国債買い入れ増は長期金利上昇につながるリスク=日銀総裁
一部の市場・政府関係者から採用の要望が根強いインフレ目標については、「金融政策が物価以外の形で表れる不均衡にも対処する必要が生じた場合には、短所にもなり得る」とした。各国中銀でも、インフレ目標採用の結果、物価が上がらない限り低金利が続くと理解され、レバレッジや期間ミスマッチの拡大を生み出す一因となったため、従来よりも柔軟なインフレ目標を設定しつつあると指摘。日銀が公表している「中長期的な物価安定の理解」という形での物価見通しも柔軟なインフレ目標の一例だとして、「インフレ目標の長所を最大限取り込むと同時に、その欠点とみなされている部分にも対応したものだ」と説明した。
<金融市場麻痺しなかった日本、欧米との比較は不適切>
白川総裁は、講演終了後に学会参加者から、日銀の金融緩和が不十分との見方が出ていることについて見解を問われたのに対し、日銀のバランスシートは金融危機後の欧米中銀の2倍拡大してきたと指摘。また、金融危機で社債市場など金融機能が麻痺した欧州などと金融システムが安定していた日本を比べるのは適切でない、と答えた。
(ロイターニュース 竹本能文記者)
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為替介入、政府の信認問題
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