人為的に排出される二酸化炭素によって、地球の平均気温が上昇していると、誠しやかにいわれています。いわゆる地球温暖化です。やがて北極や南極の氷が溶けてしまい、海面が上昇して、島ごと沈んでしまう国もあるとのこと。 「これではいけない」ということで、1997年に、各国で二酸化炭素の排出量を減らそうという「京都議定書」が採択されました。しかし、アメリカはこの取り決めに参加しなかったのです。それに対し、各国から非難が相次ぎました。私は当時、「アメリカは賢い選択をしたなぁ、全会一致で条約に批准しなかった米国議会は良識がある、さすがアメリカだ」と感心しました。 二酸化炭素の排出量削減には、莫大なお金がかかります。例えば日本は、2012年までに二酸化炭素排出量を6%減らす約束をしましたが、これを実現するには2兆円もかかるのです。 「おまえは、地球温暖化よりもお金のことを心配するのか!」 そういうお叱りの声が聞こえそうですが、その地球温暖化仮説が証明されていない学説だったらどうでしょう。正しいかどうか分からない学説を信じて、貴重な税金を2兆円も使ってほしくありません。 二酸化炭素の人為的排出が地球温暖化を起こしているという主張は、何を根拠にしているのでしょうか。これは、よく知られている通り、温室効果という現象です。 地球は宇宙空間に熱を放出していますが、その熱をガスが吸収します。地球は暖かい毛皮を着たようになり、どんどん暖まってしまう…。これが温室効果です。 確かに、二酸化炭素は温室効果ガスです。しかし、温室効果ガスは他にもたくさんあるのです。水蒸気、メタン、オゾン、フロン、亜酸化窒素などもみな、温室効果ガスです。その中で、最も温室効果に貢献しているのは、実は二酸化炭素ではありません。水蒸気なのです。その割合は、全温室効果のなんと90%を占めています! 二酸化炭素の影響など、それほど大きくないのです。 温室効果ガスが熱を吸収する量にも眼界があります。無制限に熱をブロックできるわけではないのです。限界値を超えれば、熱は宇宙空間に漏れていくのです。スポンジが無制限に水を吸収できないのと同じです。では、現在どれくらいの熱がブロックされているかといえば……、なんと95%なのです! つまり、温室効果はあと5%で飽和状態になるということです。それ以降は、どんなに温室効果ガスが増えても、熱は宇宙空間に漏れ、温暖化は進まないのです。 ちなみに、7000年前の白亜紀には、二酸化炭素の濃度が現在の5倍以上もあったといわれています。その白亜紀でさえ、平均気温は今より6℃高かっただけです。残り5%で飽和状態になることも考え合わせると、今しきりにいわれているように、地球温暖化が進んで灼熱地獄になるかのような心配は、ほとんどないのです。 そもそも、地球温暖化の仮説は、データ自体があやしいのです。温暖化論者が用いる気温データは、ゴダート宇宙研究所(GISS)が発表しているものです。これを見る限り、平均気温は1980年頃から上昇し続けています。しかし、気温の観測地点は、アメリカやヨーロッパなどの都市化されている所が多いのです。 ご承知の通り、田舎よりも都市部の方が気温は高くなります。ヒートアイランド現象です。コンクリートやアスファルトが地面を覆ったことで土が熱を吸収できなくなり、エアコンなどの排熱も増えたことも相まって、都市に熱が溜まってしまうのです。こういった都市部の観測地点が多く含まれていたら、いやでも平均気温は上がってしまいます。 しかも、海の上の気温を測ったデータはほとんどありません。地球上の70%を占めている海を無視して、「これが地球の『平均気温』である」といわれても、首をかしげざるを得ません。 気温の計測にも問題があります。温度計が設置されている周囲の環境が少しでも変われば、測定温度も変化してしまうからです。例えば、周辺に建物が乱立すれば、風通しが悪くなり、気温は上昇します。広い面積の中の一点だけの気温を測定しても、その面積を代表する気温にはならないのです。ましてや、一点で計測する方法で「地球全体の平均気温」を測ろうというのは、そもそも無謀なのです。 では、もっと正確な計測方法はないのでしょうか。あります。人工衛星に搭載された計測器で、大気中の酸素分子が放出するマイクロ波の波長を測り、温度に換算する方法です。これならば、地球全体を満遍なく観測できます。気象衛星「ノア」で観測したデータによれば、月々の変動は激しいですが、平均すればほとんど変化していないことが分かります。とてもじゃないですが、「地球の平均気温が上昇している、危険だ」などと言えないのです。 これほど明確なデータがあるのに、なぜ信憑性に欠けるGISSのデータだけを取り上げ、地球温暖化が起きていると騒ぐのでしょうか。いろいろな理由があるのでしょうが、その中の1つに科学者側の事情があると思います。 「人為的な二酸化炭素の排出によって地球温暖化が起きている」という学説を唱える科学者たちは、その研究で食っているわけです。学説が有名になった方が、研究予算もたくさんもゲットできるでしょう。自分の学説に有利なデータだけを用いるのも、しごく当然のことなのです。有名になるためには、地球温暖化の恐怖を煽る本を書いたり、メディアに働きかけたりします。科学者だって人間なのです。 今回の「地球温暖化」というテーマから外れるので詳しく触れませんが、科学の世界では、客観的にデータを分析するというよりも、「自分の理論に都合の良いデータを集める」というやり方の方が、圧倒的に多いのです。 科学好きの子供だった私は、中学生当時、しばしば「地球寒冷化」の恐怖を訴える本を読んでは、未来を心配したものです。今も書棚にあるそれらの本のタイトルは、次の通り。 「冷えていく地球」、「氷河期へ向かう地球」、「氷河時代 人類の未来はどうなるか」、「氷河期が来る 異常気象が告げる人間の危機」、「大氷河期 日本人は生き残れるか」……。 そう、1970年代は、科学者たちは「地球寒冷化」を警告していたのです。あれから約40年。氷河期がくるどころか、今度は地球温暖化で北極や南極の氷が融け、陸地が沈むと言っています。しかも、かつて「冷えていく地球」という本を書いて寒冷化を警告していた学者N氏が、今、「熱くなる地球」という本を書いているのです。できの悪い漫才みたいです。「そこまでやるかなぁ…」と思います。 まあ、とにかく地球温暖化仮説は、眉につばを塗って聞いた方がよろしいです。 なんだか、「地球温暖化仮説、憎し!」というような勢いで書き連ねましたが、別に恨みがあるわけではありません。ただ、実証された理論でもないのに、マスメディアや政府や、こともあろうことか国連までが地球温暖化仮説を「真実」だと認定していることに、危惧しているだけです。 実際には、長いスパンで見れば地球は寒くなっているのです。10世紀から12世紀はかなり暖かかったことが分かっています。例えば、ノルマン人が10世紀に発見したグリーンランドは、豊富な草木で覆われていました。だから「グリーンランド」と名付けられたのです。その地が今や雪と氷の世界になっています。だから、少し暖かくなったからといって、慌てふためくことはありません。 「いやいや、すでに海面が上昇していて、沈みかけている島があるではないか!」 こういう反論もおありでしょうが、結論から申せば、あれは地球温暖化の影響ではありません。説明すると長くなるので今回は割愛します。もし機会があれば、また書きたいと思います。 巷では、二酸化炭素排出量を削減するために、自動車通勤をやめて徒歩や自転車を使ったり、電気をこまめに切ったり、冷房の設定温度を高くしたり……と懸命に努力をしています。「二酸化炭素が地球温暖化を起こしている」ということは証明されていませんが、巷で行われている努力はムダではありません。自動車の排気ガスを減らせば空気は汚れませんし、節電はエネルギーを有効に使う素晴らしい手段です。 間違っている仮説に基づいた行動でも、その行動が社会にとって益となれば、結果オーライです。しかし、できれば正しい情報に基づいて行動してほしいものです。それが、科学的な態度というものです。 |
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モスクワ発 10/21 時事通信社のニュースより>> |
ryuu 2008/10/23 15:10 |
地球温暖化論は疑似科学です。地球温暖化論には反証可能性がないからです。科学とは「反証可能性がある仮説」であり、疑似科学とは「反証可能性がない仮説」だからです。反証可能性については2008/07/31の日記をご参照ください。 |
小林浩 2008/10/23 18:02 |
北極の氷が減っている原因については、2008/07/16の日記をご参照ください。今年の夏に北極の氷がなくなると予測されていましたが、2013年〜2040年に延びたんですね。どんどん延びたらいいですね。>> |
ryuu 2008/10/24 10:27 |
少し誤解させてしまったのかもしれませんが、私は「地球温暖化は起こっていない」とは思っていません。「分からない」という立場です。そして私が激しく反対しているのは、「人為的二酸化炭素排出が原因だという地球温暖化論」です。 |
小林浩 2008/10/24 13:22 |
このご時勢とか多数意見とかというところを |
名意 2010/01/13 23:24 |
>エコテロリズムはなくして欲しいものです。 |
小林浩 2010/01/14 20:55 |
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