整会議があります。これは福祉保健部長が議長を務める会議ですが、これからは調整会議で情報の収集等を行いながら、対処していくことになります。
大変ご心配をおかけしましたが、今日をもって対策本部は解散にしたいと思います。
なお、課題はまだまだ残っていまして、一つは、これまで新型インフルエンザ対策をずっとしてきましたが、それを検証して、よかったかどうかを調べてみなくてはいけないと思っています。
例えば、流行の期間は、最初8週間ぐらいだろうと言われていたのが、相当長期にわたったということもあります。年齢的には、若年層に非常に罹患が多かったわけですが、高齢になると幸い罹患があまりなかったということもあります。そういう分析も必要になってくると思います。
分析、検証をしながら、もう一つ備えなければいけないのは、これまでは弱毒性で済んだわけですが、強毒性に変異をする可能性もあるので、その備えも十分にしておく必要があります。そういう作業をしながら、今後対応をしていきたいと思っています。重ねて県民の皆さんのご協力に感謝を申し上げてご報告します。
爽風館高校の竣工式等について [PDFファイル/41KB]
第二点は、爽風館高校の竣工です。
県内初になりますが、単位制のフレックスハイスクール「爽風館高校」がいよいよ上野の丘に完成し、今月27日に竣工式を行うことになっています。4月11日が初の入学式になります。
爽風館高校はご存じのとおりですが、高校改革推進計画に基づいて碩信高校と大分中央高校と別府鶴見丘高校の定時制、この3校を発展的に統合しようということで作られたものです。
午前、午後、夜間、3部制の定時制課程と通信制課程があります。しかもフレックスハイスクールということで、どこに属していても、どこの授業を受けてもいいということで、最終的には単位を計算して、単位を取れば卒業できるということで作っています。学びの形、ニーズが多様化している中で、そういう多様化したニーズに対応できる高校にしていきたいと思っているところです。
初の入学試験も行われましたが、応募人員が多かったということで、結構ニーズに合っているのかと思っているところです。
フレックスハイスクールですから、秋にも入学試験を行い、必要に応じてできるだけ弾力的に入校出来るものにしていきたいと思っています。
また、地域と一緒にということで、図書館や食堂を地域に開放するとともに、公開講座を設けて地域の皆さんにも学びの場を提供することを考えているところです。
竣工式の後には、施設全体を開放して内覧会も開くことになっていますので、どうぞ、ご覧いただければと思っています。
3月27日の午前10時から竣工式を予定しています。
(スカイネットアジア航空の誘致について)
3点目は、大分空港への新規航空会社の誘致です。
10月31日に羽田空港の発着枠が拡大されることになっています。これは羽田と地方を結ぶ航空路線拡大のチャンスでして、大分・羽田間も是非拡大に向けてチャレンジをしようということです。
具体的には、新規航空会社のうち、スカイネットアジア航空に対して、是非大分空港に就航して欲しいという話をしているところです。
頼むだけではあまり意味がありませんから、先月26日に経済団体、県、関係市などから構成される「大分空港航空路線拡充・定着化推進協議会」を設立して、関係者あげて誘致をする体制を作りました。先週12日には2回目の協議会を開催して、スカイネットアジア航空からおこしいただき、正式に要請書を手渡すと同時に、いろいろ先方の話も聞かせていただいたところです。
先方は、地域と一体となるのがプリンシプル(信条)で、逆に言えば地域の熱意が非常に大事です、ということを言っていました。熱意ならいくらでもある、ということで、地域をあげて取り組もうということで、地域の熱意にいろいろな表し方がありますが、出資なども有効な手段ではないかと思い、地域で出資を募ることも決めたところです。 4月には最終的に決めなくてはいけないという時期ですから、あまり時間がありませんが、短期決戦で是非取り逃がさないようにしなくてはいけないと思っています。
(職員の逮捕について)
それから、誠に申し訳ない報告ですが、昨年12月に痴漢行為で県職員が逮捕されました。昨日、同じ職員が再び痴漢行為で逮捕されたという報告を受けました。言葉もありません。被害者をはじめ関係者の皆さんはもちろん、県民の皆さんにも心からお詫びを申し上げます。
12月に痴漢行為があり、検察庁でずっと事情聴取等をしていまして、その後2月26日に起訴されています。その起訴中の人が、また同じ痴漢行為で逮捕されるということでして、本当に残念というか言葉もありません。恥ずかしい限りですし、心からお詫びを申し上げたいと思います。
略式起訴ですから、その結果が出てすぐ処分をしようと思っていましたが、それを待たずにこういうことになってしまい、これから至急処分を含めて対応を考えなくてはいけないと思っているところです。誠に申し訳ありません。
この件については、後ほど総務部長から会見をさせていただくことになっています。
私からは以上です。
幹事社 幹事社から一点。
スカイネットアジア航空の誘致についてですが、先週12日に協議会があった中で、先ほど知事がおっしゃったように、出資が一つの誘致の切り札ということで、課題にあがったわけですが、大体5億円を目安にということのようですが、期間的にもかなりハードルが高い感じがしますが、県としてどう側面支援していくかというところと、県として出資する可能性は考えているのかどうかという点。
広瀬知事 先ほど申し上げましたように、羽田空港の拡張に伴って路線の割り当てが出てきまして、ある意味なかなかないチャンスですから、これは是非活かしたいと思っているところです。
二つ理由がありまして、一つは、今二つの航空会社、日本航空と全日空が入っているわけですが、どうも利便性からいって時間帯が十分ではない、したがって、もっといい時間帯に路線が増えるといいという気持ちがあります。利用の弾力性、利便性ということが一つ。
もう一つは、大分空港周辺の空港には新規航空会社が入っていまして、それを見てみますと料金もだいぶ割安になっていることがあって、そういうのが入ってくると、それ自体料金が割安になるし、しかもこれが既存の航空会社にも波及して、少し安くなるのではないかということもあり、料金の面でも県民にとっていいことになるのではないかと考えており、是非このチャンスは活かしたいと思っています。
そこで、民間の皆さんにも、是非このチャンスを逃さないようにして欲しいという話をしているところです。
県はどうするかということですが、県は皆さんの努力を是非後押ししたいと考えていまして、この新規航空会社誘致の意義や重要性、利便性についていろいろな人にお話をする、お願いをすることをしたい。それは側面でというより、先頭を切ってやってもいいぐらいの思いです。その努力で、是非民間の皆さんでお金が集まればいいと思っているところです。
県は出資するのかと、その12日の会議でも議論がありましたが、出資はしない、側面で応援すると言っておきましたが、ただ、その側面支援は非常に重要性を感じているからという話はしてあります。
出資をしないで済むように民間の皆さんが集めてください、という話をしています。出資をするとかしないとか、今そのことについて考えているわけではありません。
記者 関連で、出資以外で空港利用料などいろいろあると思うのですが、出資以外の何か財政的な支援というのは、あり得るのですか。何かお考えのことはありますか。
広瀬知事 今のところ別に考えていませんが、例えば空港利用料などいろいろなことがあると思いますが、その辺はまだ、向こうからも何もきていませんし、いろいろな可能性を頭の中に置いています。
出資も、出資はしないということよりも出資しないで済むようにみんなで集めてください、と話をしているところです。
記者 確認ですが、今の出資をしないというところは現段階でということでしょうか。
広瀬知事 出資をしないで済むようにみんなが集めてください、という話でそれ以上のものでもその以下のものでもありません。
一つの大事なチャンスですから、そのことについてご理解をいただいて、是非スカイネットアジア航空に対して、地元の熱意が現れるような形が出来ればいいと思っています。
記者 実際問題、各企業を含めて、今少しずつですがトリニータへの支援もしていますので、今の時期に5億円というのは、さっき質問にあったように厳しいと思うのですが、その辺で側面支援というと、どうしても金額的なところを企業としては求められるところがあるのですが、その辺は県としてどうでしょうか。
広瀬知事 それは安易すぎるのではないか。自分でやらなくては。
協議会には大分県内の有力な経済界の人が入っていますから、一生懸命やってもらいたいと思っています。
記者 県としては、空港道路の利用料もなくすお話や、この前協議会に知事もご出席されて説明をされたり、ある程度、側面支援としてはかなり行っている、という認識でいると理解していいのでしょうか。
広瀬知事 空港道路の無料化については、それが側面支援と思っていませんが、まずこの話を聞き、そして分析をしてスカイネットアジア航空へ話に行っているということは、側面どころではなくて、先頭を切ってしているような気がします。
ただ、なんでも県がお金を出して、ということは二つの意味で今回は問題があるだろう、むしろ空港を利用する方が自分たちの問題としてやっていただくことが非常に大事なことではなかろうかということが一つ。
それから、そういう問題として、ちょうど今盛り上がってるところですから、それなら県が、ということを言う必要は全くないというか、むしろ言わない方がいい、民間の皆さんが一生懸命考えてくれているところです。ただ、県は全くやる気はありません、と水を差す必要もないということで、今申し上げたように、県がそこまで出なくて、何とか民間の力でやってください、という話をしているというのが状況です。
記者 出資のこともさることながら、SNAさんに話しを聞いてみると、県境の人たち、日田の人が福岡空港に流れたり、県北の人が北九州空港に流れたりしており、その辺の人たちがちゃんと大分空港に来てくれるのかということを非常に気にしています。
県境ということで言うと、県南であれば、利用実績はともかくとして、県がバスの運行実験をしたり、主体的な取り組みをされています。県西、県北に関して、SNAさんが懸念されていることで、何か県の方が主導的に対策を取ろうとされている部分、いま取っていなくても今後検討されていることとか、お考えがあったら教えていただきたいのですが。
広瀬知事 かつて県北と大分空港を結ぶバスを運行してみたり、今度も県南と空港を結ぶバスを運行したりしています。そういうことで、お客さんが集まる、そして、そのことが、また利便性を増すということであれば、それはまたそれで考えたらいいと思うのですが、いろいろな手を考えて、そして大分空港の利用を促進する。
逆に、今度は空港が、県民の皆さんが利用しやすい利便性のある、また料金の面でも競争性のあるサービスをしていくことも大事ではないか、その両方で利用を高めていくということではないですか。
今回、これを失敗すると、もう大変です。道路事情はよくなるは、周りが随分安くなるは、ということで、ここは勝負どころです。
記者 出資以外の支援体制で、今は考えていないがいろいろな可能性を頭に置いてるとおっしゃいましたが、今2社就航していて、そことの兼ね合いも出てきます。それを重視されるのか、それとも、とりあえず路線作ることが重要だと重視されるのか、どちらの方を優先されるのでしょうか。
広瀬知事 なかなか難しいご質問ですが、それは今就航している2社との兼ね合いということを考えると、そもそもスカイネットアジア航空を誘致すること自身が、その2社にとってみると困ったことになるというところはある。そこは踏み切ったわけですから、そういう中で、どれだけ兼ね合いがつけられるかということだと思います。
なかなか微妙なところがあると思いますが、考え方としては、そんなことより空港の利便性を増して県民の皆さんがより利用しやすい形にするということについて、今の2社にもご理解をいただけるのではないかと思っています。
そういう中で、おっしゃるようにどこまでやれるかというのは兼ね合いの問題があると思います。
記者 新型インフルエンザの関連ですが、県としては流行が終息した、一種の終息宣言的なものと考えてよろしいでしょうか。
広瀬知事 なかなか微妙ですが、終息宣言というともうインフルエンザがなくなったみたいな感じがするかもしれませんが、まだ0.67ということで患者の発生があるわけですし、そもそもインフルエンザウィルスは絶滅したわけではないので、そういう意味では警戒を怠ってはいけないと思います。
ただし、対策本部を設けて県をあげて対応しなくてはいけないという事態はなくなったということで、通常の監視体制である健康危機管理対策調整会議に移行すればいいかということで、これで全く心配ありませんという趣旨ではありません。
記者 流行期は過ぎ去ったということか。
広瀬知事 それはそうです。流行期とは患者の発生件数が1以上ということだそうですが、0.67まできましたから、そういう意味では流行期は終わったと思っています。
幸い、この間の高校入試の時も心配されていたのですが、この新型インフルエンザによる欠席はなかったと聞いていますし、その意味ではだいぶ落ち着いてきました。
ただ、終息宣言というと、これがなくなったと思われて、誤解を招くので。
記者 最後の職員の件ですが、略式起訴されて時間もたつし、逮捕からも時間がたって、取り調べ自体がなかなか難しかったみたいなので、こういう状況で、一定の刑事処分が出ないと県としても処分というのは難しいと思うのですが、今回こういうことになって、改めて処分をどのようにしていかれるおつもりかというところを伺えればと思うのですが。
このケースで、刑事処分が出るまで待たざるを得ないのか、それとも同じようなことを繰り返しているので、それで処分していくのか、その辺の判断について、知事ご自身どのようにお考えかを伺わせていただけますか。
広瀬知事 今回なぜ処分をしていなかったということを悔やまれるのですが、12月13日に事件を起こしてから1月18日まで福岡区検察庁の事情聴取が何回かにわたって行われており、その間に本人に会って事情を聞いたりして処分を検討していましたが、2月26日に略式起訴になり結論もすぐということになったものですから、それではそれを待って、ということになったわけです。今振り返ってみると、非常に残念もうちょっと早く処分をしておけばよかったというところもあります。
しかし、こういうことにいたり、思いもかけない、また同じことを同じ福岡県でやってしまったということもありますから、また同じように時間をかけていいかというと、そうはいかないのではないかと思いますので、出来るだけ早く事情を確認して、そして厳正に処分をすることを急がなければならないと思っています。
これまでと同じやり方で、時間をかけるわけにはいかないのではないかと思います。
記者 この件について3点伺いたいことがあるのですが、まず刑事事件としてはこの2件だけですが、報道機関に他人の名誉毀損に当たるような文書を送りつけたりとか、あるいはインターネットにもそういった投稿をされたとか聞いています。県に対しても県の名誉を傷つけるようなことを多々しており、確定情報ではないのですが、そういうのがあるようですが、そのことも処分に反映されることになるのかというのが一点。
後、こちらも直接話をしたわけではないのですが、精神的に病んでいる部分があるという話もあるのですが、そういった時に、例えば刑事処分になれば、病気といった部分が反映されて、処分が弱くなったりなくなったりします。人事的な意味で、その辺の部分がどう考慮されるのかというのを知りたい。
それと、なかなか処分ができなかったことを、知事自身悔やんでいらしゃるところがありますが、今回の事件等が、これからの懲戒処分の基準や懲戒に関する運用で変わってくる部分につながるのか、この3点を伺いたいのですが。
広瀬知事 まず第一点については、去年12月13日の事件、そして昨日の事件以外存じませんが、事実をいろいろ確認して、そして事実に基づいて処分をすることになると思います。事実が確認出来ないものは処分のベースにはならないと考えています。それでも、この二つの事件というのは大変重いものだと思っています。
第二点の病気との関係ですが、本人はながらく病気で休職をしていたこともありますが、他方こういう問題を起こしてしまったということもあります。検察はいろいろ調べた結果、先ほど言った略式起訴をしていますので、そのことを含めながら判断をしていくことになると思います。今特に、そのことについて予断を持っているわけではありません。
三つ目は、本当にあってはならない事件を繰り返すということがありましたが、そのことをよく参考にしながら、今後の処分を考えていくことになると思います。
記者 いまのに関連ですが、今回同じ人が二度事件を起こしたということですが、県職員や県教委の職員の不祥事が非常に相次いでいて、前回知事に質問した時に、いろいろな改善方法を考えていきたいということで、県職員や教職員の上司の人たちが部下に面接をして、法律を守りなさいとか、心のバランスはどうですかということを個別に聞かれていると思うのですが、その後もまだ相変わらずばらばら飲酒運転とかが出てきたりして、結局伝わっていないような気がすると思うのです。
それは、プロである人がやっていないという、全く伝わっていないと思いますので、そこら等は普通の民間企業ではよくやっているように、外部のコンサルティングであるとか、外部の心の病とかを気づくようなプロを任命されて、何かそういった、もう少し県職員や県教委だけではなくて、もう少し外部の力を取り入れていかないと、結局ここは何か組織ぐるみの問題が、全国の都道府県の中でもこのぐらい不祥事が出てくるところはなくて、組織ぐるみでの問題があるというふうなとらえ方をしているのですが、その辺のさらなる改善策というのは、もう不祥事をこれ以上起こさないという改善策というのは、何か今後考えられる予定はありますか。
広瀬知事 組織ぐるみで問題があるというわけでは決してないと思いますが、しかし、随分不祥事が続いています。その度に本人にそれぞれ面談をしながら、本人だけでなくて職員個々に面談しながら、再発防止の対策、綱紀粛正について引き締めをしてきたことも事実ですが、それでもこうやって起こってしまったということなので、実は何週間か前に人事担当の人といろいろ話をしていて、今お話のようなことで、我々が気がつかない留意点がいろいろあるかもしれない、もっと専門家の意見を勉強して、それを研修に活かすことが大事なのではないかという話をして、ちょうど人事当局もいろいろ勉強してるところだったのです。それは急いでもらって、ただ研修で同じことを繰り返し言うだけではなくて、どういうポイントから注意をしなければいけないとか、どういう点が日頃から気をつけなくてはいけないということを、専門家の話を聞いてより効果的な対策の研修をしなくてはいけないと思っているところです。
これはご指摘のとおりだと思います。内部だけでするのではなくて、専門家がたくさんおられるわけですから。
記者 全く違う話ですが、明日ですが、9月16日の鳩山政権誕生から半年という節目になります。
議会でもいろいろ答弁いただいているのですが、地方の声の拾い上げ方や政策面など、知事から見た鳩山政権の評価を改めてお聞かせいただきたいのですが。
広瀬知事 もう半年になりますか、なかなか、大変な半年だったと思います。
政権交替があって、政権にある皆さん方は意気込んで世直しに入られたと思いますが、率直に言って、残念ながらまだ空回りしているところがあるのではないかと思っています。
考え方そのものは、非常にいいところがあると思います。人を大事にするとか分配のところにもよく気を配られるとか、あるいは環境問題とか、一つの考え方として、それから地域主権もそうです。そんなところが考え方としてはいいと思いますが、それをもう少し着実に前に進めていくことが大事ではないかと思っています。
それがどうもあまり出来ていないところが、何となく空回りをしている感じを受けるのではないかと思っています。なぜそういうことになっているかというと、もっといろいろな人から意見を聞かなければいけません。現場の声をです。そういうところがまだ十分ではないのではないかと思います。
政治主導だとか聞こえはいいが、何かと思ったら本当に限られた党のメンバーで決めてしまうとか、そういうことではなくて、せっかく国のトップにいるのですから、いろいろな人から話を聞けるチャンスがあるので、そういう人から聞きながら物事を進めていくと着実にものが進んでいくのではないかという気がします。
記者 地方の声の吸い上げ方というか、国の施策の吸い上げ方というのは、なかなか、うまく地方まで届いていないという感じをされますか。
広瀬知事 届いていません。
聞くルートも大変だし、聞く方もどこかを通じなければ駄目だとか、聞く人は、この人とこの人とこの人でなくては駄目だとか、ルートも限られているし聞く人も限られている。それでは、これだけ課題多い世の中で、十分に国民の声を吸い上げられないと思います。
そのあたりは、もっと自信を持って変えていったらいいと思います。
記者 また違う話です。
「子育て満足度日本一」に関わってくると思うのですが、大分市の小児初期救急医療体制の指定施設二つ、大分こども病院と大分赤十字病院が医師不足になることが懸念されていまして、今診療体制を作ろうとしているのでしょうが、初期救急というところでは、大きく変わってくると思うので、大分市が中心でしょうが、県として4月以降どういうふうに対策を取っていきたいと思われていますか。
広瀬知事 大分市も対策を取ると思うのですが、よく考えていただきたいのは、何年か前に日田市の済生会病院が小児救急を受入制限するということがありました。何かというと、お父さん、お母さんが忙しいものだから、また昼間は混雑するものだから、夜間、小児救急に連れてくるということがあって、本当に夜間連れてこなくてはならない人だけでなくて、お医者さんが疲弊してしまうということがあって制限るということがありました。 その時に、日田市では、その事情を市民によくお話をして、市民の方も、ああそういうことか、ということで対応していただき、今日田の方では、夜間救急はまた復活をしたと思います。お医者さんも何とかしてくれているということもあるので、この問題は、もちろん医療体制の整備ということも大事だが、市民の皆さんのご協力も大事になるので、その両方を訴えていかなくてはいけないと思っています。
記者 そういった中で、何か県として、医師を派遣するとかいうのは別に、いまのところは。
広瀬知事 そういう話があれば、非常に大事なことですから、いろいろな協力を惜しむものではありません。出来ることならなんでもやりたいと思います。
だけども、市としてもっと市民にそういう事情を訴えることも大事なのではないかと思います。
現に、そういうことを訴えて市民の協力を得て小児救急医療が復活したという例もありますから、是非両方で協力しあいながらしていくことが大事ではないかと思います。
記者 全然関係ない話です。
大分から数十キロ先の伊方原発で、プルトニウム混合燃料を燃やすプルサーマルが始まりましたが、本県の県民の安全ということを考えた時に、そこでしていること自体どう見られるかということ、何かあった時の伝達体制について、知事のご所見を聞かせていただけませんでしょうか。
広瀬知事 原子力発電は大事なことだと思っています。地球環境の問題等を考えていくと、そこのところはやっていかなければならないと思いますが、もちろん、その大前提として、安全・安心に十分な上にも十分な配慮をしてもらうことが大事だと思います。プルサーマルの件についても同じことだと思います。
燃料がプルサーマルに変わったからということで、そのことで危険が増えたとは思いませんが、十分に安全性を確認しながらしていくというふうに思います。
だけども、念には念を入れておくことが必要なので、そこは是非気をつけてもらいたいと思いますし、豊予海峡を隔ててこちらにいる者としては、連絡体制等は十分に取っていなくてはいけないと思っています。隣として心配のないように体制を取っていかなくてはいけないということはもっともだろうと思います。
記者 知事は、原発の安全性自身は信頼されていると考えてよろしいですか。
広瀬知事 信頼しています。
記者 今後の環境やCO2削減とかを考える上で、国内全体に更に何基も作らなくてはいけない状況にあるようですが、例えば本県に誘致するとか、何かそういうお考えというのはお持ちですか。
広瀬知事 その話は、全くありません。
記者 いまの関連ですが、前に取材した時に、県の地域防災計画には、例えば伊方原発が何かがあった時の対策について、今の段階では盛り込まれていないと思うのですが、それについて、これをきっかけにではないですが、それを盛り込んでというお考えは、いまのところはないのですか。
広瀬知事 今はありませんが、何も対応しないでいいかというと、万一の時はどうするかということは県民の皆さんも心配だろうから、連絡体制を整えておくとか、ある程度必要になるかもしれません。
今、それがだからといって、それから対策を考えるということはないと思います。
記者 ちょっとまた話が違うのですが。
県議会の定例会のことですが、県議会の内部で、議会の活性化、機能強化ということで、定例会の会期のあり方を考えてみようということがあり、協議会が中間報告を出して検討を続けていくということでしょうが、一部の県でしているような年2回の定例会とか、決算審議をしっかりするために第3回定例会と第4会定例会をつなげるという案も出ているようですが、執行部の知事の立場からして、そういう定例会のあり方を変えるというのは何か所感があるでしょうか。
広瀬知事 地域主権、地方分権という中で、地方の議会の役割もまた重要になってきていると思います。そういう議会が役割を果たしていくうえで、どういう形が一番いいのかということを議会の皆さん方が議論をなさっていると思いますから、私も期待をしてそれを見ているという状況です。
どっちがいいかというのは、いろいろ考えようがあると思いますから、だからこそ、今議論がされているのだろうと思いますので、もう少し言いたいことを言わずに黙って見ておきます。
幹事社 特にありませんでしょうか。それでは、終わりたいと思います。
※知事及び記者の発言内容については、単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、作成しています。