韓国の警察庁外事捜査課は30日、日本人ホームレスの名義で旅券の発給を受けたとして、旅券法違反などの疑いで、韓国人の男・チェ容疑者(54)を逮捕したと明らかにしている。
調べによると、チェ容疑者は韓国内で貿易会社を運営していたが、不渡りを出し、債務者らから逃れるため1992年4月に日本に入国。韓国内では詐欺の疑いで指名手配されていた。
日本に不法滞在していた同容疑者は、2004年に山口組系の暴力団員から3000万ウォン(約221万円)で日本人名義の旅券を受け取った。以降6年間で、日本を中心に韓国、中国、オーストラリア、チリなど国内外を75回も入出国したという。
韓国の複数のメディアは、「入国管理局をあざ笑い、75回も偽造パスポートで通過」「出入国管理の穴を突いた」と題し、この事件を報じている。
事件が発覚するきっかけとなったのは2008年、本来のパスポートの持ち主である男が事件を起こし、警察に逮捕され、男が刑務所にいた8カ月間に、本来ありえないはずの出入国記録を日本の警察が発見したため。
捜査を行った日本の警察は、チェ容疑者が今年6月に韓国に入国すると、韓国の警察に対し、偽名旅券を所持したチェ容疑者が暴力団関係者の依頼で、麻薬を運搬している疑いがあるとして共同捜査を要請した。
韓国の警察はチェ容疑者の出入国記録にあった携帯電話番号を追跡し、内縁の女(46)の家に滞在していたところを逮捕した。
75回にわたって出入国を繰り返せたのは、日本への入国時には日本人は指紋認証手続きを経なくても良いためであり、また韓国でも、これまで外国人の入国時には指紋を確認していなかった。
韓国の法務部は9月1日から「外国人指紋確認システム」を導入したが、チェ容疑者は発覚を恐れたため、6月に韓国に入国した後は出国していない。
また、日本の警察は今回の事件と関連し、韓国人の不法滞留者などがたくさん集まるとされる横浜の韓国人運営のバーを 家宅捜索した。その結果、日本人名義で発行された偽パスポートが多数発見されたことから、今後も捜査が続けられるという。(編集担当:李信恵・山口幸治)
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